「優雅に、フレアパンツ!」
FASHION / MEN
2017年12月1日

「優雅に、フレアパンツ!」

ザ★ベスト7 7KOROBI TOMOKI

セーター、ジャケット、コートと、トップスが続いた今連載に、待望のボトムが初登場。編集大魔王がピックアップしたのは、熱烈マイブームだというフレアパンツ。「穿きこなすのが難しいのでは?」と決して思うことなかれ。誰でもスタイリッシュに着こなせるちょっとしたコツを大魔王が伝授します。

Direction by SUKEZANE TomokiPhotographs by YAMAGUCHI KenichiStyling by KAWAI Kohta Text by HATAKEYAMA SatokoGrooming by 大東京

vol.7 偏愛フレアパンツ【flerd pæ'nts】

祐真 「これまでの連載では、自分が気になっているアイテム、とりわけトップスをメインにピックアップしてきましたが、ボトムに関してこの秋冬はこれ一択。『フレアパンツ』が去年に引き続き絶賛マイブーム中です。

一年前からトム フォードとグッチのフレアパンツを穿いているのですが、フレアはフレアでもウールやコーデュロイ素材を選ぶというのがポイント。カジュアルよりも、スラックス感覚でシックに穿けるものに注目しています。

選ぶ際のポイントは、腰周りからヒップにかけてのフィット感。腰周りはぴったりとフィットしているのが大切。膝から裾にかけての広がりを美しく見せるのも、腰周りのフィットが影響するのです。パンツの丈は靴のヒールの高さギリギリまで長くするのが理想。

個人的にレディスのアイテムではプリーツスカートが好きで、風を受けてなびく様子をいつも『エレガントだな』と眺めています。今回選んだフレアパンツも同様で、裾のフレアが揺れるたびに、佇まいが優雅にみえてくるのがとてもいい。同じトップスを合わせても、スキニーシルエットのパンツとはがらりと異なる印象になるはずです」

GUCCI|グッチ

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祐真 「『これぞフレア!』と語るのにふさわしい一本です。伝統パターンのグレンチェックでカントリー風の色合いも美しく、アクセントのオレンジのラインもキャッチー。ベルトレスといったディテールの遊びも効いています。トップスに何を合わせるかが悩みどころなのですが、着丈が短いダウンベストや、ジャケットは着丈の短いもの、またはお尻がすっぽりと隠れるようなロングタイプをおすすめします。個人的には、セーターを一枚とか、ジャケットを着ずにセーターの上にコートを羽織る予定」

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GUCCI|グッチ

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祐真 「一見、スポーツウェア風。よく見ると素材やディテールが凝っていて、ドレッシーなパンツだと気がつく贅沢な一本。グッチのアイコン モチーフの『ウェブ ストライプ』をサイドラインにあしらい、それが太めにデフォルメされているのがクール。さらにフレアのラインを強調しているのもニクい演出です。脇ポケットが縫い目を利用して作るシームポケットだったりするのも、腰のフィット感を邪魔しない素晴らしいデザインです」

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GUCCI|グッチ

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祐真 「赤を効かせたハウンドトゥースパターンがチャーミング。同素材を用いたジャケットもあるので、ジャケット&パンツの着こなしも可能です。カジュアルなスラックスタイプのデザインですが、フレアの広がり具合は上記のパンツ同様、エレガントの極み。異なるテイストを巧くミックスするグッチらしい折衷主義が光ります。」

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PRADA|プラダ

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祐真 「重厚なシェットランドウールを用い、ファイブポケット風のカジュアルなデザイン。そのミックス・バランスが小気味よく感じるパンツです。フレアというよりはブーツカットに近いシルエットですが、伝統素材のシックさと相まって落ち着いた佇まいに見えるのもいい。裾広がりのラインもとても美しい一本です」

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PRADA|プラダ

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祐真 「カントリージャケットの回(vol.4)でも太畝のコーデュロイをかなり推しましたが、パンツも同じようにヘビロテしたいほどハマっています。特にこのベージュ&エボニーのツートーンの色合いは新鮮で、セブンティーズの香りがしますよね。昔、兄の友達がこういう色のコーデュロイのパンツに、オックスフォードのブルーやピンクのシャツを着て、うちによく遊びに来ていたのを思い出しました」

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PRADA|プラダ

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祐真 「太畝のコーデュロイは、色合いが変わるだけで印象がガラリとかわるので、深みのあるこんな色も好みです。ベルトループが広めだったり、ヒップポケットにタブをあしらったりと、ヴィンテージ風のディテールにも注目です。これはフレア全般にいえると思いますが、ベルトは太めのものか極端に細いものをあわせるのがいいでしょう。バランスを崩すような着こなしが映えてくると思います」

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TA CA Si|タキャシ

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祐真 「Dカンで共生地のベルトが付いているのが面白いですね。大胆なフレアシルエットですが、ストレッチが効いていて穿きやすいし、よくできたパンツだと思います。日本のパンツはヒップのパターンに特徴があって、ポケットになかなか手を入れづらい傾向がありますが、このパンツはそこもよく考えられているのがいいですね」

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【spot light】

JW ANDERSON|ジェイ ダブリュー アンダーソン

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祐真 「この3年ぐらい、ジョナサン・W・アンダーソンの存在がすごく気になっています。ロエベのクリエイティブ・ディレクターになり、自身のブランドも手がけ、今秋冬はユニクロとも組んだりして大いに話題になっている。若くて才能があるのはもちろんですが、なによりも本人がグッドルッキングというのがいい。つくり手が皆キレイである必要はないけれど、美しい人が美しい服を作るのは、ファッションへの夢や憧れが増すという部分でもすごく良いことだと思っています。」

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JW ANDERSON|ジェイ ダブリュー アンダーソン

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祐真 「バギーはフレアパンツに比べると着こなしが難しいので、ある程度の身長がないとなかなか決まりにくい。小柄だと着られている感じになりがち。歩いた時の裾の揺れが魅力なのです。優雅に見えるバランスを見極めながら、自分に合ったレングスを探しましょう。」

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