世界が注目する韓国発ユニセックス・ブランド ADER errorにインタビュー | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY｜メディコム・トイ

ADER BE@RBRICK 400% / 1000%が発売！

韓国・ソウルにて2014 年に結成された『ADER error (アーダーエラー) 』は、ユニセックスなウェア展開で大きな注目を集めているデザイン集団。昨年はカフェ事業を本国でスタートするなど、韓国カルチャーを牽引する存在でもあり目が離せない。今や世界が注目するADER errorによるBE@RBRICKの発売を記念したインタビュー。

Text by SHINNO Kunihiko｜Edit by TOMIYAMA Eizaburo

私たちはかねてよりBE@RBRICKブランドを尊敬し、深く知りたいと思っていました

米ビルボードチャートを制したBTS、第92回アカデミー賞4冠に輝いた『パラサイト　半地下の家族』など、世界中で盛り上がりを見せる韓国発のエンターテイメント。ファッション界でもインスタグラムから人気に火がつき、『PUMA（プーマ）』や『Maison Kitsuné（メゾンキツネ）』とのコラボで注目を集めるユニセックスブランド『ADER error (アーダーエラー) 』が話題を集めている。

韓国・ソウルで 2014年に結成。その正体はいまだベールにつつまれたままだが、ブランド名のADERは「Aesthetic Drawing + er (美学を描く人)」、errorは「人間が不完全であること」を意味しているという。「But near missed things（身近にあるけど見逃してしまうもの）」をスローガンに、次々と生み出されている魅力的なプロダクトの数々。今回はメディコム・トイよりADER BE@RBRICKが発売されることを記念して、メンバーへのメールインタビューが実現。残念ながら正体に関わる質問には回答いただけなかったが、彼らのものづくりに対する哲学が伝わってくるテキストとなった。

「But near missed things」のスローガンに込めた思い

──ADER errorはデザイン集団としてスタートしたそうですが、これまで影響を受けたものを教えてください。

ADER error　私たちは何かに集中してハマっている人たち、世の中を変えようと絶えず新しさを発見する人たちとそのカルチャーからインスピレーションを受けています。私たちはそうした流れを「ブルーイズム（Blueism）」と表現し、彼らをサポートすることで新しい文化的経験と日常の再解釈を通じてインスピレーションを提供しようとしています。

──「But near missed things」というスローガンに込めた思い、そしてウェアを製作するうえで大切にしていることを教えてください。

ADER error　「But near missed things」はADERブランドのスローガンであり哲学です。日常で見落としがちなものを再解釈し、見慣れたものでも新鮮に感じられるような表現活動をしていきたいという意味を込めています。

私たちは服を作る際、単純に製品として制作するのではなく、表現したいメッセージと哲学をファッションという媒介を通して伝えられるよう心がけています。「エディティズム（Editism）」という哲学をベースに服装の境界を崩し、日常のすべてのものを組み合わせた「フュージョンルック（Fusion look）」として、ADERならではの観点で表現しようとしています。

世界が注目する韓国発ユニセックス・ブランド ADER errorにインタビュー | MEDICOM TOY

私たちはそれを「青春」と呼び、ブルーで表現しています

──現在使用しているブルーのロゴには、どんな意味があるのでしょうか。

ADER error　私たちにとってブルーは明るく、深く、鮮明な色であり、「没入」を意味します。人が何かに恋したり集中しているときは、年齢や性別を超えて人生で最も明るく鮮明な姿です。私たちはそれを「青春」と呼び、ブルーで表現しています。

──ブランドにとって転機となったと感じた出来事を教えてください。

ADER error　ブランドを立ち上げて以来、すべての瞬間が転機だったと思います。明日のことも予測できない時代の流れの中、私たちは絶えずADERの未来を創っていくための活動に集中しています。

メインコレクションを発売するたび、私たちはブランドのアイデンティティを守りながら新しい楽しさと経験を提供することを忘れていません。これまでMaison Kitsuné（メゾンキツネ）、PUMA（プーマ）、ALPHA INDUSTRIES（アルファ・インダストリーズ）、EASTPAK（イーストパック）といった独自のストーリーと哲学を持つブランドとコラボレーションするたび、ブランドが生きていることを実感しています。

