第8回 ファッションの視点で捉えたアートとプロダクト(2)
Design
2015年5月15日

第8回 ファッションの視点で捉えたアートとプロダクト(2)

第8回 ファッションの視点で捉えたアートとプロダクト(2)

Blessはファッション・ブランドにもかかわらず、つねにライフスタイルを取り巻く環境とアート性が感じられる。
時に小スペースで生活するためのユニット家具を発表したり(No.22:永久的な家庭生活機関とよんでいる)、上等なミンクのファーで出来たハンモックを制作したり、通常のプロダクトデザイナーの固定概念からは超越したアプローチをしているのが興味深い。
また、さらにインスタレーションを表現手段にしているところも、現代的なファッションデザイナーの傾向であるといえる。

ファッションからインスタレーションへ

1997年に活動を開始したBlessはそのアート性を買われ、98年にはマルタン・マルジェラのコレクション起用にはじまり、ズッカやリーバイス、パリのセレクトショップ「コレット」などのプロジェクトにかかわり、ファッション界でもその活動は注目されている。

そしてこれまで多くのインスタレーションを手がけてきた。
昨年の夏に青山のズッカで無数の額装された本によるインスタレーションが行なわれた。
同年秋に出版予定であったBlessの活動をまとめた書籍のデザインを古本の見開きに貼付け、額装したものだった。そしてその後発行されたこの書籍をみてみると、Blessの多岐にわたる活動を垣間みることができる。

そしてズッカでのインスタレーションと同時期にオランダのロッテルダムでも大規模な展覧会も行われた。
ここ日本においても、前回紹介した国立新美術館での「EXTRA SMALL」や10月27日~来年1月20日に東京都現代美術館で行われている「SPACE FOR YOUR FUTUR - アートとデザインの遺伝子を組み替える」という展覧会にも参加しており
、Blessの活動にはこれからも注目が集まりそうである。

           
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