表情のある着こなしをかなえるブーツ|JOHN LOBB
JOHN LOBB|ジョン ロブ
コンビ素材が着こなしにアクセントをプラス「OAKE」
派手にならないシックなコンビネーション
コンビ素材の靴というと、ホワイト×ネイビーに代表されるような派手なイメージが強い。しかしジョン ロブが手掛けると、それはまったく別の表情をもった靴となる。新作ブーツ「OAKE(オーク)」は、その控えめな美学を物語る一足といえる。
Photographs by KOBAYASHI Takashi(ITARU Studio)Text by ITO Yuji (OPENERS)
ほしいのは大人にふさわしい品のあるアクセント
ここ数年、メンズファッションシーンでは、異素材をミックスしたアイテムが目につく。例えばニット×ナイロンや、ウール×レザーといった文字通り異なる素材を組み合わせたアイテムが人気を集めるのには理由がある。そのひとつが着こなしに表情をプラスする、というもの。つまり、単一の素材だとフラットな印象になりがちなところを、素材をミックスすることによって視覚的なアクセントを得ることができるのだ。
アクセントといえば聞こえはいいが、ときにそれは派手な印象を与える可能性もある。そういったイタリア的嗜好ならば、それはそれでいいのだが、もっと英国的な控えめな自己表現を好むスタイルをもつ人にとっては「アクセントはほしいが、派手さはいらない」というのが本音ではないだろうか。
そのシックかつ大人っぽいセンスを満たすなら、靴はカーフ×スエードといったコンビネーションを選ぶというのもひとつの手。しかも色合いを同系色で揃えれば、より洗練されたイメージとなる。その条件に当てはまるブーツが、ジョン ロブの新作ブーツ「OAKE(オーク)」である。
配色に表れる、ジョン ロブの美学
「オーク」のカラーバリエーションは、3つのタイプがあるが、そのいずれをとっても抑揚が控えめな配色となっている。デザインとしてはカーフとスエードのコンビ素材ではあるが、それをあえて全面に打ち出さず、色でシックさを強調しているのが、デザインの妙といえる。
これもクリエイティブ・ディレクターであるパウラ・ジェルバーゼのかんがえによるもので、彼女自身も「ブランドの本質を変えるデザインではなく、もっとも大切にすべきものは歴史と事実」だという。こうしたリスペクトから生まれたブーツは、ダブルバックルのアンクルブーツというモダンなデザインながら、エッジィな印象は皆無。むしろ、カーフ、スエードそれぞれ一枚ずつの革を使うという贅沢な手法を採用しているため、絶妙な一体感をもった美しい仕上がりとなっている。
これもジョン ロブならではのクオリティと技術の証。一般的な靴のデザインのセオリーからいえば、コンビシューズは派手になりがちだが、それを素材、そしてデザインと技術によって洗練させたブーツには、このブランドらしい控えめな美学が宿っているのだ。
モデル名|「OAKE」(オーク)」
色/素材|Black×Black,Black×Indigo,Navy×Indigo/Calf×Suede
ラスト|7000
ソール|シングルレザーソール
製法|グッドイヤーウェルト製法
価格|29万1600円
サイズ|5E〜9.5E