【インタビュー】SESAME STREETとコラボレーションしたBE@RBRICKが登場、「今」を疾走するアーティスト COIN PARKING DELIVERY | MEDICOM TOY
DESIGN / FEATURES
2023年12月27日

【インタビュー】SESAME STREETとコラボレーションしたBE@RBRICKが登場、「今」を疾走するアーティスト COIN PARKING DELIVERY | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

COIN PARKING DELIVERY × SESAME STREET BE@RBRICK発売記念インタビュー

2018年、スマートフォンを使い、指で絵を描くことからクリエーション活動を開始した新世代の覆面アーティスト COIN PARKING DELIVERY(コインパーキングデリバリー)。アイコン的な「白井さん」を筆頭に、今という時代ならではの疑問や理想を落とし込んだ作風がZ世代を中心に国内外で高く評価されている。現在はデータのみならず、造形、空間、ドローイング、パブリックアート(東京・天王洲アイル「This is SHIRAI」など)、さらにはTBSの人気番組「SASUKE」キャラクターデザイン、ファッション誌「ViVi」のアートディレクション(2024年2月号)など活躍のフィールドを広げている。
今回は2021年のアート展示も盛況を博した「セサミストリート」とのコラボレーションによるBE@RBRICKの発売を記念して、COIN PARKING DELIVERY氏に創作に込める思い、共感するアーティスト、今後の夢についてうかがった。

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

白井さんは「今」を表現できるキャラクター

──創作活動を始めたきっかけについて教えてください。
COIN PARKING DELIVERY(以下、CPD) スマホ上で指で絵を描く人があんまりいないのではないかと思い、創作活動を始めました。
当時はアルバイトをしたくなかったので、アルバイトをする代わりに、絵をアパレルにして稼ごうと思いクリエーションを始めました。ただ、途中からその規模感が大きくなっていったことで、目標を据えて動こうと思いました。
今の社会を俯瞰すると、全てがスマホを通して消費され、なんでも解決・達成した気分になれてしまうことで、新鮮味がなく、感動の少ない世界だと感じました。
それは、ある種「色」を感じることができない世界であり、この世界が次の世代にとって当たり前の世界になってしまうことが怖くて、そうした世界を変えようと思い、遊園地を作ることを目標にしました。
──活動開始当初、既存のアートシーンに対してどのようなことを思っていましたか。
CPD 完璧なシステムだなと思っていました。
社会における実験的な行動や異議を唱えた人たちに価値があるというのは、すごく納得感がありましたし、世界が作られていく物語の全てを集約した形がコンテンポラリーだったりするのかなと思います。
──COIN PARKING DELIVERYという名前の由来、および人前に出る際にマスクを着用する理由について教えてください。
CPD Cから始まる綴りが好きだったこと。既存の言葉を組み合わせて「羅列」「イントネーション」「リズム」を意識したこと。そして元々グラフィティアーティストがすごく好きなのですが、グラフィティアーティストは街中に描いたらすぐに逃げられるように短い名前を使うのですが、自分がデジタルライターだとした時に、逃げる必要もないし、時間が無限になったのですごく長い名前にしました。
グラフィックアートを描くライターは、人が見ていない間に建造物に自分の主張を描くことが真骨頂であるのですが、自分はSNSの中に街が存在していると考えていて、その街に直接絵を描きたかったので、スマホでSNS上の写真をスクショし、上から絵を塗り足すことで、デジタルライターとして活動していました。
また、マスクを着用する理由については、そもそもコンテンツというものが世の中に多く存在し、1日の中で脳が処理できる情報量が限界を迎えている中で、自分が出している作品やコンテンツの情報量に加えて、顔などのパーソナリティ情報が入ってくることで自分が伝えたいことが伝わらなくなるので、顔は出さないようにしています。
──「白井さん」というキャラクターについて教えてください。
CPD アイコン的なキャラクターが絶対に必要だと思ったのが一つ。もう一つは、自分が「今」という言葉が好きなのですが、今を表現する上で、世の中を見渡したときに「今」を表す「物」や「存在」が無いと考え、「過去」の象徴である「恐竜」と「未来」の象徴である「宇宙人」の二つが組み合わさることで「今」を表現できるキャラクター・白井さんが生まれました。
──印象的なブルーの色合いはどのようにして生まれたのでしょうか。
CPD 三つあって、一つ目はおじいちゃんが好きな色が青だったこと。二つ目は自分の誕生石がサファイアなので、昔から好きということ。そして三つ目としては、昔、サイパンの観光大使をやっていたのですが、観光スポットで「青の洞窟」というお魚があまりいない洞窟があり、そこの海に潜ると、本物の青が広がり「怖い」という印象を抱きました。
でも、翻って考えると1つ色で怖いという印象や好きな色として存在できる青色ってすごいなと思い、青色を用いてクリエイティブをすることにしました。
──制作開始当時から現在に至るまでの制作環境について教えてください。
CPD 最初はXperiaのスケッチアプリを使っていたのですが、そこからiPhoneになり、アプリも変わり、今はデータ容量的に携帯で納品できないので、iPad制作しています。ただ、SNSにアップする画像などは、いまだにスマホで描いています。
──パブリックアートも製作されていますが、立体物への興味はもともとあったのでしょうか。
CPD 元々ペインティングよりも立体物への興味の方がありました。
画面の中で立体物は作れないですし、画面から立体を感じようとしても物を見ない限りは、立体にはたどり着けないので、その限定された視聴環境がすごく心地良いなと思っています。
──企業コラボレーションも数多く手がけていますが、中でも特に印象に残るものについて教えてください。
CPD どれか選びたいところですが、正直全部です。
全部の思い出にそれぞれストーリーがあり選べないですし、逆に思い出せないようなコラボは一つも無いです。また、奇跡的に興味あるブランドとご一緒できてきたので、ちょっと怖いぐらいです。
──コラボレーションの際、気をつけていることはありますか。
CPD ひと1人すら楽しめないコンテンツには誰も感動できないと思うので、まずは自分が面白いと思えるものが重要だと思います。
──「セサミストリート」のエルモとのコラボレーションが話題ですが、どのようにして生まれたものでしょうか。
CPD 自分が作っている作品のシリーズで「OSANAME」というものがあり、「OSANAME」は昔の古語で「幼目」と書き、幼い時に目で見たこと指しています。これは、色のない世界の話にも繋がってくるのですが、自分が生まれ育った商店街は昔キラキラしていたものの、今は時代を経て風化し、シャッター通りになり悔しく思っていました。
そんなシャッター通りは、国道123号線沿いに位置しているのですが、セサミストリートという多様性に溢れた世界にも123番ストリートがあり、お互いの世界線で「123」と共通していることに気付き、パラレルワールドとして存在する123番ストリートにエルモと一緒に入りたいと思い、プロジェクトがスタートしました。

