NISSAN GT-R Spec V|日産GT-R スペックV|第1回 LONG TERM TEST|Spec Vがやって来た
NISSAN GT-R Spec V|日産GT-R スペックV 第1回
Spec Vがやって来た
OPENERSがクルマのあるライフスタイルをリアルに提案すべくスタートさせた新連載「LONG TERM TEST」。その記念すべき1号車として、いま世界中の注目を集めるジャパニーズスーパーカー「NISSAN GT-R Spec V」を導入。さっそくその第一回をおとどけします。
Text by OPENERSPhoto by JamandfixSpecial Thanks to PF LINK SYSTEMS
もっともオリジナリティの高い日本車
「誰でも、どこでも、どんな時でも最高のスーパーカーライフを楽しめる」マルチパフォーマンススーパーカー。そんなコンセプトのもと、日産GT-Rがデビューを果たしたのが2007年10月の東京モーターショーでのこと。以来、欧州のライバルをも凌駕する圧倒的な走行性能が瞬く間に注目の的となり、世界中で話題を巻き起こしているのはご存知のとおり。なにせ、日本市場では先行予約受け付け開始以来2カ月間で、月販目標の10倍以上となる2200台を受注したというのだから。
開発責任者の水野和敏氏はデビュー当時より、さらに走りに特化させたハイパフォーマンスバージョンたる「Spec V」の存在を公言してはばからなかった。そんなこともあり、標準グレードの非凡なる走りがメディアをにぎわすたび、Spec V登場への期待は高まっていった。その待望のモデルが今年1月8日、ついにデビューした。
ところで、上質で物語りのあるライフスタイルを提案していくことをコンセプトとする『OPENERS』では、CARカテゴリーにおいても、クルマが暮らしにもたらしてくれる喜びを誌面で展開していきたいと考え、新たな連載企画「ロングターム テスト」をはじめることにした。実際にクルマを購入し、日々の生活のなかで用いることでみえてくるものを、酸いも甘いもふくめてリポートしていこうというものだ。
そのスタートにあたり、第一号車として日産GT-R Spec Vに白羽の矢を立てることにした。同車が、現在の日本の自動車産業の技術的最高到達点のひとつであると同時に、スタイリングから走りにいたるまで日本車としての純度=オリジナリティがもっとも高いモデルであもるからだ。そんな観点から今後、1500万円超の車両価格に見合う価値を与えてくれるのか、またメインテナンス代はどれほどかかるのかといった気になるテーマもふくめ、“GT-R Spec V”のある生活を詳細にリポートしていきたい。
専用づくめのディーラー
Spec Vは、ハードウェアの性能のみならず購入に際しても、異例づくめである。なんとなれば、サーキット走行を熟知したメカニックが必要となるため、全国に約160ヵ所ある日産ハイパフォーマンスセンター(GT-R取り扱い店)のなかでもわずか7店のみでの販売となるからだ。そのうち関東では、茨城日産自動車の水戸千波店と日産プリンス東京販売の亀戸店の2店舗。つまり東京および近県在住者は亀戸店での購入になる。
店舗をおとずれると、改めてGT-Rが特別であることに気づく。まず通されるのが、広々とした展示スペースの一角に設けられたGT-Rコーナー。ブラックのソファやテーブルが置かれ、赤い絨毯が敷きつめられたそこは、Spec V、標準車を問わずGT-Rの顧客のみが接客をうける場所。実車をはじめ、アタッシェケースや革小物、そしてキーホルダーなどのGT-Rにまつわる商品も展示されていている。一方、Spec Vの顧客については専用の個室も用意され、商談から納車説明までをその空間で行うことになる。1500万円超のクルマともなると、ホスピタリティという意味合いもさることながら、顧客にたいするプライバシーへの配慮が必要だということなのだろう。
Spec Vが異例なのは、販売店数のみではない。スタッフに目をむけても、1名のメカニック、3名のCA(カーライフアドバイザー)、そしてサービスと受付が各1名ずつと、計6名がSpec V課として顧客の対応にあたるからだ。
グローバルで月産30台、つまり亀戸店だけでは月販数台にすぎないモデルのために、である。
彼らは、神奈川県横浜市にある日産自動車のビジネスカレッジで1週間から2週間にわたり、Spec Vについての特別なレクチャーを受けたスペシャリストたちだ。
ちなみに亀戸店のSpec V課メカニック山田浩章氏は、日産プリンス東京販売ワークスチームのメカニックとして、スーパー耐久に参戦し、1996年と98年に総合優勝を果たしたひとである。
Spec Vならではの納車説明
Spec Vの予約受付開始の知らせを聞いてすぐに仮予約を入れたのが1月8日のこと。実際、かなり早いタイミングだったらしく、2月早々には工場を出荷したとの知らせをディーラーからいただいた。納車は、こちらの都合もあって2月13日となった。亀戸店では2台目のSpec Vだという。
納車当日は、まずGT-Rコーナーにて、各種保険の手続きと納車説明を受けることになる。納車説明は基本的にノーマルGT-Rのそれに準じるが、カーボンセラミックブレーキやチタンマフラーなど、Spec V専用のパーツについては、追加の説明が加えられる。具体的には、カーボンセラミック製ローターは水分に弱いため、洗車時には必ず洗車用のシリコンで水分を拭き取ることや、チタンマフラーに手の油分が付着すると焼け付いてしまうため、油分がつかないように気をつけるなど、普通のクルマのユーザーにはまったく必要のない注意事項が、ひとつひとつ丁寧にオーナーに伝えられる。
その後、実車を前にしての車両説明が行われるのだが、そのさいにちょっとしたサプライズが待ち受けていた。担当の受付嬢とCAから花束と記念品の贈呈式がとりおこなわれるのだ。
正直に告白すると、決してスマートなイベントとは言い難いが、スタッフのホスピタリティの精神が充分に感じられるものだった。
こうして納車にかかわる一通りのイベントをおえると、店長以下8名のスタッフの見送りをうけながら、いざファーストドライブへと繰り出すことになる。さて、Spec Vの第一印象や慣らし運転については、次回以降でリポートしたいと思う。こうご期待を。
日産GT-R Spec Vの初期コスト詳細
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NISSAN GT-R Spec V ボディ|全長4650×1895×1370mm |
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