YCAM|進化するアートセンター「YCAM10周年記念祭」開催
YCAM|ワイカム
最先端のメディアテクノロジーと、身体を巡るあたらしい芸術表現を体験しに山口へ!
アートと環境の未来・山口 「YCAM10周年記念祭」開催
山口市にあるアートセンター「山口情報芸術センター[YCAM(ワイカム)]」が10周年を迎え、7月6日より、2期に渡って12月1日(日)まで10周年記念祭が開催される。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
進化するアートセンターとしてつぎなる展開を目指す10周年記念祭
展示スペース、劇場、ミニシアター、市立中央図書館を併設する複合文化施設として、2003年11月に開館した山口情報芸術センター(YCAM)。「YCAM InterLab」を中心に独自の制作体制をもつYCAMは、メディアテクノロジーと身体を巡るあたらしい芸術表現を生み出すためのプラットフォームとして、地域と世界を結び、アート、メディア、身体表現の領域を拡げる創造と発信の拠点となった。
それと同時に、想像力と思考を育成する取り組みを通じたメディア教育の実践として、優れた才能と国際的ネットワークが構築される交流の場としても実績を重ねてきた歴史を有する。
今回開催される10周年記念祭では、開館以来YCAMの活動の軸となってきたメディアテクノロジーの可能性を踏まえながら、過去と未来、自然世界と都市文化を、想像・創造力で繋げていく試みをさまざまな芸術形態で表現していく。
会期は、第1期が7月6日(土)から9月1日(日)まで、第2期が11月1日(金)から12月1日(日)までとなっている。
パフォーマンスや舞台、さまざまな展示やワークショップが盛りだくさん
前半のお薦めコンテンツは、7月13日(土)から15日(月)までYCAMスタジオAで開催される、ドイツの前衛音楽家のハイナー・ゲッベルスによる公演「Stifters Dinge」や、7月26日(金)から全期間通して開催する、子どもたちがさまざまなメディアを使って進化させる屋外メディア公園「コロガルパビリオン」。
また、森林や樹木に深い興味を抱いてきた坂本龍一氏が、東日本大震災以降、その関心を具体的な芸術表現として示した「Forest Symphony」プロジェクトでは、坂本龍一+YCAM InterLabとして、さらに発展。樹木から流れる生体電位を取得し、そのデータをある一定のルールに従って音楽に変換。今回はインスタレーションとして7月26日(金)から展示するほか、世界各地の森からデータを集めることを目的として、樹木から電位を取得するためのツールキットをオープンソースとして公開する。
また、おなじく7月26日(金)には、YCAMスタジオAにて、坂本龍一氏、上野耕路氏、ティラー・デュプリー、ILLUHAらが出演するYCAM10周年記念祭「THE OPENING LIVE CONCERT」を開催。さらに、宇川直宏氏率いるライブストリーミングスタジオDOMMUNEが、YCAMとタッグを組み、街中に「YCAMDOMMUNE」と称した拠点を展開し、7月27日(土)には、宇川直宏氏によるライブイベント「YCAMDOMMUNELIVE」をYCAM スタジオAにて開催する。坂本龍一氏と湯山玲子氏による「爆音クラシック」と、ヤン富田によるライブ「禅と生命体と宇宙線」が予定されている。
8月10日(土)と11日(日)に開催される「Yamaguchi Mini Maker Faire」は、これまでに世界60カ国で開催されたが、西日本では初開催。ものづくり=「DIY」に携わる個人や企業などの発表と交流の場となる。
8月24日(土)から26日(月)までは、コンタクト・ゴンゾ+YCAMによる参加型アウトドア・プロジェクト「hey you, ask the animals. / テリトリー、気配、そして動作についての考察」を開催。参加者は、山口市内の山間部に入り、動物とひとが自然のなかに通り道や住み処を形作る行為を探求する。コンタクト・ゴンゾが山口市内の森で実際に生活しながらつくったツアーコースを訪れ、彼らが動物たちのテリトリーで身をもって獲得した感覚を追体験する。
アートと環境の未来・山口 YCAM10周年記念祭
会期|第1期:平成25年7月6日(土)~9月1日(日)
第2期:平成25年11月1日(金)~12月1日(日)
※火曜休館・閉場 祝日の場合は翌日(10月22日(火)のみYCAM開館)
会場|山口情報芸術センター[YCAM]、山口市中央公園、市内(山口市中心商店街、一の坂川周辺、野田神社)
アーティスティック・ディレクター|坂本龍一
総合プロデューサー|阿部一直(山口情報芸術センター副館長)
YCAM10周年記念祭 公式ウェブサイト
http://10th.ycam.jp/