浅間ヒルクライム 2014
Asama Hill Climb 2014|浅間ヒルクライム 2014
浅間ヒルクライム 2014
2014年5月、浅間山を舞台にしたヒルクライムが開催された。3回めの開催となった今年は、ついに公道を占有することでレース専用車をはじめとするナンバー取得ができない車両もまじえ、80台もの新旧モデルがワインディングを駆け上がった。天候にも恵まれ、多くの新旧自動車ファンが集った浅間山ヒルクライム2014を、武田公実氏がリポート。
Text by TAKEDA Hiromi
ナンバー無しでもヒルクライムできる夢のような光景
昨年6月の第2回までは、一般車両との混走というスタイルにて開催されていた「浅間ヒルクライム」。しかし今年6月14-15日に開かれた第3回では、これまで実行委員会有志が粘り強くおこなってきた交渉の結果、主催地である長野県小諸市や同市の観光協会・商工会議所の全面的な協力のもと、舞台となる浅間チェリーパークラインの完全封鎖がついに実現した。
しかも、前回までは約700メートルの私道を利用したスペシャルステージが唯一の走行場所であった、サーキット専用などのナンバー無し車輛の走行も可能となった。つまり、ツーリングカーからモノポストフォーミュラにいたるレーシングマシンたちが全長約7km、標高差約1,000メートルのチェリーパークラインを登るという、日本では長らく夢のまた夢だった光景が見られることになったのだ。
ようやく名実ともに「ヒルクライム」となった浅間ヒルクライム 2014は、これも今回が初めてとなる好天に恵まれ、総計約80台の2輪/4輪、および3輪レーシングサイドカーが参加。純粋なレーシングマシンから古き良きクラシックスポーツカー&バイク、あるいは協賛各社自慢の最新モデルたちが続々と出走し、観客を沸かせた。
Asama Hill Climb 2014|浅間ヒルクライム 2014
浅間ヒルクライム 2014 (2)
自動車文化を盛り上げる一助に
ホンダHRCワークスが持ち込み、今季JSB1000クラスで開幕から2連勝中の若きチャンピオン、高橋巧選手が操るモトGPマシン、ホンダ「RC213V」も史上初めて公道をデモラン。
最新市販車では、ジャパンプレミアを兼ねてルノー新型「メガーヌ」や、シボレー新型「コルベット コンバーチブル」が走行したほか、マクラーレン「650S」やジャガー「Fタイプ クーペ」、ポルシェ「911ターボS」、ベントレー「コンチネンタルGT V8 S」、あるいは軽自動車登録できることで話題のケータハム「セブン160」などが浅間チェリーパークラインを駆け上がり、ヒストリックカーファン以外にも大いにアピールしたようだ。
さらにはイタリアの二輪車メーカー、ピアッジオ グループのファン感謝祭「PIAGGIO MEETING 2014 in Asama」も併催され、メイン会場となった広大なアサマ2000パークは参加車両とギャラリーで大混雑。じつに、述べ1万6,000人(推定)ものギャラリーが来場するという盛況ぶりを見せた。
わが国の自動車文化をさらに盛り上げるため、欧米では既に市民権を得ている一方、これまでの日本では開催がむずかしかったヒルクライムをこの先も継続してゆくことは、きわめて重要な試金石になり得るだろう。その点を考慮しても、今回の浅間ヒルクライムの大成功は大きな意味をもつと考えるのだ。