BRIEFING|ニューシリーズ「FUSION(フュージョン)」登場
BRIEFING|ブリーフィング
軽さと強さ、そしてデザイン性をかなえたニューシリーズ
「FUSION(フュージョン)」登場
米軍放出品のリユースナイロンを使用したやわらかなキルティング素材が魅力の「PONCHO(ポンチョ)」シリーズ、軽くてやわらか、かつ強度のある500デニールミリタリーコーデュラナイロンを使用した「FLIGHT LIGHT(フライトライト)」シリーズ。そのふたつの個性を融合させることで、軽さと強度、そしてこれまでにない遊び心のあるデザインを実現したニューシリーズ「FUSION(フュージョン)」が誕生した。その魅力について、デザイナー 小雀新秀氏に聞いた。
Text by OPENERSPhoto by TAKADA Midzuho
異なる個性をもつふたつの素材を“フュージョン”
──使用されているふたつの素材の特性とは?
全面に使用されているカモフラージュ柄のパーツがキルティング素材の「ポンチョライナー」です。もとは軍が機材を保護するために使用していた2メートル四方程の判形の一枚布で、そこから切り取ってバッグに使用しているのですが、リユース品なだけに一枚一枚はもちろん、パーツによって表情が異なります。ユーズド素材のもつ独特の風合いのほか、こうした素材自体のもつ個性を愉しめるのが今シリーズの魅力のひとつです。
しかし、ポンチョライナーだけではやわらかい素材のためカタチが出づらく、また磨耗に対し弱い。こうしたポンチョライナーの短所を補っているのが定番シリーズ「フライトライト」で使用されている500デニールミリタリーコーデュラナイロンです。通常のコーデュラナイロンに比べ、より手触りが柔らかく、コーティングがしっかりしているぶん撥水効果も高いのが特徴です。この500デニールミリタリーコーデュラナイロンを底やサイドなど、力がくわわりやすい部分に使用することで強度面をカバーしています。ちなみに今回使用しているオーディーグリーンは、定番の「フライトライト」にはない新色です。
“軽さ”を優先したカジュアルなデザイン
──デザインコンセプトとは?
ポンチョライナーと500デニールミリタリーコーデュラナイロン、異なる個性をもったふたつの素材を“フュージョン”させることで生まれたのがこの「フュージョン」シリーズです。同シリーズではよりカジュアルなシーンで持ってもらうことをイメージしています。デザイン的にも全面カモフラージュ柄だとミリタリーの印象が強く出すぎてしまうけど、無地とコンビにすることで抜け感が生まれ、よりスタイリングしやすいのではないでしょうか。バッグは主役ではなく、あくまでコーディネイトのポイントですからね。
また、機能性という部分は最低限に抑え、かわりに“軽さ”を優先しています。ポンチョライナーも500デニールミリタリーコーデュラナイロンはもともと軽い素材ではあるのですが、それでもギミックやポケットを増やせばレイヤーで生地の枚数が増えますから、おのずと重くなっていきますからね。とはいえベースはブリーフィングなので、内部のオーガナイズであったり、使用パーツというのは通常と変わりません。
これまで素材やカラーのコンビネーションについてはあまり試みてこなかったので、「ブリーフィング」としてもこの「フュージョン」シリーズはとても新鮮です。僕としてはざっと必要なものだけ入れてぱっと出かける、そんな気取らずカジュアルに使える存在であってもらえるとうれしいですね。
──ありがとうございました。