BMW ALPINA B5 S Limousine/Touring|アルピナ独自の主張
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2015年4月23日

BMW ALPINA B5 S Limousine/Touring|アルピナ独自の主張

BMW ALPINA B5 S Limousine/Touring

BMW アルピナ B5 S リムジン/ツーリング

アルピナ独自の主張

BMW 5シリーズ」がベースの「BMW ALPINA B10 Bi-Turbo」の後継モデルとして、2005年に登場したのが「BMW ALPINA B5 S」だ。ベースとなるのは現行モデルのBMW 5シリーズのセダン(E60)およびツーリング(E61)である。

ボンネット下に潜むのは、「ALPINA B7」で高い評価を得ている自慢の4.4リッターV8。BMWの“バルブトロニック”に“ラジアル・コンプレッサー”なる過給器を組み合わせたのが特徴だ。B7よりも最高出力で37ps、最大トルクで25Nmも豊かな537ps/5500rpm、725Nm/4750rpmのハイパフォーマンスを誇り、0-100km/h加速は4.6秒(ツーリングは4.7秒)、1-1km加速は22.1秒(同22.4秒)と、フラッグシップモデルを凌ぐ実力を手に入れている。

そんなB5 Sのポテンシャルをフルに引き出すのは難しくない。ZFと共同開発したALPINA スポーツSWITCH-TRONICのおかげで、誰にでもスポーティかつスムーズなドライビングが可能なのだ。マニュアルモードでは、シフトダウン時にエンジンのブリッピング機能がはたらき、素早い再加速を可能にしている。

足まわりもALPINA独自のチューンが施され、SACHSと共同開発した電子制御ダンパーや20インチホイールにより、ALPINAらしい軽快でニュートラルなハンドリングを実現している。もちろん、高級モデルにふさわしいラグジュアリーなインテリアもALPINAの魅力で、BMWとはちがう独自の主張が感じられる仕上がりになっている。

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BMWアルピナ B5 S リムジン/ツーリング

ボディ|全長4855×全幅1845×全高1470(1490)mm
エンジン|4.4リッターV型8気筒
最高出力|395kW[537ps]/5500rpm
最大トルク|725Nm[74.0kgm]/4750rpm
駆動方式|FR
トランスミッション|6段オートマチック
価格|1697万円(リムジン)、1776万円(ツーリング)
(2008年7月現在)

BRAND HISTORY
もともとスポーティかつプレミアムなクルマとして評価の高いBMW車を、独自の技術でその魅力を飛躍的に高めているのが、ドイツのいち自動車メーカーであるALPINA(アルピナ)だ。

創始者であり、現在もCEOを務めるブルカルト・ボーフェンジーペンは、事務機メーカーの「アルピナ」社を営むルドルフ・ボーフェンジーペンの息子として1936年に誕生。同社ではタイプライターなどを手がけていたが、ブルカルトの興味はクルマに向けられ、1961年に「BMW1500」のエンジンチューニングを手がけたのを皮切りにその世界に足を踏み入れ、開発を本格化。そして、1965年にはアルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン社を立ち上げている。これが自動車メーカー・アルピナのはじまりである。

アルピナはチューニングパーツの開発に加えて、その技術を活かすべくツーリングカーレースに参戦、モータースポーツの世界でもその名を高めることになるが、1977年にはレース活動にピリオドを打ち、自動車メーカーへの転身をはかる。

翌1978年には自らの名を掲げた3つのモデルを開発。そのひとつである「BMW ALPINA B6 2.8」は、当時4気筒エンジンしかなかったBMW3シリーズに6気筒エンジンを搭載して圧倒的なパフォーマンスを見せつけた。

その後も「BMW ALPINA B10 Bi-Turbo」や「BMW ALPINA ROADSTER V8」といった名車を世に送り出しているが、ベースとなるモデルをはるかに上回るパフォーマンスと逸出したハンドリングを与えながら、洗練された乗り心地や上質なインテリアを備えるクルマづくりは、アルピナの哲学として、いまも受け継がれている。

           
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