「Terrem」デザイナー 8M(アトム)インタビュー
Fashion
2015年2月9日

「Terrem」デザイナー 8M(アトム)インタビュー

「Terrem」デザイナー 8M(アトム)インタビュー

rumorsで人気の新鋭シューズブランド「Terrem(テレム)」。ブランド名は、Terra=大地、着地と、Remark=再注目をかけ合わせた造語であり“足もとを見直す”という意味が込められている。デザイナーはこれまでに数多くブランドのシューズをOEMで請け負い、またドメスティック スニーカーブランドの先駆けともいえる「TAS」を手がけていたことで知られる8M(アトム)氏。今回は、そんな彼にブランドのポリシーについてうかがった。

文=富山英三郎写真=Jamandfix

―― 現在はスニーカーが中心ですが、レザーシューズなどを手がけられたこともあるのですか?

もともとは、そっちのほうが得意なんですよ。イギリスの某老舗メーカーでノウハウからトラディッショナル的なスタイルにいたるまでを勉強させていただきました。でも、職人は10年以上修行を積んでやっと認められる世界なので、恐れ多くて経歴にはカウントできないですね。

―― 一般的にはTASのイメージが強いと思いますが、新たにブランドを立ち上げられた経緯を教えていただけますか?

TASでは自分がやりたかったことと、周囲の状況にギャップを感じたことが大きいですね。コントロールができなくなってしまったんです。電話を4台置いてもつねに鳴りっぱなしで、週末にはいつどこで買えるのか、という問い合わせでお客さまからお叱りを受けることもありました。

―― それはうれしい悲鳴というわけではなかったのですか?

そういった側面もありますが、気づいたら完全にファッションの世界へ取り込まれてしまったことへの警戒心のほうが大きくなっていましたね。ストリートブランドという認識が固定化されていましたし、自分の思いが伝わっていないジレンマが大きかったです。今でも、ストリートって何だろう? モードって何だろう? ファッションって何だろう? と答えにならないような疑問に悶々としています(笑)。

──そこでハイフンデザインを立ち上げられたのですね。

もともとは、目的のある靴づくりをしたかったんですよ。そのスタンスはTAS時代からずっと変わっていなくて、昔からユニホーム的なものを作りたいと思っていました。ですから、ハイフンデザインではさまざまな分野の専門シューズを、テキスタイルメーカーとの詳細な取り決めのもとにデザインしています。ただ、ものすごく専門的なことになると、時間の問題やさまざまなアクシデント、そのほかの細かい事柄をクリアしながらデザインしないといけない点がとても大変ですね。とはいえ、TASを立ち上げたときと同様、未知の分野へ果敢に挑戦して何かしら風穴をあけたいと思っています。正直、病院や工場、市場などで働くひとたちが必要とする靴はかっこ良くありませんから。

──すると、Terremというブランドは、ハイフンデザインが手がける一般市場向けの商品と考えていいのですか?

そうですね。ライフスタイルにおける提案シューズを作っていきたいと思います。雨の日に履くシューズや、見た目はシューレースでもじつはスリップオンで着脱しやすいなど、日々の生活で役立つシューズを心がけています。そのなかで、いかに常識を破れるかにも挑戦しています。たとえば、雨用といえばこれまでは“濡れない”ことが条件でしたが、濡れてはしまうけれどもすぐに乾き、除菌性や保温性があるというシューズがあってもいいのでは? とかですね。さまざまな素材を試しながら、本当に意味のあるものを作り出せればと思っています。

──今後、定番モデルを発表していく予定はありますか?

これからやっていきます。この3年間で50型くらい発表しているので、それらの商品をさらにブラッシュアップして、機能性を高めた使用目的別の定番モデルを発表していきたいですね。

──ハイフンデザインを立ち上げ、Terremをはじめられて何か変わったことはありますか?

以前は毎日のように朝まで飲んでいましたが、それでは命にかかわる靴は作れないと思ってキッパリやめました。ですから、若いひとの感性とかはわからないですよ(笑)。

──最後に読者へメッセージをお願いします。

「テレムフットウエア イントロデューシング ユアセルフ」というのが、僕たちのテーマです。つまり、履かれるかたによってワークシューズにも、アウトドアシューズにも、ファッションシューズにもなる。すべては購入してくれたかたにお任せしたい。ぜひ、自由に楽しんで履いて欲しいと思います。

デザインにおける気持ちなどを自分のサイト(http://www.hyphen-design.net/)で表現していますので、チェックしてみてください。

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