2015 ミラノサローネ 最新リポート|KARIMOKU NEW STANDARD
KARIMOKU NEW STANDARD|カリモクニュースタンダード
特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2015
映像と写真、実際の家具が交差する心地良い空間インスタレーション
今年は暖かく天気に恵まれたミラノサローネ。6度目の出展となる「KARIMOKU NEW STANDARD(カリモクニュースタンダード)」は、ミラノの街の中心、歴史あるブレラ地区のアパートメントを会場に選びました。
あらたに迎えたデザイナー、クリスチャン・ハースは「SCOUT」というシリーズから椅子とテーブルを、BIG-GAMEのキャストールシリーズからソファとアームチェアをあたらしく提案。また、今回のエキシビションでは、日本を拠点に活動する写真家・木寺紀雄氏による写真とショートムービーを家具とともに展示しました。
Photographs by OTA Takumi Text by TAKEGATA Naoko (DAILY PRESS)
以前からそこにあったかのような家具たち
家具をオブジェクトではなく、腰をかけて話をするとき、休憩するとき、食べたり飲んだり、読書をしたりするときにいつのまにか使っている。そんな日常のような空間で家具を提案するのが、カリモクニュースタンダードのスタイルです。
3つの部屋が連なる小ぶりな一室には、カリモクニュースタンダードの新作やこれまでのコレクションが、以前からそこにあったかのようにとてもよく馴染んでいました。高さのある窓からは心地良い光と風が入ってきて、街の生活の音も聞こえてきます。
クリスチャン・ハースと「BIG-GAME」の作品が登場
最新作は、初めて迎えたデザイナー、クリスチャン・ハースによる「SCOUT」というシリーズから、椅子とテーブルのプロトタイプが登場。クリスチャンにとって、はじめてとなる椅子のデザインは「木製椅子の概念を取り払いゼロから挑戦した」と言うとおり、革新的な構造を生み出し、コンパクトでありながらアームチェアのような座り心地の良さを感じられる椅子になりました。
また、ブランドスタート時より参加しているスイスを拠点に活動する「BIG-GAME」のキャストールシリーズからは、ソファとアームチェアのプロトタイプも発表。シリーズの特徴的なデザインボキャブラリーはそのままに、彼らが尊敬するデザイナー、ル・コルビジェの伝説的なグランコンフォートソファーに学びを得たデザインです。
木寺紀雄の視点がとらえたカリモクニュースタンダード
さらに今年は、写真家の木寺紀雄さんによる写真と映像も展示しました。カリモクニュースタンダードは日本の広葉樹を用いて作られています。その木が育つ東北の森、製材工場、愛知県にあるカリモクの家具製造工場を巡り、木寺さんの暖かい視点で切り取られた制作の背景やブランドのストーリー。
スピーディにクオリティ高い作業を進めるマシーン、それと寄り添いながらディテールの部分に時間をかけて入るひとの手の緻密な仕事。カリモク工場での制作風景の映像は、規模感、機械とひとのバランス、ひとの手の入り具合がどれも想像以上だったようです。
期間中、多くの来場者が映像をゆっくり見ては会場にある家具をあらためてじっくり見る、そんなシーンがたくさんありました。