BE@RBRICK 3.PARADIS × roarguns 100% & 400%|MEDICOM TOY
MEDICOM TOY|メディコム・トイ
ふたつのファッションブランドが
平和のメッセージを込めたBE@RBRICK(1)
日本のストリートカルチャーを代表する濱中三朗氏の「roarguns」と、カナダ・トロント出身の新進気鋭デザイナー、Emeric Tchatchoua氏が手掛ける「3.PARADIS」のコラボレーションによるBE@RBRICKが登場。これを記念して濱中氏、Emeric氏に、今回の作品に込めたメッセージについてインタビューを行なった。
Photographs by OHTAKI Kaku(Portrait of HAMANAKA Saburo) Text by SHINNO Kunihiko
roarguns 濱中三朗氏インタビュー
――まずはメディコム・トイとの出合いからお聞かせください。
濱中 初めて一緒に仕事をさせてもらったのは2005年の「BE@RBRICK WORLD WIDE TOUR」(世界中のアーティストたちがBE@RBRICKをデザインするプロジェクト)だったと思います。当時はBE@RBRICKを作ってもらえるなんて自分にとっては夢のような話でしたので、WORLD WIDE TOURに参加させてもらったのは本当に刺激的で感慨深い出来事でした。
――roargunsのコンセプトについてお聞かせください。
濱中 主にアメリカンカルチャーから影響を受け、そこにアートやミュージック等、様々なカルチャーをクロスオーバーさせ、新しさを探りながらオリジナリティを追求しています。様々な表現を用いてブランドメッセージを伝えていますが、常にあるコンセプトはLOVE&PEACEです。クロスガンというのは一見凶悪なものに感じますが、クロスさせることで銃へのアンチテーゼを込め、ブランドコンセプトを伝えるアイコンとして多用しています。
――2019 SSのテーマは?
濱中 SPORTS MIXです。アウトドアをメインにスポーツと様々な要素をMIXした、いつもよりACTIVEなウエアを展開しています。
――今回の「BE@RBRICK 3.PARADIS × roarguns 100% & 400%」についてうかがいますが、まず3.PARADISとのコラボレーションはどのようにして決まったのでしょうか?
濱中 3.PARADISからコラボレーションできないか? というダイレクトメッセージをもらいました。最初はあまり情報がなく即答ができませんでした。彼らから再度アプローチを受け、パリでミーティングを重ね、彼らの人柄と作品に共感できたこと、そしてコラボレーションすることにより
新しいアプローチができると感じて、プロジェクトのスタートに至りました。
――デザインコンセプト、作品に込めたテーマについてお聞かせください。
濱中 我々のメッセージである銃に対するアンチテーゼと平和。“NO GUNS IN PARADIS”です。
――監修の際、一番大変だったところ、こだわったところはどこでしょうか?
濱中 リアルな羽をベアブリックのお腹に入れるというアイデアを実現させること。まずはスタッフが適切な羽を探すところからはじまり、羽の量や入れる向きについてもメディコム・トイさんとは細かく修正を繰り返しました。もちろん共感できないものは作りませんが、できるだけEmericの若い感性を大事にしながらコラボレーション感をきっちりと出しました。
――日本のストリートファッションに影響を受けたというEmeric Tchatchoua氏(3.PARADIS)の印象はいかがですか?
濱中 デビューして間もないですが、彼らの世界観は確立していて感心させられます。荒削りな部分に情熱と勢いを感じました。それに反し、当人の温和な性格には癒されます(笑)。
――メディコム・トイの生み出すプロダクトについて、好きなところ、影響を受けたところについてお聞かせください。
濱中 とにかくすべてに夢が詰まっている、そしてプロダクトすべてに愛を感じます。我々のプロダクトもそうありたいと思います。
――最後に今後メディコム・トイと挑戦してみたいことがあれば、教えてください。
濱中 もちろんまたBE@RBRICKは作りたいです。銃をモチーフにして、私たちのメッセージであるLOVE&PEACEを提唱できるトイまたはオブジェみたいなものが作れたら。
ふにゃふにゃだったり、持てないぐらい重かったり、シリンダーがなかったり、とにかく使えない銃なんてどうでしょう(笑)。
Page02. 3.PARADIS Emeric Tchatchoua氏メールインタビュー
MEDICOM TOY|メディコム・トイ
ふたつのファッションブランドが
平和のメッセージを込めたBE@RBRICK(2)
3.PARADIS Emeric Tchatchoua氏メールインタビュー
――まずはファッションに興味を持ったきっかけを教えてください。
Emeric Tchatchou 覚えている限り、常にファッションのことを気にかけていました。しかし重要なきっかけとしては、2004年にインターネットでA BATHING APEのNIGO®さんのことを知り、日本のストリートカルチャーと出合ったことです。これは本当に私のすべてを変え、そして私の興味を情熱に変えるきっかけになりました。日本のストリートカルチャーのおかげで初めて私は美的感覚を言葉にすることができたと言っても過言ではありません。
――他にも日本のストリートカルチャーで影響を受けたブランドなどあれば教えてください。
Emeric Tchatchou そのあとすぐUNDERCOVER、roarguns、FRAGMENT DESIGN、BOUNTY HUNTERといったブランドに出合いましたが、中でもその時代の藤原ヒロシさんの作品には特に影響を受けました。彼のカルチャーに対する解釈の仕方にはいつも驚かされています。
――あなたはファッションスクールでどんなことを学びましたか? 2013年、在学中に3.PARADISを立ち上げようと思った理由は? どういうブランドを目指しましたか?
