CATHERINE MALANDRINO|キャサリン・マランドリーノのNEW YORK通信 vol.02
CATHERINE MALANDRINO|キャサリン・マランドリーノ
キャサリン・マランドリーノのNEW YORK通信 vol.02
“私のインスピレーション源”
ニューヨークをベースに、コレクションを発表しているキャサリン・マランドリーノ。ニューヨークコレクションを目前に控えた彼女から届いた2通目の手紙は、“インスピレーション源”について。
Text by Catherine Malandrino
映画『イージー・ライダー』から“リヴ・ゴーシュ”まで
こんにちは。キャサリン・マランドリーノです。この手紙を書いている今は、まさに2011-12AW NEW YORKコレクションの発表直前! とても慌ただしい日がつづいていますが、今日は私のインスピレーション源について書こうと思います。
私のコレクションは、じつにさまざまなものからインスパイアされています。ジャズエイジの小説家ドロシー・パーカーや、映画『イージー・ライダー』の星条旗、ゴスペル音楽やプリマドンナ、煙草のジタン……そして旅。
私は世界を旅するのが大好きで、いつも色々な国へと出かけています。年末も中国・北京へ行ってきたばかり。訪れた土地の人びとや文化・伝統、自然などにはいつも新鮮な驚きや感動、時には敬意を抱きますし、そしてそれらがコレクションの源となっているのです。
たとえば2010年秋冬コレクションのテーマは“KHAN/カーン”。遠くモンゴルの大自然やともするとプリミティブなスタイルに想いを馳せ、女性が本来もっている強さや美しさのルーツを辿りました。
また2011年春夏は、南フランスの町、ヴァロリスで活躍する陶芸家、ロジェ・カプロン(Roger Capron)のクリエイティブな作品にインスパイアされました。ルーズで力の抜けたシルエットが、南の自由な精神、そしてライフスタイルを思い起こさせます。
ほかにも、私のなかで特に印象深いのは、2001年に発表した星条旗をモチーフにしたフラッグドレス。5THアベニューのバーグドルフ・グッドマンのウィンドウを飾ったその数ヵ月後、あの9.11事件が起こったのです。アメリカ中で愛国心が高まるなか、マドンナやハル・ベリー、ジュリア・ロバーツ、シャロン・ストーンなど、多くのセレブがこぞってファッション誌のカバーや公式の場でフラッグドレスを着用。注目を集めることになり、今でもアイコン的な作品となっています。
さて、では今回発表されたばかりの2011年秋冬コレクションはというと──“パリの左岸(リヴ・ゴーシュ)”。カトリーヌ・ドヌーヴやアヌーク・エメ、ジェーン・バーキンなど、往年のフランス女優やモデルたちのレトロでクラシックな美しさにインスピレーションを得たコレクションです。これらの写真は第4回目でバックステージ含めてご紹介しますね。ではまたそのときに!
キャサリン・マランドリーノ
Catherine Malandrino|キャサリン・マランドリーノ
フランス・グルノーブル生まれ。パリのエスモード卒業後、エマニュエル・ウンガロ、ルイ・フェロー、エ・ヴーといったメゾンで経験を積み、1998年アメリカでダイアン・ヴォン・ファステンヴァーグのヘッドデザイナーとして華やかなキャリアの第一歩を踏み出す。その後、エクスクルーシブで高価なリミテッド・エディション「マランドリーノ」と、カジュアルなテイストを織り交ぜた「キャサリン・マランドリーノ」、ふたつのブランドを立ち上げた。フェミニンでエレガント、個性的なラインナップは、世界各国において女性たちの熱い支持を受けている。