和室にも洋室にもさりげなく置ける「祈り」のかたち。新しい供養の考え方|Sotto
DESIGN / PRODUCT
2018年3月15日

和室にも洋室にもさりげなく置ける「祈り」のかたち。新しい供養の考え方|Sotto

Sotto|ソット

現代の暮らしにそっと寄り添う仏具『Sotto』

故人を偲び、ご先祖を敬って、日々手を合わせる。和室で仏壇があるのが当たり前だった時代から暮らしは変化し、洋室が一般化されて、住環境や家族構成も変わってきた。「Sotto」は、仏壇を置けるスペースがなくても、省スペースでさりげなく置けるシンプルなデザインの仏具。祈りの心はそのままに、現代の暮らしにそっと寄り添う。

Text by TAE UMEMORI

供養とは先祖の冥福を祈り、心を尽くすこと

供養とは「供給資養」という言葉が略されたもの。「供給」はお供えするということ、「資養」とは、資(元手)つまり己の心を養うという意味を持つ。仏・宝・僧の三宝に供え物をし、資養することから、死者(の霊)に供え物をし、死者を養うという意味になった。亡くなった人、先祖の冥福を祈ることは、ただ物をお供えするだけではなく、心を尽くすことでもある。供養とは単に弔いの行為ではなく、もっと大きな人間の営みそのもと言える。

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ささやかな祈りの場に必要な仏具は「三具足」と「おりん」

仏具とは、仏さまやご先祖を敬うための祈りの場で、灯りや香り、花などの供物を捧げるための道具。宗派に関係なく、供養に最低限必要なのは、火立、香立、花立の3つの道具で、「三具足」と言われる。「具足」とは、ものごとが十分に備わっているという意味を持つ。火立はろうそくを立てるもので、香立は線香を立てるもの、花立は花を飾るもの。配置は中央に香立、右側に火立、左側に花立てとなる。本尊(仏前)に火立と香立を対に配置する場合は「五具足」となる。

そして、手を合わせる前に鳴らすのが「おりん」。こちらも宗派に関係なく使われる仏具だ。澄み渡る音で人々の邪念を払い、音にのせて祈りを届けると言われている。

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スペースやライフスタイルに合わせてつくる祈りの空間

これまでは仏具といえば、重々しく荘厳なイメージだったが、「Sotto」シリーズは、現代の暮らしに溶け込むモダンなイメージだ。スペースやライフスタイルに合わせて組み合わせることで、さまざまな祈りの空間を演出することができる。

ひとつで必要な三具足とおりんが揃うPotterin、三具足がひとつになったCheringをはじめ、どれを組み合わせても統一感があって違和感がなく、スペースを取られず、祈りの空間が身近になる。

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Chering+Cherin+Picstal
火立、香立、花立の三具足とおりんがすべて揃う

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Chering+Cherin+Pictuary
故人の思い出の詰まった特別な場として

金工が古くから根付く高岡で瀬尾製作所がつくりだす伝統的製法「高岡銅器」

「Sotto」シリーズは、富山の伝統産業として400余年の歴史を誇る「高岡銅器」でつくられている。
高岡の金工は、約400年余りの歴史がある。慶長16(1611)年、加賀藩初代藩主、前田利長が高岡への入城の際、城下町の繁栄をはかるため、産業の振興を目的として、西部金屋(現在の砺波市と高岡市の市境)から、現在の高岡市金屋町に7人の腕利きの鋳物師を招き、工場五棟を建てたことが始まりとなる。

利長は高岡への入城後、五年でその生涯を閉じる。その翌年、徳川幕府は「一国一城の制」を定めたため、金沢城を持つ加賀藩は高岡城を廃城としなければいけなくなったが、藩主利常は利長の菩提寺の瑞龍寺がある高岡を廃墟にしてはならないと、武士の移住で人口が急激に減少した高岡で、町人の転出禁止令を出すなどして、工商の町として発展させるように配慮した。このようにして高岡の鋳物産業の基盤は、加賀藩、前田家によって約400年前に作られた。

