TAKEO KIKUCHI|グローバル旗艦店「タケオキクチ 渋谷明治通り本店」オープン
TAKEO KIKUCHI|タケオキクチ
コンセプトは菊池武夫、店舗設計は長坂 常が手がけたフラッグシップショップ
「タケオキクチ 渋谷明治通り本店」オープン
今春、7年ぶりに自身の名前を冠したブランド「TAKEO KIKUCHI(タケオキクチ)」のクリエイティブディレクターに復帰した菊池武夫氏がコンセプトづくりから携わった「タケオキクチ 渋谷明治通り本店」が11月22日にオープンした。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by Nacása & Partners Inc.
菊池氏の活動の拠点となるガラス張りのアトリエは2階
「タケオキクチ 渋谷明治通り本店」のコンセプトは、ショップと道路の融合を目指した“人と自然にやさしい空気感”。1階はカジュアルウェアとファッション雑貨、2階はスーツとパターンオーダーと明確に分かれていて買いものがしやすく、また、2階には菊池氏のアトリエも設置。今年73歳になる菊地氏のクリエイティブの現場を目撃することもできる。
開閉する窓=“呼吸するビル”
1~2階の店舗設計を担当した長坂 常氏(スキーマ建築計画)は、このタケオキクチブランドのグローバル旗艦店のコンセプトについて、「最初に計画されていた建物は、全面ガラス張り、大きなエントランスが一つ、入った正面に巨大なカウンターというもの。ちょうど東日本大震災から一年が過ぎ、窓の開かないビルに対する問題意識やコミュニティの大事さをあらためて実感していたところで、その計画に少し違和感を覚えました。そこで、細長い間口、奥行きの狭さなど立地条件を活かし、かつ時代に合わせ、よりフラットで、人と人のコミュニケーションを誘発する場を考えました」と語る。
「建物は、27mという間口に対して7mと奥行きが狭く、表からすべて見通しが利いてしまうと、お客さまは入りづらさを感じてしまう。そこで、ファサード面の外、内、裏庭と大きな層を作り、木々のあいだのように見え隠れする柔らかく囲われた場を作りました」と説明。
さらに、ファサード面の外にはベンチ、建物内部の1・2階には大小さまざまな木の箱が入り交じり、裏庭には植物を置くなど、より緩やかな層をつくることで、入店しやすい店舗環境を創出。表のベンチ、裏庭、3階のカフェと、ビル内に3つの“休む”場を設けることで、売ることだけを考えるではなく、ゆっくりと滞在してもらいブランドの思想を肌で感じてもらえる場をつくったという。
京都発のベーカリー「レフェクトワール(ル・プチメック)」も登場
3階のカフェ「レフェクトワール(ル・プチメック)」は、1998年に京都・今出川創業のベーカリーで、東京では2店舗目。今回はサンドイッチ専門店としてオープンした。朝9時からの営業なので、近隣に務めるファッション関係者で朝から賑わっている。