Leica|祇園に構える「ライカ京都店」オープン
築100年の町家建築とライカの世界観が融合
「ライカ京都店」が祇園エリアにオープン
京都を代表する花街の一つ祇園に、東京・銀座店とならぶ旗艦店となる「ライカ京都店」が、3月15日(土)にオープンした。ライカ誕生100年目の今年、築約100年の町家を、外観や構造を残しながらも店舗に改装。和室スタジオや写真ギャラリーを有する「ライカギャラリー京都」を併設し、京都ならではの趣きのある雰囲気を醸し出す。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)
“世界で一番魅力的”と評価されたライカストア
京都に春を告げる風物詩の一つ「都をどり」を披露する甲部歌舞練場のほぼ向かい、南に下れば臨済宗建仁寺派大本山の建仁寺がある祇園・花見小路にオープンした「ライカ京都店」。
京都観光では欠かせないロケーションにある、かつてはお茶屋だった2階建ての町家を改修。当初の構造をそのままに、梁や柱など使える木材を生かし匠の技で再生、そこにライカの世界観を融合した。
ライカカメラジャパン代表の福家一哲氏は「ご縁があってこの物件を初めて見に来たのが昨年の春でした。
ライカカメラのストアコンセプトに合わせながらの設計は大変な作業でしたが、社主のアンドレアス・カウフマンをはじめ、本社スタッフに大変気に入ってもらい、“現時点で世界で一番魅力的な店だ”と、うれしい声も届きました」と、店の出来映えについてを語る。
京風情が随所に残る最新ショップ&ギャラリー
ライカマークの入ったのれんをくぐると、間口が狭く奥に深い、京町家らしいレイアウトだとわかる。手前にカメラのディスプレイがあり、カウンターの向こうに坪庭が見える。石灯籠が置かれた坪庭のさらに先には、和室のスタジオを完備。
「この店のシンボルは和室スタジオです。まさに京都でしか実現しないスペースですが、プロ、アマを問わず、撮影に使っていただきたいと思います。さらに、2階の花見小路側には、サロンスペースを用意。国内外からのお客さまに京都を味わっていただくのはもちろん、街の歴史や文化を継承し、街とひとが融和していくスペースとして活用していきたいですね」と福家氏はいう。
2階には現在、10名のマグナム・フォトグラファーによる写真展「マグナムが撮った京都」を開催しているフォトギャラリーがあり、梁が残った天井など、和の雰囲気のなかでの展示を楽しめる。
福家氏は、ライカ100周年とライカ京都店について「ライカは、ドイツの熟練した職人によって、一つひとつ精緻を極める手作業で製作されているカメラです。その精神は京都の街とひとと相通じるものがあります。今回のオープニングでは、ライカで成功した色であり、京都に合っている色として、オリーブの「ライカMPオリーブセット」と「ライカX2オリーブ」を発売しました。今年はライカのアニバーサリーイヤーなのでこれからもご期待ください」と意気込みを語った。
お土産に「ライカ京都店オリジナル商品」
ライカ京都店では、京都の伝統工芸とコラボレーションしたアイテムをショップ限定のオリジナル商品として展開。
カメラバッグは、300年以上の歴史を誇る西陣織の老舗「細尾」とのコラボレーションで、和紙に顔料を塗り、細く裁断したものを絹に織り込んだ西陣織がフラップ部にあしらわれている。デザインはデンマークの著名デザイナーで、ライカユーザーでもあるトーマス・リッケ氏が手がけた。
レザーポーチは、450年以上の歴史を誇る京友禅の老舗「千總」の京友禅柄プリントのシルク生地を内側に使用。サイズはコンパクトカメラやレンズを入れるのに適したS・Lの2種類で、内側の京友禅柄ごとにレザーの色も異なる。
1823年創業の京都の老舗「宮脇賣扇庵」の扇子は、親骨にライカのクラシックなロゴをあしらったライカオリジナルデザイン。両面に柿渋のコーティングと、アクセントとなる赤い脇漆をほどこしたクラシックなデザインの「黒渋」、雲母のコーティングで仕上げたモダンな印象の「七宝紋」の2種類を揃える。