Audi RS 6|アウディの高性能セダン「RS 6」発表
Audi RS 6|アウディ RS 6
アウディの高性能セダン「RS 6」発表
ドイツのアウディAGは、ハイパフォーマンスワゴン「RS 6アバント」に次いで、そのセダンバージョンである「RS 6」を、2008年8月12日に発表した。
0-100km/h加速=4.5秒のパフォーマンス
日本では今年6月に発表、間もなくデリバリーが開始される「RS 6アバント」(1660万円)。580psものパワーを誇る5リッターV10ツインターボエンジンを搭載した高性能ステーションワゴンにセダンが加わる。
パワーユニットはアバントとおなじく、直噴技術FSIを採用したもので、580psと650Nmを発生。その太いトルクは、1500rpmから6250rpmまでという広範囲でもたらされ、スムーズで力強い走りが容易に想像できる。
トランスミッションは6段ティプトロニック。その反応時間は0.1秒とすばやく、シフトタイムは従来型の半分にまで短縮したと謳われる。シフトレバーかパドルでマニュアル感覚のドライブができるのもポイント。駆動方式は4WD「クワトロ」だ。
停止状態から100km/h到達までにかかる時間は4.5秒。リミッターが作動し最高速は250km/hで頭打ちとなるが、オプションで280km/hまであげることが可能という。
走行時の挙動を制御する「ダイナミック・ライド・コントロール」や安全性にも寄与する「ESP」などを採用。ESPはスポーツモード付きで、機械に頼らない走行を望むなら機能をオフにすることもできる。
スポーツカーの性能、セダンのユーティリティ
大パワーに対応しストッピングパワーも増強。前に6ピストンのアルミキャリパー+390mmディスク、後ろにシングルピストンのフローティングキャリパー+365mmディスクを装着した。標準の19インチアロイホイールからオプションの20インチへ変更すると、より軽量なセラミックブレーキシステムを選べる。
インテリアでは、カーボンファイバーやアルミニウム、アルカンターラ、ナッパレザーなど、上質を謳う素材をふんだんに使用。ドライバーをしっかりサポートするバケットシート、革が巻かれたマルチファンクションステアリングホイールなどがスポーティネスを演出する。
デュアルゾーンのオートマチックエアコンや、車両周囲の障害物を知らせてくれるパーキングアシスタント、BOSEのサウンドシステムなどは標準装備。オプションとして、走行レーン逸脱を予防する「アウディ・レーンアシスト」、前車との車間距離をキープする「アダプティブ・クルーズ・コントロール」などを用意する。
スポーツカーとしてのダイナミックな性能、セダンとしてのユーティリティの高さをセリングポイントとする「RS 6」。本国ドイツでは10月中旬に発売予定で、その価格は10万5550ユーロ(約1710万円)からという。
BRAND HISTORY
Audi(アウディ)のエンブレムは“フォーリングス”。その輪ひとつひとつが自動車メーカーのアウディ、DKW(デーカーヴェー)、ホルヒ、ヴァンダラーを表しているのはご存じだろう。いずれもザクセン州に本拠を置き、20世紀のはじめ、ドイツの自動車産業を牽引したブランドである。しかし、第一次世界大戦後に起きた世界恐慌の煽りをくらった4社は、生き残りをかけて、1932年にアウトウニオンを結成。DKWがモーターサイクルと小型車、ヴァンダラーが中型車、アウディが高級中型車、そして、ホルヒがラグジュアリーカーに特化する戦略をとることになった。
しかし、第二次世界大戦の敗戦により旧東ドイツのザクセンはロシアの占領下となり、アウトウニオンは消滅。これを見越して、旧西ドイツのバイエルン州インゴルシュタットに新生アウトウニオンが設立される。BMWやメルセデス・ベンツとちがい、工場のない状況からの苦しいスタートをしいられたアウトウニオンであったが、DKWデリバリーバンなどの生産により徐々に体力をつけていった。
1964年末にフォルクスワーゲン傘下に収まったアウトウニオンは、ほどなくしてアウディの名を冠した新型車を世に送り出す。そして1969年には、ネッカースウルムに本拠を置くNSU(“ヴァンケルエンジン”の開発で知られる)を合併し、アウディNSUアウトウニオンとなり、1985年からはアウディとして現在にいたる。クワトロをはじめとするテクノロジーと、モータースポーツ活動に裏付けられたダイナミック性能、エレガントなデザイン、そして、質感の高い仕上がりが、アウディの人気を牽引している。