Emeric Tchatchou 主に学んだのは服作りの技術と生地についての膨大な知識、ファッションとアートの歴史でした。
ただ、私は学校に対して十分に満足していなかったと思います。私はいつも自分の思想やアイデアを自由に表現したいと思っていましたが、当時、学校側はそのような自由を許してくれなかったんです。私の目標は決してアパレルブランドを作ることではなかったんですが、創造したい渇望が溢れるあまり、自然に、在学中にブランドを立ち上げることになっただけです。
――ブランド名「3.PARADIS」に込めた思いをお聞かせください。
Emeric Tchatchou 「3」は心、体、魂の平衡。「PARADIS」は知識、究極の幸福、平穏の場所を表します。「3.PARADIS」は大多数の人間が探求しているもの、つまり「幸福」を象徴しています。
――2018 FWのテーマ「Each One, Teach One」では平和の象徴である鳩を登場させ、1960年代後半のカウンターカルチャーとの対比を試みていました。3.PARADISの表現の原動力についてお聞かせください。
Emeric Tchatchou 3.PARADISの表現は、哲学的な考えや関心を芸術の創造と結び付けたいという願望です。それはふたつの逆説的な現実の意外な出合いから生まれた、ハイブリッドな製品です。
――メディコム・トイのことはご存じでしたか?
Emeric Tchatchou もちろんです。2006年からメディコム・トイの製品を購入しています。BE@RBRICKの大ファンで10代から集めていますし、BE@RBRICKのすべてが大好きです。
――今回発売される「3.PARADIS × roarguns 100% & 400%」について。roargunsの濱中三朗さんとの出会いについて教えてください。
Emeric Tchatchou roargunsは、私の青春期を形作ってくれたブランドのひとつです。私の身長が高すぎて服は着こなせませんでしたが、2000年代後半からずっとroargunsのアクセサリーを身につけていました。
濱中さんとは、共通の友人をきっかけに、1年前のパリメンズファッションウィークで初めてお会いしました。メディコム・トイ、特にBE@RBRICKでトイを作ることは私の夢のひとつだったので、とても興奮しました。私は濱中さんの作品も人間性も大好きです。
――「3.PARADIS × roarguns × BE@RBRICK」のデザイン上のポイントについて教えてください。
Emeric Tchatchou このBE@RBRICKに込めたのは世界中で平和と団結を促進し、銃の暴力に対するメッセージを広めることです。デザインに関して、私たちは光(透明)と曖昧さ(黒)の間の混成である黒い半透明プラスチックを使うことに決めました。また世界の平和と調和を表すものとして、白い鳥の羽をお腹の中に入れました。
――仕事をご一緒されて、メディコム・トイの印象はいかがですか?
Emeric Tchatchou 私が期待していたものを遥かに超えています。メディコム・トイと仕事をすることは、とても素晴らしい機会でした。私はメディコム・トイが大好きです。
――ちなみに日本にもよく来られているそうですが、好きな場所や日本ならではのものなどあれば教えてください。
Emeric Tchatchou 日本に滞在しているときはいつも渋谷の「なるきよ」に立ち寄ります。東京で一番好きなレストランです。「WAGYUMAFIA」のカツサンドも好きです。
――これから3.PARADISでやろうとしていることがあれば教えてください。
Emeric Tchatchou 今後もさまざまな媒体を通して自分のアイデアや考えを探求、表現していきたいと思います。自由に創造し、いい意味でファッションの常識を破壊するために独自のコンセプトを発展させ続けていきたいです。
――今後メディコム・トイと一緒に何かやってみたいと考えていますか?
Emeric Tchatchou はい、もちろん! これからメディコム・トイと一緒に開発したいプロジェクトの具体的なアイデアもたくさんあります。
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