あどけなささえも優雅に演出する靴|JOHN LOBB
JOHN LOBB|ジョン ロブ
エレガンスを追求した新ラストのローファー「WELLS」
プレッピーにエレガンスをくわえる方法
クリーンなイメージをもつプレッピースタイルは、オンオフ問わず使いやすいのが魅力。しかしカレッジ的な若々しさがともなうものでもある。その子どもっぽさを払拭し、エレガンスの極みにまで高めてくれる靴、それこそが「WELLS(ウェルズ)」がもつ、真の魅力といえよう。
Photographs by KOBAYASHI Takashi(ITARU Studio)Text by ITO Yuji (OPENERS)
日本人に馴染みのあるローファーを美しく
スリッポンタイプの靴にはさまざまな種類があるが、もっともわかりやすいのがローファーではないだろうか。その起源は英国でオーダーされたルームシューズにあるというが、脱ぎはきしやすい形状は実に理にかなっている。これはヨーロッパの室内ばきとしてだけではなく、日本においてもその利便性は変わらない。特に室内で靴を脱ぐという習慣があるだけに、ローファーは便利かつ馴染みのある靴でもある。
とはいえプレッピースタイルに多く使われることも多く、印象として若干のあどけなさが残ってしまうのも事実。その一因となるのが、ローファーのデザインの印象を決定づける、アッパーの部分のモカ縫い。これがあることによって、いわゆる一般的なローファーとして視覚的に認識されてしまうため、大人っぽい着こなしに合わせることをかんがえると、異なる方面からのデザインへのアプローチが必要となる。
それを可能としたのが、ジョン ロブの新作「WELLS(ウェルズ)」だ。オーセンティックなローファーをあたらしいかたちへと進化させることができたのは、伝統をふまえたうえで、モダンな感性を吹き込んだアーティスティック・ディレクター、パウラ氏の力によるところが大きい。
実用とエレガンスを併せもつ、大人のためのローファー
同じローファーとはおもえないほどに、美しい仕上がりをもつ「ウェルズ」はモカ縫いがないだけで、ここまで印象が異なることを教えてくれる。新ラストとなる「2015」を使用していることもあり、その印象は細く、エレガントなもの。カレッジの学生がはくような実用性を重視した武骨さは感じられず、むしろスーツなどと合わせたくなる上品さが漂う。
アッパーはホールカットという贅沢な仕上げで、アーモンド型のスマートなトゥから流れるように曲線を描くシルエットが、その美しさをさらに際立てる。サドルの部分は一般的な切れ込みのあるものではなく、スエードでアクセントがつけられており、それもドレス感を高めているポイントといえる。
ローファーとはいえ、まったく見え方の異なる「ウェルズ」の魅力を最大限に活かすコーディネートとしておすすめしたいのが、ラフなドレススタイル。インナーにタートルネックなどを合わせて、サラリと着こなすのもよし。タイトなコートをジャケット代わりに羽織ってスリムなスラックスと合わせるもよし。いずれにせよ、はく人の印象をよりエレガントにしてくれることは間違いない。
モデル名|「WELLS」(ウェルズ)」
色/素材|Black×Black,Black×Indigo,Navy×Indigo/Calf×Suede
ラスト|0215
ソール|シングルレザーソール
製法|グッドイヤーウェルト製法
価格|22万6800円
サイズ|5E〜9.5E