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当時、鋳物で作られていた製品は、砂鉄を原料とした鉄鋳物による鍋や釜などの台所用品、農機具の鋤や鍬が主体だったが、江戸中期に入ると銅器の鋳造も併せて行われるようになった。江戸後期には、梵鐘や灯籠、花瓶などの製造が本格化。江戸末期には装飾性の高い仏具や花瓶などがつくられた。明治、大正にかけては、火鉢、茶道具、置物などの製作もさかんになり、日用品から美術工芸品として、高岡銅器の美術的価値が全国に知られるようになった。

これが現在の伝統的工芸品に指定されている「高岡銅器」の始まりになる。今や日本全国の銅器生産量の約95%が高岡市で作られている。
海外では、1862年のロンドン万国博覧会や1867年のパリ万国博覧会などで紹介され、その精巧な作風により、世界に確固たる地位を築いている。
昭和50(1975)年には、日本初の国の伝統的工芸品の産地指定を受け、日本唯一の銅鋳物の産地として、新しい技法を生み出しながらクラフトデザインやインダストリアルデザインへの展開も活発に行っている。

瀬尾製作所は、金工が古くから根付く高岡で、1935年に創業。金属の板や棒から「曲げ」、「溶接」、「絞り」、「鍛造」などの、創業から磨き続けた技術で、銅器の部材作りから、茶道具、仏具に始まり、現在では建材、インテリア関連製品まで幅広くものづくりを行っている。
これまでは、仏具を揃えようとした場合、どうしても構えてしまいがちだったが、「Sotto」シリーズのモダンなデザインと身近なイメージを見た方々からは、「こんな仏具があったんだ」「こんなにシンプルでよかったなんて」という声が聞かれるという。

現代に受け継がれた新しい祈りのかたち。400年の歴史に裏打ちされた職人の技とモダンなデザインの仏具「Sotto」シリーズで、祈りの空間をもっと身近に演出してみてはいかがだろうか。

美しく尊く心に響くおりん「Cherin(チェリン)」

さくらんぼのような愛らしい形で、その佇まいはまるでオブジェのようなCherinは、故人を想いながら手を合わせるときに音を鳴らすおりん。上部の穴にりん棒を立てておけるので、コンパクトで場所を取らない。叩いたあと、すぐにりん棒を戻しても、しばらく音の余韻が続く。

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価格|1万円(税別)
サイズ|φ55×H129mm(りん棒を含む)
材質|真鍮・天然木(さくら)
カラー|金色、銀色、黒色

コンパクトでさりげなく置ける「Cherin mini(チェリン ミニ)」

心を落ち着かせてくれる音の美しさ、透明感、持続性は「Cherin」と同等だが、本体のサイズはコンパクトで、より高く涼やかな音が特徴的。場所を取らないので、限られたスペースにさりげなく置くことができる。他の仏具とのコーディネートもしやすい。

価格|9500円(税別)
サイズ|φ46×H110mm(りん棒を含む)
材質|真鍮・天然木(さくら)
カラー|金色、銀色、黒色

木のぬくもりを感じさせる素朴なデザイン「Cherin wood(チェリン ウッド)」

「Cherin」と同様の形状で、本体下部に天然木を使用。木製部分が台座の役割を果たすため、敷布が必要ない。木のぬくもりを感じさせる素朴なデザインで木製家具ともなじみがよい。リビング、玄関スペース、書斎の飾り棚などにも溶け込み、自然に置いておける。

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価格|1万円(税別)
サイズ|φ55×H129mm(りん棒を含む)
材質|真鍮・天然木(さくら、メープル)
カラー|金色、銀色

仏具の基本「三具足」をひとつにおさめた「Chering(チェリング)」

仏具の三具足の火立、香立、花立をシンプルにまとめたCheringは、持ち運びもできる。普段は磁器と金属製の器を重ね、一輪挿しとして、特別なときには磁器と金属部分を外して、香炉と火立になる金属製の皿でロウソクに火を灯して線香を立てられる。しまうときは、陶製の花立を皿にのせればコンパクトに収納できる。

