第6回目は共同作業 Vol.2
text by MASUDA Hiroaki
『Cycle』×『CAUSE』
ここ数年コラボレーションという企画商品をよく耳にすると思いますが、僕は今まで人と会って話したり、一緒に遊んだりする中で、刺激を受けたり共鳴したりする人の靴を作り続けていました。今回紹介するブランド『Cycle』もその一つです。
『Cycle』のデザイナーの岡沢高宏君とは、数年前に友人の事務所やイベントで会って色々と話をするようになって、初めて話した時に最近の人にはいない凛とした空気があって考え方も明確で、迷いがなくて会っているととても居心地が良い。
顔見知りになってから、何度かの節目で仕事の話や趣味の話をして1年くらい経過して、気がつくと自然に共同製作の話が進んで行きました。
1年間という時間のなかで、相手側の仕事に対する姿勢やポリシーなどに耳を傾けることで、初めて双方の思いが熟成されてモノが生まれてくると思います。そういう時間にはとても意味があると思う。
今回紹介するこのスニーカーは、お互いのカラーが良く反映されたモノに出来上がっていると思います。最初に岡沢君が作ったバンダナのグラフィックモチーフがあって、CLSの黒のイメージやフランスのririのZIPなども良くできていてとても良い仕事ができたと感謝しています。
コラボレーションの共同作業もここ最近になってやっと自然に肩の力が抜けた状態で取り組めて、熟れてきたって言うか楽しく仕事が出来そうな予感があります。
お互い全く違う領域でスキルを上げてきた者同士がいいタイミングで出会って、良い部分が反映される。ブランドやデザイナーごとに考え方があるので、そこで何が最適なのかを考えて組み立てていく作業はとても新鮮で面白いです。
先日、CLSの展示会に遊びにいった時も岡沢君らしさがとても出ていていつもとても刺激になっています。とても良い展示会でした。
次回は『CAUSE』のコレクションについて