バンクシーを撮影した有名なショットがスタチュー化 James Pfaffインタビュー | MEDICOM TOY
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2023年6月27日

バンクシーを撮影した有名なショットがスタチュー化 James Pfaffインタビュー | MEDICOM TOY

MEDICOM TOY|メディコム・トイ

Monkey Mask Session TM by James Pfaff Statue

James Pfaff(ジェームス・ファフ)が撮影した、マスク姿のバンクシーがスタチューとなって登場する。その発売を記念して、写真家・現代アーティストのJames Pfaffにインタビューをおこなった!

Text by SHINNO Kunihiko|Edit by TOMIYAMA Eizaburo

「モンキー・マスク・セッション」の話はすぐにまとまり、ロンドンの路地裏で撮影されました

14年ぶりとなる個展(スコットランド・グラスゴーにて開催)が大きな話題になっている正体不明のアーティスト、バンクシー。彼はこれまで一度も素顔を明かしていないが、2003年に猿のマスクを被った「Monkey Mask Session」と呼ばれる有名なショットを残している。
この写真を撮影したのは1965年スコットランド生まれの写真家・現代アーティスト、James Pfaff(ジェームス・ファフ)。Vanity Fair、GQ、ELLE、The Wire、The Faceといった一流雑誌をクライアントに持つ写真家の彼は、「Monkey Mask Session」以降もバンクシー唯一の公式作品集『Wall and Piece』に作家近影として掲載された「Canvas Session」を手がけるなど、バンクシー本人とつながりを持つ数少ないひとりでもある。
今回メディコム・トイから発売される「Monkey Mask Session TM by James Pfaff Statue」は、ジェームス・ファフの撮影した「Monkey Mask Session」をスタチューとして立体化したもの。日本文化からも多大な影響を受けているというジェームス氏に、撮影時の様子や彼自身のアートへの思いについて語ってもらった。

