Mercedes-Benz SL63AMG
Mercedes-Benz SL63AMG
メルセデス・ベンツ SL63AMG
AMGの高い技術力
2008年に実施したビッグマイナーチェンジで、ニューモデルと見まちがえるほど大きく変貌した「メルセデス・ベンツSLクラス」。そのAMG版もほぼおなじ時期にフェイスリフトを受け、これまでの「SL65 AMG」が大胆に変身するとともに、新たに「SL63 AMG」がラインナップに加わった。
そのSL63 AMGにおいて、注目すべきは新開発のパワートレインだ。搭載されるエンジンは、AMGが独自に設計した6.2リッターV8で、すでにほかのAMGモデルでもおなじみのもの。最高出力525ps/6800rpm、最大トルク630Nm/5200rpmの高性能を誇り、自然吸気エンジンならではの鋭いレスポンスと排気量に見合った圧倒的な力強さを誇っている。
これに組み合わされるトランスミッションが画期的だ。新開発の“AMGスピードシフトMCT”は、7段オートマチックの“7G-TRONIC”をベースに、オートマチックに不可欠のトルクコンバーターにかえて、湿式多板クラッチを搭載。これにより、約3割もの小型・軽量化を果たすとともに、ギアチェンジに要する時間を短縮。トルクコンバーター特有のスリップがないことから、ダイレクト感も当然アップしている。それでいて、トルクコンバーターATに匹敵するスムーズさを実現。自慢のV8エンジンとともに、AMGの高い技術力を示すには格好のモデルといえる。
メルセデス・ベンツ SL63AMG
ボディ|全長4600×全幅1820×全高1300mm
エンジン|6.2リッターV型8気筒
最高出力|386kW[525ps]/6800rpm
最大トルク|630Nm[64.0kgm]/5200rpm
駆動方式|FR
トランスミッション|AMGスピードシフトMCT(7段オートマチック)
価格|1910万円
(2008年7月現在)
BRAND HISTORY
自動車の歴史をひもとくとき、その先駆者として辿りつくのがゴットリープ・ダイムラーとカーツ・ベンツというふたりのドイツ人だ。1885年から86年にかけて、このふたりがべつべつにガソリン自動車を生みだし、クルマ社会の礎を築いたことは、いまさら説明するまでもない。それぞれが興した自動車会社はライバルと目されていた時期もあったが、第一次世界大戦後の不況を乗り切るために手を結び、1926年に合併によってダイムラー・ベンツ社が設立されている。
製品に与えられるメルセデスの名は、ダイムラーの顧客であったエミール・イェリネックが、ドイツ国外での販売を引き受けるかわりに長女の名前をつけさせたのがはじまりで、1902年にはダイムラー社により商標登録されている。
こうして生まれた、メルセデス、そして、MERCEDES BENZ(メルセデス・ベンツ)は、その後もセーフティパッセンジャーセル、エアバッグ、ESP(エレクトリック・スタビリティ・プログラム)、ナイトビューといった最新技術を積極的に導入するなど、自動車発展の牽引役としてつねに時代の先頭を走りつづけているのだ。