LOUIS VUITTON CLASSIC AWARDS 2010-2011|ルイ・ヴィトン クラシック アワード2010-2011
CAR / NEWS
2015年3月19日

LOUIS VUITTON CLASSIC AWARDS 2010-2011|ルイ・ヴィトン クラシック アワード2010-2011

LOUIS VUITTON CLASSIC AWARDS 2010-2011|
ルイ・ヴィトン クラシック アワード2010-2011

ルイ・ヴィトン クラシック アワード受賞車を発表

2月1日にルイ・ヴィトン クラシックアワード2010-2011の授賞式がパリのル・プレ・カトランで開催。ルイ・ヴィトンを特徴づける革新とクラフツマンシップの追求を見事に体現したものとして、2台の特別なクルマが選ばれた。

文=松尾 大

近未来と過去の美しい二台

ルイ・ヴィトンは2005年からルイ・ヴィトン クラシックコンクール賞とルイ・ヴィトン クラシックコンセプト賞というふたつの賞を贈呈してきた。

ルイ・ヴィトン クラシックコンクール賞は、世界でもっとも格式高いショーで“BEST OF SHOW”に選ばれたクルマへ、ルイ・ヴィトン クラシック コンセプト賞は、おなじくショーに出品されたプロトタイプのなかから将来的にコンクール・デレガンス賞を受賞する可能性の高いモデルへ授与されるものだ。

Talbot Lago Super Sport T150C Aerodynamics Coupe|タルボ・ラーゴスーパースポーツT150C エアロダイナミック・クーペ

"Talbot Lago Super Sport T150C Aerodynamics Coupe (c)Louis Vuitton"

今回、フェラーリ250GT ベルリネッタコンペティジオーネ(1956年)、“バード・ケージ”マセラッティ ティーポ61(1961年)、ドライエ 135(1936年)、ディラージ D8(1933年)、ブガッティ 57C(1938年)といった5台のライバルを退けて、ルイ・ヴィトン クラシック コンクール賞を受賞したのが、タルボ・ラーゴ スーパースポーツ T150C エアロダイナミック・クーペだ。熟練した車体製造工であるフィゴニとファラッシによって1938年に作られ、ヴィラ・デステ・コンコルソ・デレガンツァ(チェルノッビオ、イタリア)で優勝しているモデルで、現在はニューヨーク在住の著名なコレクター、オスカー・ディヴィス氏が所有している。

賞の選定は、審査委員長を務めたクリスチャン・フィリップセンをはじめ、クリス・バングル(クリス・バングル アソシエイツ オーナー)、イアン・キャメロン(ロールス・ロイス チーフデザイナー)、パトリック・ル・ケモン(ルノー デザインディレクター)、中村史郎(日産自動車常務執行役員、チーフクリエイティブオフィサー)、ジャン-ピエール・プロエ(PSA プジョーシトロエン スタイリングディレクター)、ゴードン・ワグナー(メルセデス・ベンツ チーフデザイナー)ほかカーデザイン業界でも特に著名なメンバーによっておこなわれた。

「ジョセフ・フィゴニによって、タルボ・ラーゴのために作られたウォーター・ドロップ型のデザインは、自動車業界に革命を起こした。また、このクルマはル・マン24時間レースにおいても優秀な成績を収めている」とはクリスチャン・フィリップセンの言葉。タルボ・ラーゴが生まれた時代に、作家ポール・モランをはじめ、多くの人びとがレーシングカーに乗り、旅をしていた最中、旅人たちの伴侶となったのがルイ・ヴィトンのトランクだったという。

LOUIS VUITTON CLASSIC AWARDS 2010-2011|ルイ・ヴィトン クラシック アワード2010-2011|01

向かって左より、審査員長クリスチャン・フィリップセン、オスカー&ベティ・デイヴィス夫妻、ルイ・ヴィトン マルティエ代表取締役会長兼CEO イヴ・カルセル。 (c)Louis Vuitton/Stephan Muratet

LOUIS VUITTON CLASSIC AWARDS 2010-2011|ルイ・ヴィトン クラシック アワード2010-2011|02

向かって左より、デビッド・ギャンディ、カルロ・ブランデッリ。 (c)Louis Vuitton/Stephan Muratet

最強のプラグインハイブリッドが受賞

いっぽう、ルイ・ヴィトン クラシックコンセプト賞を受賞したのが、ジャガー C-X75だ。ジャガーデザインの75周年を祝し、カーテクノロジーの将来をコンセプトに製作されたC-X75は、電動ツーシーターのスーパーカーとしてデザインされ、非常に高いパフォーマンスをもつモデル。4個のモーターと小型ガスタービンを2個備えるプラグインハイブリッド車で、トータル出力572kW(778ps)、最大トルク1,598Nm(163kgm)というパワーを発生。0-100km/h加速3.4秒、最高速330km/hというパフォーマンスをマークしつつ、CO2排出量がわずか28g/km。さらに、約110kmのゼロエミッション走行が可能という近未来のスーパースポーツだ。

同賞は、おなじくクリスチャン・フィリップセンを審査委員長に、審査員にはOPENERSでもおなじみの鈴木正文(ENGINE編集長)、セルジュ・ベリュー(ジャーナリスト)、ハーム・ラガーイ(元ポルシェ デザインマネージャー)、ゴードン・マレー(カーデザイナー)らが名を連ねる。クリスチャン・フィリップセンは、「ジャガーデザインのディレクターであるイアン・カラムとそのチームは、技術やデザインだけでなく、ブランドのDNAをつぎの未来へ導くことに成功している」と述べた。生活を快適な利器をもちいて彩るフランス独自の思想「アール・ド・ヴィーヴル」の重要な一部として、トランク、バッグなどの製造をおこない、革新をもたらしてきたルイ・ヴィトンの情熱のように、美しいクルマを作りつづけるジャガーのあらたなる試みを高く評価したようだ。

           
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