2015ミラノサローネ 最新リポート|Ermenegildo Zegna
DESIGN / FEATURES
2015年4月30日

2015ミラノサローネ 最新リポート|Ermenegildo Zegna

Ermenegildo Zegna|エルメネジルド ゼニア

特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2015

パトリシア・ウルキオラ デザインのスツール「Baco」を発表

「Ermenegildo Zegna(エルメネジルド ゼニア)」は、薬物中毒患者の更生施設であるサン・パトリニャーノとイタリアの女性実業家レティツィア・モラッティ氏との協力によって生まれたスツール「Baco(バコ)」を、4月13日にミラノ・モンテナポレオーネ通りのエルメネジルド ゼニア グローバルストアで発表。ミラノサローネ期間中、同店内で展示された。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)

オーク材の樽板から作られているスツール

パトリシア・ウルキオラ氏がデザインしたスツール「バコ」は、ワインの樽を回収・再利用することにより木と人を活かす“バリック・プロジェクト(Barrique, the third life of wood)”の常設コレクションを飾る一篇として誕生した。

材料に樽を使用し、優れた職人技が光るバリック・プロジェクトは、著名な建築家やデザイナーがデザインを手がけ、制作はサン・パトリニャーノ デザイン ラボの若手が担当。2012年のプロジェクト設立以来、現在までに40以上の作品がパーマネントコレクションとして存在している。

エルメネジルド・ゼニア|ミラノサローネ

エルメネジルド・ゼニア|ミラノサローネ

国際的なデザイナーたちが無償でデザインを提供

「バコ」は、丸みを帯びた形が蚕に似ていることから名づけられ、スツールの内側に使われているワインカラーと外側のオーク材の明るい色が織りなす美しさが際立ち、互いの色が反応し合う効果を高めている。一緒に座る者同士の面白い一体感を表現した、斬新で風刺を込めた三人掛け用デザインのほかに、ひとり掛け用のスツールもある。

エルメネジルド・ゼニア|ミラノサローネ

エルメネジルド・ゼニア|ミラノサローネ

製造を担当したサン・パトリニャーノ(San Patrignano)は、薬物中毒の問題を抱えた若者を支援する施設で、1978年にヴィンチェンツォ・ムッチョーリ氏が設立して以来、2万5000人以上がここで過ごし、彼らを“家族”として迎え入れ、医療、法的支援、 教育機会、職業訓練を提供してきた。

サン・パトリニャーノ木工所製作による製品コレクションは、これまでカリム・ラシッドや アレサンドロ・メンディーニ、ミシェル・デ・ルッキ、カルロ・コロンボ、ダニエル・リベスキンド、アルド・チビッチ、マリオ・ボッタなどの町名デザイナーが無償でデザインを提供。今回のパトリシア・ウルキオラ氏も先達同様に無償でデザインをおこなった。

ゼニア カスタマーサービス
Tel. 03-5114-5300
http://www.zegna.com

           
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