2011 ミラノサローネ 最新リポート|nendo
DESIGN / FEATURES
2015年4月17日

2011 ミラノサローネ 最新リポート|nendo

nendo|ネンド

特集|ミラノサローネ国際家具見本市 2011

注目の新作は“透明な木”のテーブル

デザインオフィスnendoは、ミラノサローネ期間中に、ミラノ市内にあるギャラリー『Galleria Antonia Jannone』にて個展を開催し、新作テーブル「transparent table」など新作4点を発表する。

Photo by Masayuki Hayashi

個展以外にも新作発表や、展示会場デザインなども担当

個展「textured transparencies」は、透明と不透明の狭間に存在するグラデーション状の「半透明」の存在や、透明度のちがいから生まれる「微差」を探求した家具のコレクション。透明性を帯びながらも、それぞれ特徴の異なる素材を用いることによって、あたらしい機能性や視覚効果の可能性を感じさせてくれる。

nendo|ミラノサローネ2011 02

木目のついた型を使って透明アクリルを成型し、張り合わせていくことで生まれた“透明な木”のテーブル「transparent table」は、木口も忠実に再現され、エッジもフローリング材のようにC面の処理をほどこしている。また、脚に使用した木材も、木目と寸法を“透明な木”と揃えたものにすることで、両者が一体的な存在となっている。

黒いテーブルは「一見すると木であるが、よく見ると透明」なものであり、クリアなテーブルは「一見すると透明であるが、よく見ると木」であることを感じさせる、特徴の異なるものとしてアピールする。

個展「textured transparencies」
日時|2011年4月12日(火)~16日(土)
10:30 ~19:00(最終日17日~17:00)
会場|Galleria Antonia Jannone
Corso Garibaldi 125 Milano 20121 Italy

上記の個展以外にも、「cappellini」「Moroso」「Driade」「Foscarini」などイタリアを代表する多くのブランドからの新作発表や、トリエンナーレ美術館で新作発表をおこなう台湾発のブランド「Yii」からは「bamboo-steel chair」の発表、および展示会場デザインも担当しているnendo。

「bamboo-steel chair」は、台湾の伝統工芸技術の活性化と発展を目的としたNational Taiwan Craft Research Instituteが主宰し、ハイス・バッカー氏がアートディレクターを務めるプロジェクト「Yii」のためにデザインしたチェア。

台湾の竹細工や竹製家具のリサーチをつうじてデザインソースを発見するという主旨のもと、竹という素材自体ではなく、竹に用いられる“加工技術”に着目した。竹と同様にチューブ状で、安定した品質で量産されている「スチールパイプ」に竹の加工技術を応用し、部材同士が巻きついたり噛み合う独特なジョイントや、細くスライスしたものを編み込むことで、固い金属に“しなり”をもたせることが可能となった。

鉄工所では頻繁に竹職人が立ち会い、さまざまな議論を重ねた結果として生まれたこのチェアは、異なる加工技術と素材の交配による伝統工芸のあたらしい未来を示唆するものとなった。

nendo
http://www.nendo.jp/

           
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