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価格|1万2000円(税別)
サイズ|φ90mm×H77mm
材質|真鍮、ステンレス、磁器
カラー|金色、銀色、黒色

しずく型の本体に「三具足」+おりんが入った「Potterin(ポタリン)」

火立、香立、花立の三具足と円形のりん棒が、愛らしいしずく型の本体におさめられており、台座がおりんの役割を果たす。普段は花立てとして、さりげなく置いておき、必要なときには上部の磁器の花立を外して、中から火立、香立、りん棒を出し、省スペースにさっと本格的な祈りの場をしつらえることができる。

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価格|1万6000円(税別)
サイズ|φ68mm×H82mm
材質|真鍮、ステンレス、磁器、天然木(メープル)
カラー|金色、銀色、ピンクゴールド

故人の思い出を保管しておける「Pictuary sphere(ピクチュアリ スフィア)」

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木製の部分に溝が付いており、写真を挿せる。その木製部分のふたを開けると、メモリアルボックスとして、指輪など大切な故人の遺品を保管できる。球体をしているので、本体が細かく揺れるのが特徴的。コンパクトなので、いつも一緒にいたい故人の思い出を側に置いておける。

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価格|1万1000円(税別)
サイズ|φ54mm×H53mm
材質|真鍮、天然木
カラー|金色、銀色、黒マット、ピンクゴールド

写真と思い出の品を一緒に置いておける「Pictuary cylinder(ピクチュアリ シリンダ)」

Pictuary sphereと同様の構造で、ひとまわりコンパクトなメモリアルボックス。円柱のような形状で、木製のふたの部分は写真立てとして、ふたを開ければ、筒状のボックスに故人の遺品や指輪など思い出の品をしまっておけるほか、小さな骨壺としても。ベッドサイドに置いて、身近に故人の存在を感じたい人へ。

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価格|1万円(税別)
サイズ|φ46mm×H50mm
材質|真鍮、天然木
カラー|金色、銀色、黒マット、ピンクゴールド

写真を立てて故人との語らいの場にする「Picstal(ピクスタル)」

木製の台座がついた写真立て。横に置けばL判の写真が2枚並べられ、縦に置けば2L判がちょうどおさまるサイズ。台座の部分に三具足を並べて置くこともでき、気負わず故人との語らいの場をつくることができる。思い出の写真を眺めながら、さりげなく祈りをささげる場として。

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価格|2万1000円(税別)
サイズ|W250×D160×H148(横)/230(縦)mm
材質|真鍮、天然木、ステンレス、アクリル
カラー|斑紋黒染色、斑紋純銀色

香立と火立をシンプルにまとめた「Caroma(キャロマ)」

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いつでも気軽に火を灯すことができる香立と火立のセット。陶製のふたの部分が香立、本体がカップ型ろうそくがセットできる火立になっている。陶製の香立は裏返せば円錐型のお香を焚くこともでき、具足のひとつとして使えるだけでなく、来客時のもてなしのための香炉としても使える。

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価格|1万円(税別)
サイズ|φ72×H47mm
材質|真鍮、磁器
カラー|金色、銀色、ピンクゴールド
小紋柄|七宝、梅鉢、雪輪文

パドルのようなりん棒と透明感のある佇まいのおりん「Paddle(パドル)」

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その名のとおり、パドルのような形状のりん棒が、透明なガラスの置台に配置されたおりん。澄んだ音色が広がる。天然木を使ったりん棒と本体の透明感のある佇まいがモダンからナチュラルまで、さまざまなインテリアに違和感なく溶け込む。Picstalとセットにしても。

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価格|1万円(税別)
サイズ|φ55×H46mm、りん棒長さ100mm
材料|真鍮、ガラス、天然木、さくら(りん棒の先端木部)
カラー|金色、銀色、黒色

問い合わせ先

瀬尾製作所

Tel.0766-63-5000

info@sottoweb.jp

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