天童木工が名作家具の発売当時の仕様を再現|DESIGN
Tendo Mokko|天童木工
半世紀以上愛される不朽の名作
天童木工は「バタフライスツール」と「ヘロン ロッキングチェア」の発売当時の仕様を再現したモデルをリリースする。素材選びから仕上げまでこだわり抜いたプロダクトだ。
Text by WASEDA Kosaku(OPENERS)
細部に至るまで発売当時を再現
日本を代表する家具「バタフライスツール」が生まれてから60年。成形合板技術の集大成ともいえる「ヘロン ロッキングチェア」が生まれてから50年。半世紀以上が過ぎても愛され続けている名作家具だ。
この度、天童木工はそれぞれが60周年、50周年を迎えることを記念し、発売当時の仕様をほぼ再現した特別モデルを数量限定でリリースする。
「バタフライスツール」は1956年に松屋銀座で開催された柳工業デザイン研究会個展にて発表。現在に至るまでに、ニューヨーク近代美術館、ルーブル美術館などの永久所蔵品に選定されている。
戦後にイームズの成形合板技術を目の当たりにした柳宗理氏と、当時仙台にあった工芸指導所で成形合板を研究し、後に天童木工に入社する乾三郎との出会いがこの美しいスツールを生み出すきっかけになった。
今回の限定モデルは、発売当時に使用されたインドローズウッドを使用している。ローズウッドのなかでも木目がはっきりと表れるインドローズウッドは、現在では希少価値が高まり、手に入れることが極めて難しい素材だ。
またインドローズウッド特有の紫がかった深みのある木目を活かすよう特別な塗装が施されている。
加えて1960年代に使用していた「天童木工エンブレム」を再現したものを配し、細部まで当時の雰囲気を踏襲するよう工夫された。
一方「ヘロン ロッキングチェア」は、1966年にリビングでも使える応接用家具シリーズとして登場。その一本脚のような立ち姿から「Heron(白鷺)」と名付けられた。
デザインは天童木工のインハウスデザイナーである菅澤光政氏が担当した。成形合板による造形は、“コマ入れ成形”と呼ばれる当時としては画期的な技法で継ぎ目のない一本脚を実現した。
50周年を記念するモデルは、張り地のステッチを発売当時の仕様とした。現行モデルと比べてステッチを入れるスパンが短くクラシックな雰囲気を持つ。張り地の種類は選択可能で、好みのものを選べる。
樹種は当時と同じくナラを使用。月日を重ねるほどにウイスキーのように深みのある琥珀色に変化することが魅力だ。
美しいデザインと天童木工の高い技術が生み出したふたつの家具。この機会に名作と呼ばれるプロダクトの原点を手に入れてみてはいかがだろう。
バタフライスツール 60th Anniversary Revival Edition
サイズ|約W425×D310×H387×SH340mm
重さ|約2.2kg
素材|(本体)インドローズウッド (金具)真鍮
製造数|120脚
価格|7万円(税別)
ヘロン ロッキングチェア 50th Anniversary Revival Edition
サイズ|約W582×D853×H930×SH428mm
重さ|約9kg
素材|ナラ
製造数|120脚
価格|11万2000円~19万6000円(税別)※張り地によって価格が異なります
天童木工
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