コンパクトSUV「エコスポーツ」上陸|Ford
CAR / NEWS
2015年1月5日

コンパクトSUV「エコスポーツ」上陸|Ford

Ford ECOSPORT|フォード エコスポーツ

グローバルモデルの第4弾

コンパクトSUV「エコスポーツ」上陸

フォード・ジャパンが5月31日から導入を開始するコンパクトSUV「エコスポーツ」は、フォードが現在推し進めている「One Ford」戦略のもとで開発されたグローバルプロダクトの第4弾だ。これまでにないBセグメントのSUVというキャラクターは、世界中で巻き起こるクロスオーバー/SUVブームの中でもきらりと光る存在感をもっている。

Text by SAKURAI Kenichi

使えるコンパクトSUV

BセグメントのあたらしいラインナップとしてくわわったフォードのコンパクトSUV「エコスポーツ」は、日本でも販売されている「クーガ」や「フォーカス」、そして今年導入を開始した「フィエスタ」につづくラインナップであり、約100ヵ国で販売するグローバルモデルである。

フィエスタ同様、“Bカー プラットフォーム”をベースに開発されたエコスポーツは、全長×全幅×全高が4,195×1,765×1,655mmと、かなりコンパクトに仕上げられている。フォードのベストセラーSUVである「エクスプローラー」、クローバルモデルであるクーガと、そして今回登場したエコスポーツと、フルサイズ/ミドルサイズ/コンパクトサイズまで、ほぼすべてのセグメントをカバーするラインナップが出そろった。

ちなみに全長の比較では、エコスポーツと一番大きなエクスプローラーでは825mm、クーガとは345mmの差になる。比較でいえば、ちょうどおなじコンパクトSUVとしてライバル視されるプジョー「2008」やルノー「キャプチャー」、そして「ミニ クロスオーバー」など、4メートル前半のBセグメントSUVやクロスオーバーモデルとサイズ感は重なる。

エクステリアは、コンパクトカーのサイズにSUVとしての機能性や走破性にくわえ、道具としてのタフなイメージを凝縮。大型の台形をモチーフとしたフロントグリルをそなえたフロントフェイスは、フォードの新世代デザインキューである「ニュー グローバル デザイン ランゲージ」と名付けられた、これまでの「キネティックデザイン」をさらに進化させたものだという。金属の塊を削りだしたようなソリッドなイメージと、ボディにたいして大きめな205/60R16サイズのタイヤを四隅に配置した踏ん張り感のある安定したフォルムは、小さいながらも見応えあるものだ。

一見すると、リアゲートに開口のためのレバー類は見当たらないが、実際には右側のリアコンビネーションランプと一体化した巧みなデザインでレバーが組み込まれている。また、フルサイズのスペアタイヤをそのリアゲートに備えたところも今となっては逆に新鮮で、誰が見てもSUVらしいタフな印象に終始する。こうした細部にまで至るこだわりやSUVとしての演出も、フォードの進化したデザインの証といえそうだ。

Ford ECOSPORT|フォード エコスポーツ

グローバルモデルの第4弾

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コンパクトなボディに余裕ある空間

パワートレインには、最高出力82kW(111ps)、最大トルク140Nm(14.3kgm)を発生する1.5リッター直列4気筒エンジンと、最新のデュアルクラッチトランスミッションである6段パワーシフトを搭載。前輪駆動モデルのみのラインナップになるが、最低地上高は大型の本格的なSUVにも迫る180mmを確保。オフロード走行時に走破性の指針となるアプローチアングルとデパーチャーアングルは、それぞれ25度と35度を得ており、さらにエンジンルーム内の電装系統や空気取り入れ口のレイアウトを工夫し、万が一の際は水深550mmまで走行できるようなポテンシャルをもっているのだという。

82kW(111ps)を発生する1.5リッター直列4気筒エンジンは、オーソドックスなガソリンエンジン(ハイオク仕様)ではあるが、吸気側と排気側のバルブを独立して駆動する連続可変バルブタイミング機構Vi-VCTを採用。マニュアル操作できるセレクトシフトモードをもち、1,270kgの車重にたいし、じゅうぶんといえるパフォーマンスをもたらす。SUVでありながら、リッターあたり14.5kmという低燃費性能も魅力だろう。