昨年12月にブランド6周年を迎えたときは、ADERのシグネチャーロゴを6等分したデザインのフーディー、スウェット、ジャケットをリリースしましたが、あれは6年間続けてきたブランドの歩みを感じてほしかったんです。

コラボレーションが生み出す相乗効果とは

──日本のブランドともコラボレーションされていますね。

ADER error　最初に日本のブランドと共同で進行したのは2018年のG-SHOCKとのプロジェクトで、成功裏に終わることができました。その後も私たちは日本の素晴らしいセレクトショップとのパートナーシップを続けています。

日本だけでなく、私たちはアジア、アメリカ、ヨーロッパの多様なブランドとコラボレーションをしていますが、私たちがご一緒しているところはすべて明確なアイデンティティと哲学を持ち合わせており、だからこそ楽しくご一緒できていると思っています。そうした方々と仕事をすることで、より大きいエネルギーを得られ、新しさを求めるための模索を続けられます。

──今回コラボレーションしたメディコム・トイについてお聞かせください。BE@RBRICKのことはご存知でしたか？

ADER error　もちろんです。メディコム・トイは全世界で愛されているトイメーカーのひとつだと思います。BE@RBRICK製作でご一緒した時間は、そのストーリーと哲学に基づく確かなアイデンティティを持ったブランドからインスピレーションを受けられる貴重な経験でした。また、メディコム・トイはジャンルレス（Genreless）、ユニセックス(Unisex)、エイジレス（Ageless）といった、ADERが追及しているターゲットモデルとも合致していました。

ADERはコミュニケーションを繋がりとして捉え、世の中のすべてに対する知りたいという欲求やその理解こそが、より良いコミュニケーションを生み出すと信じています。私たちはかねてよりBE@RBRICKブランドを尊敬し、深く知りたいと思っていました。人、衣服、空間、イメージ、映像といった多様な方法や形態同様、トイという媒介を通してより良いコミュニケーションを作り出したいと考えていました。

BE@RBRICKをひとつのオブジェとしてとらえた

──今回発売されるADER BE@RBRICKはどういうコンセプトでデザインされたのでしょうか。

ADER error　私たちはBE@RBRICKをひとつのオブジェとして認識しました。そして私たちが考える青春の姿をBE@RBRICKに込めたいと考えました。そこでまず、何かに恋して集中している姿を表現するため最も明るくて鮮明な色──ADERのシグネチャーカラーであるブルーでスタイリングしました。

そしてADERのロゴは青春の失敗と成長──最も不完全であると同時に躍動的な姿を表現するZigzagラインを取り入れ、全身をマット素材で着飾らない青春の姿をBE@RBRICKのシルエットのみで表現しました。

──今後メディコム・トイとどんなことをやってみたいですか。

ADER error　単に製品をデザインするだけでなく、ADERとメディコム・トイそれぞれのストーリーが重なり、新たな何かを生み出せたらと思っています。今回のコラボレーションを第一歩に、このコロナ禍が落ち着いたらオフラインのチャネル（流通経路）でお客様とのコミュニケーションができるような両社の文化展示、さらに長期的にコミュニケーションを続けていくための本当の「コンテンツ」について一緒に考えてみたいです。

──最後に、これからADER errorが表現していきたいことを教えてください。

ADER error 　ADERはファッションを基盤にカルチャーコミュニケーション活動を展開しています。私たちにとってファッションとは日常の中で新しいことを発見し、それに価値を与えるという意味のある活動であり、やろうとしている活動すべての媒介としてその役割を果たしています。

私たちが考えるコミュニケーションのデザイン活動として、私たちは日常のウィットに富んだ楽しさを提供するライフスタイルグッズプラットフォームの「A-ventory」、昨年10月に発表したライフスタイルカフェブランド「Tongue Planet Café」など、次々と新しいカテゴリーに向けたプロジェクトを準備中です。

そして昨年ソウルの聖水洞にオープンした2店舗目のフラッグシップストア「ADER SPACE 2.0」に続き、新たに3店舗目のフラッグシップストアをオープンする予定です。