Renault|ルノーの新デザインをプロジェクションマッピングで表現
Renault|ルノー
ルノーの新デザインをプロジェクションマッピングで表現
10月25日に開幕した東京・青山の神宮外苑絵画館前でおこなわている「TOKYO DESIGNERS WEEK 2014」。このなかで、単独としておおきなブースを構えたのが、初出展となるフランスの自動車メーカー、ルノーだ。デザインイベントで、クルマメーカーがなにを表現しているのか。
Text by HORIGUCHI Yoshihiro(OPENERS)
フランス車のあらたなデザイン思想を体現
フランスの自動車メーカー、ルノーがTOKYO DESIGNERS WEEK 2014に出展したパビリオンでは、「Touch! NEW RENAULT DESIGN」と題して、そのひとと調和したデザインを、実際に目で見て、さらには触れることでより実感できるインスタレーションがおこなわれている。
そもそもルノーは、2009年にチーフデザイナーにローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏を迎え、デザイン戦略を根本から見直している。それは、ルノーのコーポレートフィロソフィーであるヒューマン セントリック、つまり人間を中心に据えてかんがえたモノづくりを根底から再考したものだという。
その結果として提案されたのが、人生を6つの重要なステージにわけた「サイクル オブ ライフ」というテーマであり、それにもとづき世界各地でさまざまなコンセプトカーを発表してきた。いずれのモデルにも共通するデザインが、「人間のからだには直線の部分はない、つまりクルマのデザインもかくあることにより、ひとと調和する」という発想にもとづき、そのラインを自然界にある曲線に求めている点だ。ルノーでは、これを「シンプル」「官能的」「温かみ」という3つのキーワードで表現している。
このコンセプトモデルからは、これらの思想を明確に受け継ぐ、4つのモデルがすでに市販化されており、そのうち2つのモデルは日本でも販売が開始されている。インスタレーションに用いられているクルマもそのひとつで、新デザイン戦略にもとづいたスタイリングをまとった、初めてのプロダクションモデル「ルーテシア」だ。
ルノーのパビリオンに入ると、薄暗いなかに白いルーテシアの実車が設置されている。このクルマをスクリーンに、水をテーマにしたプロジェクションマッピングの上映はおよそ3分。幻想的なBGMとともに、流れや滴そして霧など水をテーマにした映像がうつしだされ、指でボディに触れればそこに蛍のような灯の軌跡が描かれる。
マッピングも、そして触れた跡も、なめらかな曲線で構成されたルーテシアのボディに投影されるため一様にはならず、自然と、その複雑な造形をより強く認識させられ、視覚的にだけでなく、触感的にルノーのあらたなデザイン戦略を感じられるインスタレーションとなっている。
ルーテシアは、決して高級車でもデザイン重視の特別なクルマというわけではなく、国内では200万円ちょっとから購入できる普及量販モデルだ。言ってみれば、そのごくふつうのクルマに、官能的な曲線で構成される明確なデザイン戦略を完全に投影しており、ルノーがデザインにかける意気込みを端的にあらわしている。
今回、報道陣にむけた発表会において、ルノー・ジャポンの大極 代表取締役社長の挨拶につづけて、ルノー デザイン アジア スタジオ代表のクリストフ・デュポン氏も登壇。別途、彼に今回の展示およびルノーのデザインについてより深く語っていただいた興味深いインタビューも、掲載している。
ことしのTOKYO DESIGNERS WEEKは11月3日(月・祝)まで開催される。会場を訪れるさいには、ルノー パビリオンもぜひ抑えておきたい展示のひとつだ。
TOKYO DESIGNERS WEEK 2014
会場|東京都新宿区霞ヶ丘町2-3 明治神宮外苑絵画館前 パビリオン展
期間|2014年10月25日(土)~ 11月3日(月・祝) 11:00-21:00(最終日は20:00まで)
料金|<当日券>大人一般:3,000円 大学生 2,000円、高校生 1,500円、中学生 1,000円
<前売り券>大人一般:2,500円