バンクシーといえば、まずは生意気そうな猿の姿が思い浮かぶことでしょう

──あなたはこれまで、広告、ファッション、デザインの分野で幅広く活躍されていますが、中でも特に気に入っている作品について教えてください。
James Pfaff 商業的にも芸術的にも約40年にわたる長く多彩なキャリアを歩んできました。最近まで支えとなっていたのは写真が主体でした。おっしゃるとおり、私はこれまで広告、ファッション、およびデザインなど、さまざまな分野の写真に携わってきました。また、「Alex & Me」のような個人的なプロジェクトに取り組む一方で、音楽写真家、ポートレート写真家としても活動しました。この間、エリック・クラプトンやショーン・オノ・レノンなど、多くの著名人が私のレンズの前に立ちました。この二人は読者の皆さんもご存じでしょう。
──グラスゴーでカメラマンとしてキャリアをスタートし、1994年にドイツのハンブルクに移住。歓楽街レーパーバーン(Reeperbahn)に影響を受けたそうですね。その後の活動に影響を与えた当時の思い出について教えてください。
James Pfaff グラスゴーからハンブルグへ移ったことは、私にとって重要な瞬間でした。ハンブルクや、その悪名高いレーパーバーンのような場所を経験したことがなかったからです。これは、恐らく日本の若者が初めて東京の新宿で遭遇するのと同じようなもので、決してユニークな話ではないのでしょう。刺激的な人々に出会い、この新しくエネルギッシュなネオンの風景の中を歩き、私は完全に自由な気持ちになりました。そこで出会った人たちの多くは、日常を否定するような型破りな生き方をしていて、それが刺激的だった。写真的にもエキサイティングな時期でした。新しい環境を自分のために記録し始め、それが多くの私の個人プロジェクトの基礎となりました。
──日本にも来訪したことがあるそうですが、印象はいかがですか?
James Pfaff おお、日本! 1998年に初めて訪れて以来、何度も足を運んでいます。年を重ねるにつれ興味の対象は変わりましたが、そんな私を日本は、渋谷のナイトクラブから金沢の兼六園まで、常に受け入れてくれました。日本の人々、土地、食べ物、そして文化。他にももっとあります! 日本は私にとって特別な場所です。芸術的な面では、日本の四季、日本の色彩、そして芸術的な素材としての和紙にとても影響を受けました。
──バンクシーと出会った頃の事を教えてください。
James Pfaff 2001年に私はロンドンに移りました。当時、共通の友人を通じてバンクシーと出会ったのは、彼がある程度認知され始めた瞬間でした。この頃からいくつか言えることがあります。彼は執拗なまでに夢中になって働きました。すでに政治的なアーティストであり、広く本を読み、自分の頭で考える、面白い人だった。今にして思えば、私たち二人にとって、かなり混沌とした時期だったように思います。
──バンクシーとは2003年の「Monkey Mask Session」や、バンクシーの著作『Wall and Piece』のポートレートで共に作品を制作しています。撮影時のエピソードについて教えてください。
James Pfaff 素顔とマスクについての話です。バンクシーといえば、まずは生意気そうな猿の姿が思い浮かぶことでしょう。これまでのところ、彼のマスクを外した姿は世間に公開されていません。この匿名性は、最初は逮捕されたくないという願望から生まれたものでしたが、その後、バンクシーの芸術的パフォーマンスの一部へと発展していきました。この新しいアイデンティティができる前、私は彼を、部分的に仮面を外して撮影していましたが、それでは満足できなくなりました。「モンキー・マスク・セッション」の話はすぐにまとまり、ロンドンの路地裏で撮影されました。もちろん、どことは言いませんよ?  おっしゃるとおり、彼のポートレートはバンクシーの著書『War and Piece』に掲載されています。象徴的で、バンクシーのイメージとして最も認知されているものです。
──バンクシーは正体を明かさないまま、世界各地でさまざまな芸術活動をおこなっています。彼の考えに共鳴する部分について教えてください。
James Pfaff バンクシーは、アート界の主流からまだ十分に認知されていない最も有名なアーティストです。それは多くの人が作品そのものだけでなく、バンクシーが興味を持つ大義名分を強調しつつ、既成のアート市場を破壊し続ける活動家であることに目を向けていないからだと思います。社会政治と偶像破壊の間がバンクシーの領域であり、この側面こそが私の関わる意義でもあります。彼の作品は完全に表面的なものを超えているものなのです。
──今回、日本のメディコム・トイから「Monkey Mask Session」がスタチューとなって発売されます。このプロジェクトおよび完成したプロダクトの感想をお聞かせください。
James Pfaff 私は2020年には「モンキー・マスク・セッション」スタチューのアイデアを持っており、メディコム・トイに連絡する前に既に3Dで制作していました。私はこのプロジェクトに敬意を払って最高水準の製品が作られることを望んでいたので、メディコム・トイは私の最適なパートナーでした。最終的な仕上がりにとても満足しています。ディテールも色もすべて完璧で、自分がこの作品を作ったときのことを思い出します。
──メディコム・トイの活動や同社のBE@RBRICKには、どのような印象をお持ちでしたか? 
James Pfaff メディコム・トイは常に革新的であり、常に現代的です。私はBE@RBRICKに一目惚れしました。私が知る限り、最も興味深いアートトイのひとつです。BE@RBRICKの象徴的な形状に──例えば画像を重ねることで、個性的なアートプロダクトと哲学的な問いが生まれます。“この外観は何なのか?” “どういう意味なのか?”  “なぜこんなにかわいいのだろう?”と。
──現在、アートトイと呼ばれる分野が世界的に人気ですが、こうした状況についてはいかがですか?
James Pfaff アーティストとして、"アートトイ "の人気度と、メディコム・トイとの仕事が、自分を表現し、作品を世界的に発表するうえで、思いがけない機会を与えてくれました。この方法で仕事をすることで、何が可能かについて新たな考え方ができるようになりました。今後の展開にご期待ください。
──楽しみにしています。最後に、現在取り組まれているプロジェクトについて教えてください。
James Pfaff 現在メディコム・トイとのプロジェクトと並行して、写真を教えながら、2冊目の本を作っています。この本は日本からの画像で構成されており、写真や写真家がどのように世界を捉えているかについて書かれたものです。今はこれにかかりきりで、忙しい日々を過ごしています。
Monkey Mask Session TM by James Pfaff Statue
サイズ|全高約450mm
発売日|2G及びMEDICOM TOY PLUSにて2023年7月発売予定
価格|10万7800円(税込)
“Banksy, Monkey Mask Session” Image ©️ James Pfaff, 2003 Monkey Mask Session (R)/TM James Pfaff
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