インテリアでは、コンパクトなボディから想像するよりもずっとゆとりある空間が確保されている。特徴的な運転席まわりのデザインは、これまでのグローバルモデルでも採用されてきたフォードのデザインテイストに則ったもので、誰が見てもひと目でフォード車のそれとわかるものだ。

立体的なダッシュボードのセンターには、オーディオプレーヤーや、ブルートゥース対応の携帯電話を簡単に接続でき、ハンドル部分のスイッチや音声(英語)で操作可能な先進のコネクトテクノロジー「SYNC」を搭載したほか、オート スピード コントロールやオートエアコン、スマート キーレス エントリー、オート ヘッドライト、雨滴感知式ワイパーなどBセグメントのエントリーモデルというポジションから想像する以上の快適装備も標準で採用した。

ちなみに「エコスポーツ」は、安全性も妥協はない。ABSやエマージェンシー ブレーキアシスト、ESP(車両横滑り防止装置)のほか、上り坂で停止した際にブレーキが自動で作動し、再発進時に車両が後退することを防ぐヒルスタートアシストも装備。ヒルスタートアシストは、停車時にクラッチが切れるデュアルクラッチのトランスミッションでは、有効な装備の筆頭に挙げられる。

衝突の衝撃から乗員を守るエアバッグは、ニーエアバッグやサイドカーテンエアバッグをふくめ計7つを標準装備。安全性へのこだわりも上級車並といえそうだ。

さらに車高の高いSUVにはありがたい装備もそなわる。バックの際、車両後方障害物を感知するリバースセンシングシステムは、駐車や切り返しなど日常の使用でドライバーのストレスを大幅に軽減させてくれるはずだ。

Ford ECOSPORT|フォード エコスポーツ

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フォード一流のおもてなしが満載

最後になってしまったが、SUVユーザーが走破性能とともに最も気になるラッゲジスペースもまた、エコスポーツの注目ポイントのひとつである。コンパクトなボディながら、5人乗車時の通常使用時で333リットルの容量を確保したラゲッジスペースは、スペアタイヤを背面搭載することによって確保されたものだ。さらに60:40の分割可倒式となるリアシートをダブルフォールディングで折りたためば、自転車や大型家電も収容できる最大1,238リットルにまで容量を拡大することができる。

こうした多彩なシートアレンジのほか、実用的な小物入れが室内に20ヵ所も用意されているのも、アクティブなSUVオーナーにとっては嬉しい配慮である。

シート下にスライド式の引き出しを用意するほか、ドアポケットやセンターコンソールにドリンクホルダーを設置。クールド機能を持つグローブボックスには350ml缶が6本入るなど、日常を快適にする機能が満載されている。これらは、SUVをながくつくりつづけてきたフォード一流のおもてなしといえそうだ。

国産メーカーはもちろんのこと、輸入車ブランドがしのぎを削るコンパクトクラスSUVのなかでも、ひときわ個性的なスタイリングと、魅力的なファンクションを持つフォード エコスポーツ。SUVの本場アメリカ発のブランドとして、先行するライバルたちにどう立ち向かうのか。注目の日本発売開始は、5月31日からである。

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Ford ECOSPORT TITANIUM|フォード エコスポーツ タイタニアム
ボディサイズ│全長 4,195 × 全幅 1,765 × 全高 1,655 mm
ホイールベース│2,520 mm
トレッド前/後│1,520 / 1,525 mm
最小回転半径│5.5 m
最低地上高|180 mm
重量│1,270 kg
エンジン│1,497cc 直列4気筒 DOHC
最高出力│82 kW(111 ps)/6,300 rpm
最大トルク│140 Nm(14.3 kgm)/4,400 rpm
トランスミッション│セレクトシフト付電子制御6段パワーシフト(デュアルクラッチ)
駆動方式│FF
サスペンション 前/後|マクファーソンストラット / ツイストビームトレーリングアーム
ブレーキ 前/後│ベンチレーテッドディスク / ドラム
タイヤ│205/60R16
燃費(JC08モード)|14.5 km/ℓ
ハンドル|右
価格│246 万円

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