Leica|新型はなんとモノクローム専用モデル!
Leica|ライカ
新型はなんとモノクローム(白黒写真)専用モデル!
ドイツ・ベルリンにて、ついに発表されたモノクロ専用機「ライカ M モノクローム」をはじめとする待望の新製品。現地よりレポートがさっそく届いた。
Text & Photographs by SHIBUYA Yasuhito
ベルリンで「ライカ M モノクローム」発表
5月10日の夜、ベルリンにあるギャラリー「C/O Berlin」は、世界中から招待されたカメラマンやジャーナリストで熱気に包まれていた。
ここは元郵便局で写真関係者には有名な場所。
パブロ・ピカソやマリリン・モンロー、J.F.ケネディをはじめ、アートや文化、科学、政治、実業界で活躍する人びとのポートレートを撮影しつづけたアメリカの写真家アーノルド・ニューマン(1918~2006)の「MASTERCLASS」というモノクロームのボートレートの展覧会が来場者を迎えてくれた。
写真を鑑賞しながら2階に上がり、ステージが設けられたホールへ。
やがて、弦楽器とフリューゲルホーンによるジャズのオープニングアクト、「ライカアワード2012」の表彰のあと、休憩をはさんでいよいよ新製品が発表された。
発表されたのは、
(1)モノクローム写真専用のM型ライカ『ライカ M モノクローム』(8月発売予定)、
(2)卓越した描写力で標準レンズにあたらしいスタンダードを打ち立てる『ライカ アポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.』(8月発売予定)、
(3)メイド・イン・ジャーマニーの最高峰コンパクトカメラ『ライカ X2』(5月下旬発売予定)、
(4)コンパクトデジタルカメラの新型『ライカV-LUX 40』(5月下旬発売予定)、
そして、エルメスとのコラボレーションモデル第3弾となる
(5)『ライカM9-P エルメスエディション』セット2種(発売時期未定)
の計5つだ(※価格はオープン、または後日発表予定)。
いちばんの注目は、やはりモノクロ撮影専用の『ライカ M モノクローム』。35mmフルサイズ・有効画素数1800万画素の撮像素子を搭載し、モノクロ写真の芸術性を追求するために誕生した。
モノクロ写真の世界的なブームに対応して企画されたモデルで、生データの輝度をそのまま表示できるRAWデータヒストグラム表示機能などを搭載。また付属のソフトも充実しており、「アドビ・フォトショップ・ライトルーム」には20種類以上のモノクロフィルムの特徴を再現する機能も搭載されている。
2011年は史上空前の利益を達成したというライカ。
日本のライカファン待望のミラーレス一眼モデルの発表はなかったが、このモデルの登場は、ライカがカメラ業界のなかで特別な存在であり、またありつづける意志をはっきりと表明した証左ともいえる。