Volkswagen Passat|フォルクスワーゲン パサート 心地よい時間を提供するということ
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2015年6月22日

Volkswagen Passat|フォルクスワーゲン パサート 心地よい時間を提供するということ

Volkswagen Passat|フォルクスワーゲン パサート

Chapter3 Passat × 料理人 松嶋啓介

心地よい時間を提供するということ(1)

パサートの美点は、環境性能だけでない。デビュー以来、圧倒的な居住性とユーティリティの高さをほこり、乗るひとが心地よくなる空間をかたちづくってきた。それは、あたらしく生まれかわった、この7代目パサートにも受け継がれている。心地よい空間を提供するということは、どういうことなのか。フランス・日本の両国にあるレストランでミシュランガイドから星を与えられた世界的な料理人 松嶋啓介氏に、空間づくりのプロフェッショナルという観点から、「心地よい空間」を語っていただくとともに、パサートの性能やそのクリエイティビティについても触れていただいた。

文=松尾 大写真=吉澤健太

空間づくりとは

「レストランと自動車、それぞれの空間づくりに共通するものが何なのか、と言われるとなかなか難しい。けれど、空間にたいしてお客様は何を求めているのかを読み解くことが、空間づくりの重要なポイントであるということは共通する点かもしれません」

フランス本国およびヨーロッパにおいては、非常に長い歴史をもつレストランガイド『ル・ギッド・ミシュラン(ミシュランガイド)』。その権威あるガイドにおいて、2006年に外国人としては最年少で一ツ星を獲得。以来、6年連続で星を保持。さらに、2009年に東京・神宮前に開店した『Restaurant-I』にも星を与えられ、フランス政府から日本人シェフとしてはじめて「フランス芸術文化勲章 シュバリエ」を授与した松嶋啓介氏。

ミシュランが松嶋氏を評価したのは、ただ料理がおいしいというだけの理由ではない。ミシュランが星を与えるレストランは、味や盛りつけ、プレゼンテーションなど、皿の上だけではなく、店舗の設えやサービスなどあらゆる点で評価を受ける。また、フランス政府がシュバリエを贈ったのも、料理をとおしての彼の活動にたいしてのものだ。

Volkswagen Passat|フォルクスワーゲン パサート 02

客がどんな人物で、どのような目的でその空間を求めているのか。そして、その気持ちを読み解くことが空間づくりにおいてもっとも大切な点だという。「たとえば、予約の連絡をお客様からいただいたときから状況は異なるものです。1週間後の予約なのか、3日後なのか、あるいは当日、それともたまたまとおりかかって偶然来店されたものなのか。店に入ってこられるときも、どういう方と入店されたか、男性からドアを開けたか、女性が開けたのか、などすべての状況を見極める必要があるんです」。

レストランに入ってくると、厨房にいる料理人は現場を直接見ることはできないが、サービススタッフから受け取った情報にたいして、忠実に動く。「ゆっくりとした時間を過ごしたいのか、あるいは急いでいるのか、間をはかるということが大切です。フランス料理はシェフが号令をかけると一気に動き出すもの。チームの監督のようなものですね」。料理そのもので演出するだけでなく、タイミングも上手に使って総合的に演出するというわけだ。

ヨーロッパでのクルマ選び

「クルマについてもおなじことが言えるんじゃないですか。顧客がクルマに何をもとめているのか。たとえば僕の住んでいるニースの街では、意外と小さなクルマがたくさん走っている。それは、ニースの街から出ず、近所を走るためだけのもの。でも、いっぽうでヨーロッパのひとはクルマでとなりの国にでかけたりするので1日に平気で1,000kmくらい走る。僕も後者のほうなので、クルマに求めるのは、長距離移動での快適性が第一番。シートに座ったときのフィット感や素材。長時間座ったままということになると、湿気がこもらない素材であるということも重要です。もちろん、燃費は非常に気になる部分。ちょっとしたことですが、アームレストの位置もクルマ選びのポイントになりますよ」

パサートは、そういったヨーロッパの過酷な使用に耐え、高い評価を受けてきた1台だ。「ドイツ車らしく質実剛健な印象で、日本人にもとても合う1台なのではないでしょうか。それに燃費がものすごくいいですね。ガソリン1リッターで18.4kmも走ることができる。燃費と税金の関係が厳しいヨーロッパでも大きなアドバンテージですね。日本人なんで、つぎは日本車に乗ろうかと思っていたんだけど、考えなおす必要があるかもしれませんね」。

Volkswagen Passat|フォルクスワーゲン パサート 03

Volkswagen Passat|フォルクスワーゲン パサート

Chapter3 Passat × 料理人 松嶋啓介

心地よい時間を提供するということ(2)

ホスピタリティを追求すること

松嶋氏がこれまでのレストランづくりで追求してきたのは、ホスピタリティだ。そのためには、まず自分が楽しむことが大切。自分がいろんな場所にでかけ、身をもって体験。そして、自分が「いい」と思う回数を増やすことが重要なのだという。レストランは、ホスピタリティ産業の一部だと考える彼は、たとえばバスの行き先表示ひとつをとっても、乗るひとのことを考えた表記、つまりそこにホスピタリティがあるのかということまで気になってしまうという。