セサミストリートの世界に白井さんが入ることをテーマにしました

──メディコム・トイおよびBE@RBRICKに対してどのような印象をお持ちでしたか。
CPD 元々BE@RBRICKを買っていたので、プロジェクトになる時にめちゃくちゃ嬉しかったです。
──今回発売される「白井さん」と「エルモ」のBE@RBRICKについて、どのようなやり取りをメディコム・トイ側とされましたか。
CPD 2021年のアート展示を経て今回のプロジェクトがあり、2021年の時は、エルモたちがこちらの世界に入ってきてくれた話を描きました。
そうした中で今回は、セサミストリートの世界に白井さんが入るということをテーマに世界観がクロスオーバーをすることが重要な要素としてありました。
なので、エルモのCPDバージョンは白井さんのツヤ感やプルプル感でボディが構成されており、逆に白井さんのセサミストリートバージョンはエルモのモコモコ感でボディを構成しています。
──完成したBE@RBRICKについて感想をお願いいたします。
CPD 完璧です。これ以上ないほど良いです。パッケージデザインも自分がすごくやりたかったやり方でやらせてもらい、感慨深いです。
──今後、メディコム・トイとやってみたことはありますか。
CPD 何でもやりたいです。でも、強いて言えば動くおもちゃをやってみたいです。やはり遊園地を作っていく上で動くおもちゃは必要だなと思っています。
──同世代で気になる存在、コラボレーションしたい相手がいらっしゃれば、教えてください。
CPD ダンス&ボーカルグループ THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの長谷川慎さんです。彼とはプライベートでも仲が良いのですが、業界は違えど、お互いやりたいことを自発的に考えて行動していますし、切磋琢磨し今の自分に負けないように毎日を過ごしているので刺激になっています。
──最後にメディコム・トイに限らず、これから挑戦したいこと、実現したいことについて教えてください。
CPD 遊園地を作りたいという思いはありつつ、もう少し近い目標でストリート、公園、商業施設といった空間のデザインをトータルでやりたいです。
どのように設計したら人が滞留しやすくなるかや流動性を作れるのかなどを考えたいです。
BE@RBRICK COIN PARKING DELIVERY × SESAME STREET  ELMO (CPD Ver.) & 白井さん (SESAME STREET Ver.) 100% & 400%(4体セット)
サイズ|各全高約70mm/280mm/
発売日|2Gにて2023年12月発売予定
価格|3万2780円(税込)
※数量限定となります。品切れの際はご容赦ください。
TM and ©️ 2023 Sesame Workshop
©️CPD
BE@RBRICK TM & ©️ 2001-2023 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
BE@RBRICK COIN PARKING DELIVERY × SESAME STREET  ELMO (CPD Ver.) 1000%
サイズ|各全高約700mm
発売日|2Gにて2023年12月発売予定
価格|7万4800円(税込)
※数量限定となります。品切れの際はご容赦ください。
TM and ©️ 2023 Sesame Workshop
©️CPD
BE@RBRICK TM & ©️ 2001-2023 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
BE@RBRICK COIN PARKING DELIVERY × SESAME STREET  白井さん (SESAME STREET Ver.) 1000%
サイズ|各全高約700mm
発売日|2Gにて2023年12月発売予定
価格|7万4800円(税込)
※数量限定となります。品切れの際はご容赦ください。
TM and ©️ 2023 Sesame Workshop
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BE@RBRICK TM & ©️ 2001-2023 MEDICOM TOY CORPORATION. All rights reserved.
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