CITROEN|シトロエン DS4 公開
CAR / NEWS
2015年3月12日

CITROEN|シトロエン DS4 公開

CITROEN|シトロエン DS4

クロスオーバーテイストの新型DSシリーズ

シトロエンは、パリモーターショーにて、小型ハッチバックのDS3にクロスオーバーのもつ特徴を全面的に取り入れ、インテリアにもこだわりをみせたDSシリーズ第二弾の「DS4」を公開した。

文=ジラフ

BMWとの共同開発エンジン「THP200」を搭載

DS4は、DS3につづく、現行DSシリーズの第二弾として登場したモデルである。ボディサイズは、全長4,270×全幅1,810×全高1,530mmで、小型ハッチバックであるDS3にたいし、全高が高められた、小型のクロスオーバーテイストが打ち出されている。

クロスオーバーとはいっても、リアのドアノブをCピラーに隠すような配置になっていて、クーペの雰囲気が醸し出されているのもこのモデルの特徴だろう。もちろん、大きな膨らみをみせるフェンダーなどに、しっかりとクロスオーバーとしてのテイストを見て取ることができる。

インテリアは、コンパクトカーでありながら、ダッシュボード、ドアパネル、そしてシートにレザーがほどこされるなど、プレミアム感溢れる仕上がりとなっている。

CITROEN|シトロエン DS4 Photo02

CITROEN|シトロエン DS4 Photo03

搭載されるエンジンは、BMWと共同開発した直噴1.6リッター直列4気筒ターボガソリン。DS3と排気量、シリンダー数の変更はないものの、最上級グレードの「THP200」というユニットが採用され、最高出力200ps、最大トルク28kgmを誇る。そのほかにもアイドリングストップやブレーキエネルギー回生システムなどを採用したターボディーゼルの「HDi110」など、あわせて5種類のエンジンを設定。DS3と同様に豊富なエンジンラインナップをみせている。

DS3、DS4とつづいたDSシリーズ。2012年にはDS5を投入予定とのこと。シトロエンのつぎなるアプローチが気になるところだ。

BRAND HISTORY
シトロエンは1919年に設立されたフランスのメーカー。かつては独創的なメカニズムで知られ、スタイリングとともに、個性的な自動車づくりにかけては最右翼と呼べる存在だった。いまでも上級車種には、油圧でサスペンションの硬さ、車高、ブレーキ、パワーステアリングを調節するハイドロニューマチック・システムが採用されている。

創設者は自動車会社のエンジニアだったアンドレ シトロエン。いまもロゴにつかわれている三角形は、このころアンドレ シトロエンが考案した「ドゥブルシェブロン」と呼ばれるギアからきたものだ。戦前は比較的大衆車から高級車までを手がけ、低い車高とスムーズなラインをもつボディとともに、ハンドリングにすぐれるスポーティ性で評価された。フィルムノワールと呼ばれるフランスのギャング映画でも多く登場したのは、走りがよいのがギャングの逃走用としてつかうのに説得力があったから、とか。戦後は1950年代にハイドロニューマチックを採用するなど、個性的なエンジニアリングを売り物にした。

1955年に発表されたDSシリーズは、ハイドロニューマチックサスペンションとともに、独自の車体構造、ほかに類のないスタイリングゆえ、永遠のアイコンとされる。いまもコマーシャルなどに使われるとともに、シトロエン自身もヘリティッジとして大切にしている。この系譜は、1970年代のCX、90年代のC5、そして2000年代のC6に受け継がれている。

いっぽう、大衆車の分野でもたいへん個性的なクルマを手がけてきた。代表格は1949年発表の2CV。コンパクトな車体にちいさな空冷エンジンを搭載。しかし高いルーフに真っ平らなフロアと居住性は最大限確保されていた。農業国フランスで多くのひとにつかわれるようにと、ジャガイモを積んでもちゃんと走るかとか、タマゴが割れない乗り心地かとか、実用性を主体に開発されたともいわれる。90年代初頭まで生産され、いまも多くが世界の路上を走っている。

1970年代からプジョーグループに属し、プラットフォームを共用しながら、それでも個性的なクルマづくりをつづけるのがシトロエンの立ち位置。現在の日本におけるラインナップは、BMW3シリーズクラスのC5(セダンとワゴン)、ゴルフクラスのC4、およびマルチパーパスワゴンであるC4ピカソ、ポロクラスのC3、そして個性的な2ドアクーペのDS3となる。ハイドロニューマチックが進化して電子制御と組みあわされた最新のハイドラクティブIIIサスペンションはC5に採用されている。

現在のラインナップは「C」を車名にもつ。いっぽうDS3のように、今後、ニッチ(すきま)マーケットを狙ったラインナップが拡充されていく予定で、それらには「DS」が冠されるという。(2010年8月更新)

           
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