パサートに乗っていろんな場所に出かけてみようということで、Restaurant-Iを出発。パサートが1リッターのガソリンで走行できる18.4kmのショートトリップに出かけた。途中、駒沢公園近くのカフェ『アヂト』に立ち寄った。「ここは、駒沢公園を散歩して休憩するのにちょうどいい場所。広くゆったりとしたカフェをいうわけではないけど、とても落ち着ける空間です」。

ここで大人様定食なるランチをいただいたあと、さらに二子玉川の野菜直売所『ファーマーズマーケット二子玉川』で世田谷育ちの地元野菜を、そして田園調布の熟成肉専門店『中勢以』で10週間の長期間熟成された旨みが凝縮された牛肉を購入するというのが、松嶋さんオススメの18.4kmコース。ここまで運転したパサートの印象を「シートがいいですね。かっちりしていて、それこそ長時間走っても疲れないし、蒸れない。ボディサイズは決して小さくないけど、四隅が角張っているデザインもあってか、見切りもいいし、運転がしやすい」と好印象だった。

制限のなかから生まれるクリエーション

松嶋氏はパサートの燃費の良さにとくに注目していた。「Restaurant-I」は地産地消をテーマにかかげるレストラン。「マイレージゼロであるため、地元と交流が生まれ、生産者とも密接な関係になれます。そして彼らは店に遊びに来てくれる。そうして、近隣からの常連が増えるということで、店の売上も安定する。エコロジーがエコノミーをうむということですね」。

「それに、ひとは何でも与えられるものがありすぎると、結局ほかのひととおなじことをしたがる。地産地消という制限を設けることで、その枠のなかで何とかしようというアイデアが生まれる。工夫は制限のなかから生まれるんです。そして、それを習慣づけていれば本物のクリエイターになれると思う。パサートもそうやってどんどんいいクルマになっていったんじゃないですか。小さく燃費のいいエンジン、買いやすい価格、大柄なドイツ人が5人乗っても快適な空間、たっぷりと荷物が入るラゲッジ……すべてが制限されたもので、すべて工夫することでかたちになった」

「それに、制限を設けるとお客さんにもメッセージが伝わりやすいですよね。Restaurant-Iは東京の食材を使った地産地消レストランだと。生産者のみなさんと一緒に取り組み、彼らの仕事に価値を生むのが僕らの仕事です」

パサートもおなじだという。燃費が良く、広く快適で静粛性も高く、荷物もたくさん積めるあたらしい時代のプレミアムサルーンという非常にわかりやすいメッセージがある。

「日本は、日本人はいいものをちゃんと褒めないといけないと思います。プロセスをほめすぎて、結果主義になっていない。他人に対する賞賛が下手なんですね。たたききれないくらいの結果を出さないと褒められない。出るくいを打つのが日本だけど、誰も作っていない記録を海外で出せば賞賛するのも日本。僕はあたらしい風を吹かせたい。このパサートも日本のサルーンにあたらしい風を吹かせるのではないですか」

Volkswagen Passat|フォルクスワーゲン パサート 07

松嶋啓介|MATSUSHIMA Keisuke

1977 年福岡出身。高校卒業後、「エコール 辻 東京」で仏料理の基礎を学び、渋谷のフレンチレストラン『ヴァンセーヌ』を経て 20歳で渡仏し、25歳のときにニースに『Kei’s passion』を開店。開店から3年目の2006年にミシュラン・フランス版で一ツ星を、外国人としては最年少で獲得。同年11月には店名を『KEISUKE MATSUSHIMA』にあらため、拡大オープン。以来、6年連続で星を保持。2009年6月には東京・神宮前に『Restaurant-I』を開店。先日、フランス政府より、日本人シェフとしてはじめて「フランス芸術文化勲章 シュバリエ」を授与。

<店舗データ>

Restaurant-I (レストラン アイ)
東京都渋谷区神宮前1-4-20 パークコート神宮前1F
営業時間|11:30~15:00 (LO 13:30) 18:00~22:00 (LO 21:00) 不定休
ランチ3,800円~ ディナー6,800円~
Tel.03-5772-2091(予約専用)/03-5772-2151(予約以外)
URL : http://www.restaurant-i.jp/

adito(アヂト)
東京都世田谷区駒沢5-16-1
営業時間|12:00-24:00(LO23:30) 水曜休
大人様定食880円、自家製玄米黒酢ドリンク700円~
Tel.03-3703-8181
URL : http://www.adito.jp/

ファーマーズマーケット二子玉川
東京都世田谷区鎌田3-18-8
営業時間|9:00-16:30 月曜休
Tel.03-3708-1187
URL : http://www.farmersmarket-ja.com/futagotamagawa/

中勢以
東京都世田谷区玉川田園調布2-8-1
営業時間|11:00-19:00 月曜休
Tel.03-5755-5678
URL : http://www.naka-sei.com/

           
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