「ラグジュアリーな、プリントTシャツ」
編集大魔王がもっぱらハマっているという「LBPT」…イケてるネットスラングか? はたまたサンドイッチの中味なのか? いや、なんのことはない「ラグジュアリー(L)ブランドの(B)プリント(P)Tシャツ(T)」のことである。夢中になったきっかけは今を遡ること半年前、フランスはパリにあるそうで…
Direction by SUKEZANE TomokiPhotographs by YAMAGUCHI KenichiStyling by KAWAI Kohta Text by HATAKEYAMA SatokoGrooming by 大東京 Model ARISAKA Sodai
vol.10 ラグジュアリーなプリントTシャツ【príntid tí:ʃə:rt】
祐真 「今年の6月、2018春夏メンズコレクション取材でパリを訪れた時のこと。今年いっぱいで閉店するコレットをのぞいてみたら、ショップの2階フロアをバレンシアガがジャックし「copy center」というイベントを開催していました。バレンシアガの白いTシャツに様々なグラフィックを重ねデジタルプリントをしてもらうという催しで、僕もさっそくトライしてみたわけですが、その場であっという間にできるスピーディーさに感動したのはもちろん、完成したプリントTシャツが抜群にいい。ルーズなシルエットで着心地もよく『あ、これいいな』とハマりました。
それまでプリントTシャツといえば、アメリカンな雰囲気で生地が厚めのものがほとんど。それはそれとして好きではありますが、洗濯するとシワになってくるのが残念だと常々思っていました。
ところが、コレットで作ったバレンシアガのカスタマイズプリントTシャツしかり、上の写真で僕が着用しているグッチのアンスキルドワーカーのイラストTシャツしかり、洗濯しても気になるシワは出てこない。ラグジュアリーブランドがリリースするTシャツが、薄く柔らかな上質素材に進化してきているなということを実感したのです。
しかも僕の場合、Tシャツの下には必ずハイネックのカットソーを着用します。それらのプリントTシャツは、いい感じの薄さと柔らかさを兼ね備えているのはもちろん、うれしいことにカットソーを重ねた時のバランスもちょうどいい。その上にコートを羽織れば、東京なら冬でも大丈夫だなと思ったほどです。
以来、ラグジュアリーブランドのプリントTシャツがマイブームとなり、プリントTシャツを「プリT」、イラストTシャツは「イラT」と呼び、「いい感じのプリT、イラTはいねがー」と次のお気に入りを探しているという今日このごろ。今回ピックアップした7点も自分が着てみたいものばかり。この超絶マイブームはしばらく続きそうです」
左:Tシャツ 本人私物、下に着たタートルネックカットソー 4万8600円(カルバン・クライン 205W39NYC/カルバン・クライン カスタマーサービス 0120-657-889)
右:タートルネックカットソー 5300円(ジチピ/メイデンズショップ 03-5410-6686)
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CALVIN KLEIN 205W39NYC|カルバン・クライン 205W39NYC
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