「愛すべき、黒革の手袋」
FASHION / MEN
2017年12月8日

「愛すべき、黒革の手袋」


ザ★ベスト7 7KOROBI TOMOKI


朝晩の冷え込みも本格的になり、めっきり寒くなったこの季節。かじかんだ手を温かく包んでくれる手袋は、真冬のマストハブといえます。さらに、イベントやパーティでお洒落を満喫できるこれからのシーズン。さりげなくエレガンスを極めるなら迷わず黒革の手袋。ただし、片方だけの紛失だけにはくれぐれもご注意を!


Direction by SUKEZANE TomokiPhotographs by YAMAGUCHI KenichiStyling by KAWAI Kohta Text by HATAKEYAMA SatokoGrooming by 大東京



vol.9 黒革の手袋【blæ'k kæ'fskin glʌvz】




祐真 「2009年に急逝した加藤和彦さんは、多くの名曲を生んだ音楽家でありながら、洒脱な文章を綴るエッセイストとしての顔も持っていたマルチな人。最後のエッセイ集となった『エレガンスの流儀』(河出書房新社刊)は、彼自身の高い美意識とエレガントなライフスタイルが綴られた名著で、僕もこの本からは多大な影響を受けています。


なかでも特に衝撃を受けたのが「愛すべき冬の手袋」という章に書かれていた「手袋は、黒のカーフが最高にエレガントなのだ」という一節。数多くの着用体験から得られたであろう審美眼と、潔い言い切りっぷりにシビれました。以来、冬には黒いカーフのグローブがマストになったのはいうまでもありません。


今回ピックアップした黒革の手袋は、素材や縫製こそ様々ですが、すべてシンプルでエレガントにみえるものを厳選しています。実際、いろいろなスタイルのアウターに合わせてみても、全てにすんなり馴染んでみえるのが黒革の手袋のいちばんの魅力。いかにシックなアイテムかということが一目瞭然です。


最近はメンズでも白やオレンジなど、数多くのカラーバリエーションがありますが、エレガントなジェントルマンが身につけたいのは黒一択。どんな装いにもマッチして、有無をいわさずエレガントに見えます。今シーズン、革の手袋を初めて購入するという方にも大いにおすすめします」



books

『エレガンスの流儀』
加藤和彦著/河出書房新社



CHESTER JEFFERIES|チェスター ジェフリー



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柔らかなラムレザーの手袋は、人差し指と、薬指・小指の間に補強用の革がアタッチされたライディングタイプ。内側の手首のシャーリングでフィット感が増し、シルクライニングで指通りもスムーズ。


1937年にイギリス西部のギリンガムで創設され、革の選定からカッティング縫製まで、熟練した職人が仕上げるチェスター ジェフリーの手袋。英国王室をはじめ...


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DENTS|デンツ



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英国を代表する高級手袋ブランドとして、1777年の創立以来、比類なき伝統と最高峰の技術を継承しているデンツ。繊細で美しい縫い目からなるフィットに定評があり、世界中に多くのファンを持つブランドでもある。


肌に吸い付くように滑らかでシルキーな感触が特徴のヘアシープの手袋は、手の甲に3本の縫い目(ポインツ)を入れない内縫い(インシーム)のシンプルなデザイン。そのため...


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BOTTEGA VENETA|ボッテガ・ヴェネタ



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祐真 「ともすれば外縫い(ブリックシーム)の手袋というのはカジュアルに見えがち。しかしなかには内縫いに見えるほど細かなステッチのものもあり、個人的にはそういうタイプもすごく好きです」


繊細なステッチと巧みなカッティングが冴えるボッテガ・ヴェネタの手袋は、上質のナッパレザー製。手の出し入れ口にあしらった同色の...


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MEROLA|メローラ



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映画「ローマの休日」で使用されたほか、抜群のフィット感と熟練のカッティングで、世界中のエグゼクティブに愛用されているメローラ。創業1870年。以来、ナポリ発・クラシコイタリアの老舗ブランドとして、最高品質の手袋とネクタイを作り続けている。


最高級のナッパレザーを使用した定番の黒手袋は、インステッチタイプで...


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LAVABRE CADET|ラヴァーブル カデ



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ラヴァーブル カデは、中世からなめし革産業が盛んだった南フランスのミヨーで1946年に創業。伝統に裏打ちされた手仕事と洗練されたデザインで、パリの老舗メゾンから気鋭のデザイナーブランドまで、多くの高級手袋を手がけていることでも有名だ。


高品質のナッパレザーを用いた手袋は、外縫い、内スリット、ポインツをあしらった...


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DIOR HOMME|ディオール オム



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祐真 「加藤さんも著書の中で書いていましたけれど『エレガンス』というのは口に出し、言葉にした時点で陳腐になるもの。さりげなく相手に気づいてもらえ、暗黙のうちに認めてもらうものなのだと思います。黒の革手袋も、相手が気がつくか、つかないかぐらいの存在感が好ましいのでしょうね」


薄くて柔らかなラムスキンの手袋は、内縫いのシルクライニング。広めの手入れ口をサイドスナップボタンで留める仕様で使い勝手もナイス。手首の内側に...


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ALPO|アルポ



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19世紀後半にイタリア・ナポリのポルトラーノ家の手工業からスタートした高級グローブメーカー・アルポ。厳選された牛革の独自のなめし加工を施すことでうまれる柔らかな質感はもちろん、手袋のブランドとして初めて一流デザイナーを起用したことでも有名。ファッション性の高さでも知られている。


ナッパレザーの手袋は、外縫いのステッチに手仕事のぬくもりを感じさせるデザイン。ライニングは...


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【spot light】


GUCCI|グッチ


LANVIN|ランバン



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祐真 「手袋のディテールに関してさらに好みをいえば、個人的には丈の長めのものが好きです。靴下でいうところのホーズ、つまりスネ毛が見えないよう長い靴下を履きたいというのに似ていて、手首の肌色を見せたくないというのがあります。袖口と手袋の隙間というか、空いているところは極力隠したい。なのでこういったリブの長い手袋は、ブルゾンやジャケットにあわせても手首が出ないので、カジュアルな装いにはとてもいいと思います」



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