TOYATA|トヨタ 燃料電池ハイブリッド車がハイヤーに
TOYOTA FCHV-adv|トヨタ FCHV-adv
トヨタの燃料電池ハイブリッド車がハイヤーに
トヨタは、1月29日より成田国際空港を拠点に実施される「FCVハイヤー実証」に燃料電池ハイブリッド車を車両提供すると発表した。
文=松尾 大
国家的プロジェクト
経済産業省による水素利用社会システム構築実証事業のひとつである、水素ハイウェイプロジェクト。この事業者となったのが、水素供給・利用技術研究組合、通称HySUT=ハイサットである。このハイサットが1月29日から成田国際空港を拠点に実施する、FCVハイヤー実証という社会実験において、HySUTから要請をうけたトヨタが車両提供することになった燃料電池ハイブリッド車が、トヨタFCHV-advである。この、FCHV-advというネーミングは、 Fuel Cell Hybrid Vehicle – advancedを略したもので、2002年に日本とアメリカで限定発売された燃料電池ハイブリッド車、FCHVの進化版にして、2008年に開催された洞爺湖サミットなどで活躍したモデルである。
トヨタは、これまでにも水素ハイウェイプロジェクトとして、昨年12月に開始した東京都心~羽田空港間の燃料電池バス営業運行に、燃料電池ハイブリッドバス、FCHV-BUSを提供しており、今回は、燃料電池ハイブリッド車であるFCHV-advをHySUTに貸与するかたちとなる。
成田空港の送迎
なお、この車両は全日本空輸(ANA)の国際線旅客サービスである「欧米路線お帰りハイヤーサービス」と「早朝お迎えプラン」で成田空港を拠点に使用される車両として、ANAが運行をおこなう形態をとるという。「欧米路線お帰りハイヤーサービス」とは、ANAが欧米路線のファーストクラス/ビジネスクラス利用客に対し、指定した地域までのハイヤー代を負担するもの。「早朝お迎えプラン」とはANAが、成田・ジャカルタ線(NH937便)のビジネスクラス利用客に、指定した地域にある自宅から成田空港までのハイヤー代を負担するもので、該当するひとはこの燃料電池ハイブリッド車にのることができるかもしれない。
トヨタとしては、燃料電池自動車の一般への普及に向け、今回の高速道路での走行をはじめ、さまざまな使用実態から得られたデータを検証して研究開発を進めるとともに、国やエネルギー業界などの関係機関とも協力し積極的に取り組んでいくとしている。
このFCHV-advについてトヨタは、マイナス30度の低温下でも始動、および走行が可能(従来型は0度以下への対応未実施)であるため、寒冷地など利用可能地域を拡大することができるとしている。また、一回の水素充填による航続距離は約830km(10・15モード走行。トヨタ社内測定値)と発表している。
TOYOTA FCHV-adv|トヨタ FCHV-adv
ボディ|全長4,735×全幅1,815×全高1,685mm
最高出力|90kW(122ps)
最大トルク|260Nm(26.5kgm)/6,000rpm
車両重量|1,880kg
乗車定員|5
最高速度|155km/h
10・15モード航続距離|830km
JC08モード航続距離|760km