創業150年の槙田商店が贈る、巨匠リンドベリデザインの傘|DESIGN
DESIGN|150年以上織物づくりにこだわる老舗、槙田商店
北欧デザインと日本伝統技術の融合
創業150年以上の老舗、槙田商店がスウェーデンのデザイナー、スティグ・リンドベリのテキスタイルデザインを纏った傘をリリースする。北欧デザインと日本の伝統技術がコラボレートした至極のプロダクトだ。
Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)
リンドベリのテキスタイルを纏う晴雨兼用傘
2016年はリンドベリ生誕100年、槙田商店創業150周年というアニバーサリーイヤーであり、それを記念した両者の取り組みとして始まった今回のコラボレーション。リンドベリ遺族の監修のもと、何度も試織を重ね生み出したのが、リンドベリのテキスタイルデザインを纏う傘だ。
槙田商店が長年培ってきた細番手高密度の先染ジャガード技術により、オリジナルデザインを再現したラインナップが揃う。
1947年にリンドベリが初めて手掛けた「PETTERY」(ポテリー)と「HERBARIUM」(ハーバリウム)、1956年の「FRUKTLADA(フルクトラーダ)」に加え、活動初期に手掛けた手描きによる土器の絵柄をデジタル化した「DRAPES」(ドレイプス)」の合計4デザインを、それぞれ3色で展開する。
傘はすべて手作業で製作され、生地の織上げ、UV加工、裁縫などすべてのプロセスを、槙田商店が一貫して社内で行なう。
リンドベリの子息であるラーシュ・デュエホルム・リンドベリ氏は、今回のコラボレーションについて「槙田商店との取り組みをとても嬉しく思っています。富士山の麓で丁寧に織られた傘は本当に素晴らしく、もし父が生きていたら、この品質の高さに大満足だったと思います」と語った。
スティグ・リンドベリ
スティグ・リンドベリ(1912~1982)は、陶芸、ガラス、テキスタイル、工業製品など多岐にわたるデザイナーであったことに加え、アーティストでありイラストレーターでもあった。スウェーデン黄金期、ミッドセンチュリー時代を代表するアーティストであるリンドベリは、スウェーデンを代表する老舗陶磁器メーカー、グスタフスベリ社のアートディレクターとして、さまざまなセラミック商品の製造に関わる。リンドベリの生んだ商品の多くは、スカンジナビアンデザインの典型として人々に親しまれ、北欧の一般家庭の日常にテーブルウェアが浸透するきっかけになった。また現在日本で人気のリサ・ローランは、1954年にリンドベリにその才能を認められて、グスタフスベリ社に入社した、リンドベリの愛弟子にあたる。
槙田商店
創業1866年、山梨県の富士の麓・郡内地方で、富士の湧水で染められた糸を使い、江戸時代の「甲斐絹」(カイキ)の羽裏作りで培った技術・経験をベースに、織物づくりを開始。1956年にポリエステルを使用した傘生地、1978年には服生地の製造卸をスタート。さらに生地の製織だけでなく、社内に傘作り工房を備え、国内では他に類のない生地作りから傘作りまで社内で一貫して生産できるメーカーだ。
スティグ・リンドベリ傘(晴雨兼用)
バリエーション|長傘、折り畳み傘
デザイン|4種類(各3色)
素材|(生地)ポリエステル (持ち手)木
発売予定日|2017年3月
予価|1万5500円(税別)
槙田商店
Tel.0555-25-3113
http://makita-1866.jp/