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CAR /
IMPRESSION
2021年11月30日
ランボルギーニ ウラカンSTOの試乗──内燃機関の魅力を極限まで推し進めたようなクルマ|Lamborghini
Lamborghini Huracan STO|ランボルギーニ ウラカンSTO
もし買えるなら”ぜひ”と勧めたい──ランボルギーニ ウラカンSTOの試乗
「ウラカンSTO」レースカーであるウラカン・スーパートロフェオSVOと、同GT3 EVOにインスピレーションを得て開発され、「公道も走れるレースカー」と謳われるランボルギーニ ウラカンSTO。ようやく日本に上陸した同モデルに、富士スピードウェイで試乗した。
Text by OGAWA Fumio|Photographs by MOCHIZUKI Hirohiko
V10エンジンの爆発的な魅力が堪能できる
ランボルギーニはがんばっている。ようやく日本に上陸した「公道も走れるレースカー」と言われる「ウラカンSTO」が好例だ。先日、富士スピードウェイでの試乗は感動的だった。
ハイブリッドでもなくターボでもない、パワフルな10気筒エンジンを搭載。しかもランボルギーニ車の例にもれず、エモーショナルであって、かつロジカルなデザインも魅力的。もし買えるなら”ぜひ”と読者の方に勧めたいモデルだ。
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ウラカンSTOは、レースカーであるウラカン・スーパートロフェオSVOと、同GT3 EVOにインスピレーションを得て製作されたモデルだ。ランボルギーニによると「公道仕様のスーパースポーツカー」というのだから、すごい。
エンジンは、470kWの最高出力と560Nmの最大トルクを発生する5204ccのV型10気筒だ。2014年にウラカンが発表されたとき以来(より厳密にはその前の先代にあたるガヤルド以来)おなじみのエンジンである。ただし、バブルをはじめ各部品は、高性能化に合わせてアップデートされている。
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実際、V10エンジンの爆発的な魅力が堪能できるモデルだ。試乗場所は、富士スピードウェイだったので、泉のように湧き出るエンジンパワーと、ていねいなセッティングのサスペンションと正確なステアリングとで、アルミニウムと炭素素材でできたウラカンSTOの走りを、たっぷりと楽しめた。
「コファンゴ」とランボルギーニが造語を作ったバンパー一体型のボンネット(コファノ=ボンネットとパラファンゴ=ボンネットフェンダーから命名)も、まるでレースカーだ。
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空気の流れを最大限活かすボディ各所のダクトや整流板、ルーフ背後に設けられたエアダクトと、コーナリング時の姿勢制御に寄与するシャークフィン型の空力デバイス、さらに大型リアウイングなど、凝りに凝っている。これらもすばらしく素直でクイックな走行性能に大いに寄与しるはず。
ランボルギーニのデザイナーは、機能主義的な装備の数かずを、実にうまく処理して、ウラカンにしかない個性を生み出すのに成功している。ランボルギーニ車を象徴するハニカム(六角形)のモチーフも散見される。
なにより、先に述べたとおりレースカーもかくやと思わせる空気の流れを視覚化。エアインテークやダクトなどを、車体色と区別したカラーリングで表現しているのも、実に見事だと思う。