MARGARET HOWELL|「マーガレット・ハウエル×エドウイン」10年間つづくデニムの進化
FASHION / MEN
2015年1月28日

MARGARET HOWELL|「マーガレット・ハウエル×エドウイン」10年間つづくデニムの進化

糸、水、技術、フィニッシュ、一つひとつが“本物”でありつづけること

「MARGARET HOWELL×EDWIN」10年間つづくデニムの進化

マーガレット・ハウエルのメンズがロンドン・コレクションで、毎回必ず1ルックはデニムのコーディネイトが入っているのは、とても光栄です。そのことを青森・秋田のエドウインの工場のスタッフに伝えると、皆、目が輝きます。もちろん私たちも大きな励みになりますね」と語るのは、エドウイン企画生産部の小林正和氏。マーガレット・ハウエル自身がエドウインのジーンズを気に入ってスタートしたコラボレーションも、昨年の秋冬シーズンで10年を経た。毎シーズン、ファンが楽しみに待っている「マーガレット・ハウエル×エドウイン」の進化について話をきいた。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by TAKADA Miduho

「エドウインの得意な部分がNG」という10年間

「私たちが得意としている“洗い”がマーガレット・ハウエルとのコラボではNGなんです」と小林さん。現在のジーンズ業界では、洗いがなかったら売れないといわれる鉄板のプロセスが、「ブランドにそぐわない」ということでこれまでNGだったとか。そのこだわりもマーガレット・ハウエルらしさといえるが、そのかわり、「デニムのインディゴの素の色(藍色)を追求する姿勢においては、私たちも気づかされることが多い」という。

「デニムは洗うとごまかしがきくんですね。でも(素の)色はごまかせません。これまで洗いをかけずに、いかにインディゴブルー(藍色)を出していくかが、コラボの大きなテーマでした。エドウインにおいて、一つのデザイナーズブランドとのコラボが10年間つづいているのは希有なことで、私たちにとっても貴重な期間を共有させていただいているなと思います」

「マーガレット・ハウエルとの取り組みで心がけているのは、本物であること。色の深みを出すには、糸、水、技術、フィニッシュ、一つひとつが本物でないとOKをいただけません。マーガレット・ハウエルの魅力は、“変えているのに変わらない新鮮さ”にあると思っていますが、その新鮮さを実現する要因は、徹底したこだわりだと感じています。それはエドウインにも通じることなので、妥協せず10年つづいているのだと思います」と小林さん。

マーガレット・ハウエル|エドウィン 02

マーガレット・ハウエル|エドウィン 03

マーガレット・ハウエル|エドウィン 04

ジーンズではなく、デニムトラウザーズと呼ぶ理由

小林さんはコラボレーションを9年担当し、マーガレット・ハウエルの販売スタッフにデニムにかんするレクチャーもおこなっている。「デニムは生地になってから染めていると思っているひとが多いのですが、経(たて)糸に藍色の糸を、緯(よこ)糸に白の糸を使った織物がデニムです。その糸の組み合わせをいろいろ変えていくことで、新鮮な見え方、色彩、着心地などを生んでいきます」

また、マーガレット・ハウエルとエドウインのボトムスのパターンはオリジナルで、テーラードからはじまったマーガレット・ハウエルと、ジーンズのエドウインの両方の良い点を認め、はきやすさを追求。「ジーンズはワークウェアからはじまっているので、作り方、パターン、考え方がまったくちがいます。それをふまえて、マーガレット・ハウエルと融合していいものを作っていきます」と語る。

「セルビッチ(デニム地の両端の耳部分)を使っている関係で、脇はまっすぐのパターンでダックテールになりがちですが、そこを修正して、ジャケットにもフィットする“トラウザーズ”を作っています」

今シーズンのデニムは、「経糸と緯糸の打ち込み本数が少ないのですが、ハリとシャリ感があって、盛夏にもはけるウエイトの軽いデニム素材」をはじめて提案。チノは、「経糸がスーピマ綿で、緯糸が6双綿という、これもライトウエイトなチノで、ロングウォッシュ(洗い込み)しています。これは、経糸に使った高級な糸が発する光沢をわざと消して、奥に光沢を残しつつ、色の深みを狙ったもの。とても肌触りのいい生地ができました」

さらに、ウィメンズ2型(ワンピース、シャツ)とメンズ1型(シャツ)には、コラボ10周年の第2弾として、ヤーンダイドリネンという生地を使用。経糸と緯糸にちがう藍色の糸を使って、奥行きのある藍に仕上がっている。

「これからチャレンジしたいのは、やはりエドウインが得意な洗い加工ですね。お互いの世界観をさらに広げられるような、これまでにないモノを提案したいと思います。現在は2014年春夏の製品を企画しています。ぜひご期待ください」。デニム、チノ、ペインターパンツ、シャツなど、ふたつのブランドの魅力が結実した“藍色”の世界を味わってほしい。

MARGARET HOWELL 神南
東京都渋谷区神南1-13-8 パークアヴェニュー神南1階
Tel. 03-5459-3723(SHOP)、Tel. 03-5459-3721(CAFE)
営業時間|11:00~20:00
不定休

アングローバル
Tel. 03-5467-7874
http://www.margarethowell.jp/

           
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