カジュアルに楽しむブーツ|JOHN LOBB
JOHN LOBB|ジョン ロブ
コンビ素材の軽さが魅力「ENDEL」
バックルで表現される“終わらない旅”
カジュアルにはスニーカーというのが、ここ最近の定番だが、いつも同じではつまらない。変化があるからこそファッションはおもしろいわけで、それをどのようにアレンジするかが、ポイントとなる。ジョンロブの新作「ENDEL(エンデル)」は、春夏の足元に上品な変化をもたらしてくれるだろう。
Photographs by KOBAYASHI Takashi(ITARU Studio)tyling by INADA IsseiText by ITO Yuji
ブーツの魅力を洗練させたデザイン
昨今のスニーカーブームの裏には、メンズファッションのカジュアル化という理由がある。よりリラックスした着こなしを求め、結果としてスニーカーにたどりついた、という流れである。このトレンドは比較的短いタームで訪れたものであり、10年単位で動向を見てみるといまでは定番的な扱いとなっているものがある。それが、ミリタリーというキーワードだ。
歴史をひも解けば、ファッションとミリタリーは切り離すことができない。コート、スーツ、タイ、いずれもその進化の過程にはミリタリーがある。それはブーツも然りである。本来は足を守る、堅牢性といった機能を求めた末に生まれたデザインだが、いまではその良き名残、つまりほどよい男らしさやタフなテイストがディテールとして受け継がれている。
その機能からデザインへのアレンジが巧みなのが、ジョンロブの魅力といえる。2016SSの新作である「ENDEL(エンデル)」にも、そのセンスの良さをうかがうことができる。今季らしい顔立ちとなった「エンデル」は退屈になりつつあるファッションに一石を投じてくれるだろう。
ファッションは変化を楽しむもの
「エンデル」の象徴的なディテールは、アンクルストラップにあるバックルの形状。これは昨年登場したもので、留めるという機能に加え、完全なスクエアとして仕上げないバックルによって、昨シーズンから続く“終わらない旅”を表現したもの。その旅とは、もちろん創業者であるジョン・ロブがロンドンを目指して歩いた旅である。
ダービーブーツである「エンデル」は“終わらない旅”というストーリーを受け継ぐ一足。そのデザインは、クォーター部分にキャンバス素材を使うことで軽やかさや抜け感といった、今季的なテイストが盛り込まれているのも絶妙だ。またカラーバリエーションはネイビーカーフにはネイビーのキャンバス、チェストナットにはグリーンリネンという配色で、前者はドレス系の着こなしにもマッチし、後者はカジュアルをランクアップするのにうってつけといえる。
この春夏はスニーカーを脱いで「エンデル」にはき替えてみる、というのもいいだろう。そのちょっとした変化が“いつもと同じ”ファッションから“今季はちょっと違う”という絶妙な進化の具合を見せてくれる。変化を恐れることなく、変わりゆくスタイルを楽しめる大人のほうが、魅力的なのはいうまでもない。
モデル名|「ENDEL(エンデル)」
色/素材|Navy Calf×Navy Canvas,Chestnut Misty Calf×Green Linen
ラスト|8695
ソール|シングルレザーソール
製法|グッドイヤーウェルト製法
価格|31万3200円
サイズ5E~9.5E