レクサスRX450h|新しいカタチの高級車
LEXUS RX450h|レクサスRX450h
新しいカタチの高級車
オープン、スポーツ、にくわえて、スポーツユーティリティという分野で独自のスタンスをもつRXシリーズも2009年にフルモデルチェンジを受けた。かつてはハリアーの名で日本でも人気の高かったモデルだ。その目玉、RX450hなるハイブリッドモデルの短評をお送りする。
文=小川フミオ写真=荒川正幸
3.5リッターながら4.5リッター車なみのパワー
エンジンは単体で249psの最高出力を発生する3.5リッターV6を搭載。これに電気モーターを組み合わせたトヨタハイブリッドシステムをもち、システム出力は299psと発表されている。電気モーターが発進や加速の補助をしつつ、ある程度の速度域までは電気の力で走ることで燃料を節減するのがシステムの概要。
RX450hに搭載されるV6は先代のハイブリッドモデルでも採用されていたアトキンソンサイクルエンジン。バルブの開閉タイミングの調整により少ない燃料での燃焼を可能としているのが特徴だ。ただし通常のオットーサイクルに対して低回転域でのトルクが細いのがデメリットだが、そこを電気モーターがカバーする。要するにハイブリッドシステムが上手に活かされているといえる。結果、3.5リッターながら4.5リッター車なみのパワーということで車名は「450」だ。
8割をしめるハイブリッドモデル
高性能にくわえ、低燃費、そして低騒音を謳うのがハイブリッドのRX450hの特徴といえる。駆動系統は全輪駆動と前輪駆動の2本立てとなる。「販売におけるガソリン車(RX350)とハイブリッド車(RX450h)の割合は、当初の予測ではガソリン車が8割というものでしたが、フタを開けてみるとその逆、ハイブリッド車が8割でした」(レクサス開発担当者)と言うほど、いまのハイブリッドブームがセールスの追い風になっているようだ。
AWDという四輪駆動版は後輪駆動用に専用の電気モーターを備えた「E-FOUR」なる独自の4WDシステムが採用されている。滑りやすい道や悪路などでは4つの車輪が駆動されるが、高速などは前輪のみ駆動して燃費をかせぐ、というシステムだ。
RX450hは2740mmの余裕あるホイールベースに全長4770mmの車体を載せているだけあって、広々とした室内空間を実現している。この手のクルマはもう少し前席重視でパーソナルなかんじが強くてもいいかと思うが、家族がいるユーザーなどには使い勝手がいいだろう。その意味ではカタチは「ヨンク」でも新しいカタチの高級車というポジション狙いを、今回の高級化路線でより強く打ち出したと見ることができる。
LEXUS RX450h|レクサスRX450h(AWD)
ボディ|全長4770×全幅1885×全高1690mm ホイールベース2740mm
車両重量|2090kg
エンジン|3456cc V型6気筒
最高出力|エンジン:183kW[249ps]/6000pm
フロントモーター:123kW[167ps]
リアモーター:50kW[68ps]
最大トルク|エンジン:317Nm[32.3]/4800rpm
フロントモーター:335Nm[34.2]
リアモーター:139Nm[14.2]
駆動方式|4WD
トランスミッション|スーパーインテリジェント6速AT
サスペンション|F:マクファーソンストラット R:ダブルウィッシュボーン
タイヤ|F:235/60R18 R:235/60R18
価格|570万円
レクサスインフォメーションデスク
0800-500-5577
http://lexus.jp
BRAND HISTORY
トヨタがアメリカ市場において高級車ブランドLEXUS(レクサス)を立ち上げたのは1989年のこと。トヨタが誇る高い技術力と優れた品質、そして極上の顧客サービスにより、アメリカやドイツの高級車とは一線を画す新しい価値を提供しようというのが狙いであった。
同年9月、「LS400」(日本名セルシオ)と「ES250」(同カムリ)がアメリカ市場に投入されると、翌1990年2月には早くもLS400がベストインポートカーを獲得している。その後もレクサスの評価は高まるばかりで、ラインナップの拡大とともに、高級車ブランドとしてのポジションを確実にしていった。
アメリカでの成功を受けて、2004年にはヨーロッパ進出を果たしたレクサスは、同年5月、日本での事業展開を発表。翌2005年8月には、母国での高級車ビジネスをスタートさせた。開業当初は、「GS」(トヨタブランドのアリストの後継車)、「SC」(同ソアラ)、「IS」(同アルテッツァの後継車)と、フラッグシップの「LS」を欠くラインナップだったが、2006年9月には待望の新型LS、そして、2007年5月にはそのハイブリッド版の「LS600h/LS600hL」を投入することで、ラグジュアリーサルーン購買層の期待に応えている。
一方、2007年10月にスポーツモデル「IS F」を発表、また、2008年5月に行われたニュルブルクリンク24時間レースに開発中のスポーツクーペ「LF-A」を投入するなど、スポーツイメージの獲得に力を入れており、さらなる人気拡大が期待される。