CITROEN DS3|02 あらたなコミュニケーションデザインが生まれた日
Car
2015年4月2日

CITROEN DS3|02 あらたなコミュニケーションデザインが生まれた日

CITROEN DS3|シトロエン DS3 アンチレトロナイトレポート
川上俊×NOSIGNER(ノーザイナー) インタビュー

あらたなコミュニケーションデザインが生まれた日(1)

「ツイッターユーザーやイベントのオーディエンスの方々と同じ時間を共有し、新しいデザインの生まれる瞬間を目の当たりにしましょう。リアルとデジタルをつなげ新しいイベントを生み出しましょう! それがまさに“アンチレトロ”の精神だと思います」
シトロエンジャポン主催のイベント「アンチレトロナイト」は、ナビゲーター、ロバート・ハリスさんのそんな掛け声とともにスタートした。会場は恵比寿リキッドルーム。クラブミュージックが心地よいグルーブを誘う空間で、繰り広げられたのはシトロエンDS3のルーフデザインを巡る、デザインコミュニケーション。会場では、作家/DJのロバート・ハリスさんとカーライフエッセイストの吉田由美さんによるトークショー、一般公募によるルーフデザイン審査会のほか、ツイッターやUstreamによるライブ中継も同時進行され、3次元、4次元にもおよぶ、空間を超えたさまざまなコミュニケーションが飛び交った。

文=東ミチヨ写真=五十嵐隆裕

応募者の個性が光るDS3のルーフデザイン

「シトロエンDS3のポップな色、ひとクセあるハッピーな色に惹かれました。自分をもっと元気にしたいとき、こんなクルマがあれば毎日がハッピーになれそう。楽しいクルマが街に増えると、もっと楽しくなると思うんです」。カーライフエッセイスト、吉田由美さんのハッピーなコメントに、参加者たちも気分が盛り上がって、会場のあちこちでDS3をめぐるリアルチャットも繰り広げられた。

とくに参加者たちの注目を集めたのは、ルーフデザイン審査会だ。シトロエンDS3は、クルマの各パーツを自分好みにカラーを選んで組み合わせられる、“ビークルパーソナリゼーション”というシステムを備えている。ボディカラー、ルーフ&ドアミラー、ホイールカラー、ダッシュボード、シートマテリアルがそれぞれチョイスできるのだ。さらにもっと個性を主張したいひとにはルーフステッカーが用意されている。そこで今回は「もし自由にルーフをデザインできたら?」というテーマのもと、一般公募によるユニークなルーフデザインのアイデアが集められた。応募作品約150点のうち、最終審査に残った作品は3つ。会場には作品が展示され、来場者による投票のほか、ツイッター投票、そして審査員による選考によって優秀作品が絞られた。審査員として参加したデザイナーのNOSIGNER(ノーザイナー)さんと、川上俊さんに、今回の作品と、DS3のデザインの可能性について聞いてみた。

──最終審査に残った3作品の印象はいかがでしたか?

ノーザイナー どれも優劣つけがたい作品でしたが、なかでも僕はストライプを使った作品に、クルマの疾走感を感じました。

川上 ラインワークっていうのは、クルマに合いますよね。走ったときに残像が残るおもしろさがあります

ノーザイナー ビビッドなカラーリングもいいですね。最優秀作品に選ばれたモザイク柄デザインには、未来をイメージさせる色の鮮やかさがあります。DS3は、ビビッドなカラーのボディが魅力のひとつでもあるけど、どのカラーにもマッチするんじゃないですか。

CITROEN DS3|シトロエン DS3 アンチレトロナイトレポート
川上俊×NOSIGNER(ノーザイナー) インタビュー

あらたなコミュニケーションデザインが生まれた日(2)

「未来を感じさせるデザイン」

──クルマのルーフデザインというと、レーシングカーにはじまって、古くから楽しまれてきた歴史があります。DS3のような現代のルーフデザインというのは、どのような役割があると思いますか?

ノーザイナー コミュニケーションデザインというおもしろさがあると思います。二次元のシンプルなグラフィックがプロダクトとコラボレーションすることで、それが街へと広がって、人びとを楽しませることができるという。

川上 僕は以前からグラフィックを、プロダクトや壁面に転写するということもやっているのですが、デザインにはさまざまな可能性があると思うんです。クルマと結びつくことで、ストリートをアートに変えてしまうようなことだってできる。個性を表現する可能性が広がるでしょうね。

──シトロエンDS3のデザインについてはどう思われますか?

ノーザイナー DS3だけがもっているビビッドな感覚というのがありますよね。僕は初代DSがすごく好きなんですが、あの革新的スタイルってぶっ飛んだところがありましたよね。あれは宇宙船を作るようなモチベーションで作られたクルマでした。DS3は、まったくあたらしいスタイルではあるけれど、DS本来のスパイスを、うまく今のクルマに落とし込んで作られているんじゃないかと思います。

川上 初期のDSっていいですよね。僕はC4に乗っているんですが、シトロエンがデザインするものには、やっぱりどこか強烈な個性を感じます。DS3は、それを自分なりにいろいろアレンジできるという楽しみもあって、現代のライフスタイルにも合うのだと思います。コンパクトなサイズ感は、セカンドカーにもいいですね。アクティブな女性にも似合いそう。その助手席に乗っても楽しいと思います。

──シトロエンは今回、“アンチレトロ”をテーマにしていますが、それはどう解釈されますか?

川上 昔に目を向けるんじゃなく、あたらしいデザインを追及するというのは、ずっと変わらないシトロエンらしさだと思うんです。つねにモダンですから。

ノーザイナー そうですね、シトロエンは常にアンチレトロを具現化してきたんじゃないかって思います。昔に還ることがないっていう。歯に衣着せず言えば、いわゆるヘンなクルマが多いんですよ。ヘンにマーケットとか意識せずに個性を発揮しているところが好きですね。

川上 ブランドとして見ても、シトロエンって特別なものがあるように思うんです。どんなにモダンに攻めたデザインでも、あのダブルシェブロンのロゴを見た瞬間にシックに見えたり。シトロエンというブランドには、フランスのコンテンポラリーを意味するような、特別な響きを感じてしまうんです。

ノーザイナー いいですね、シトロエンのクルマにはつねに未来を感じます。いまの未来のかたちって、すごくオーガニック。そんな気がします。だから、たとえばコンセプトカーのシトロエンGP、あれはゲームのなかだけですけれどオーガニックなデザインですよね。そしてDS3も未来を感じさせるデザインだなと思うんです。

──優秀作品をデザインした上田貴裕さんは、じつはゲーマーだそうです。ゲームのなかの疾走感が好きという話をうかがいました。

ノーザイナー あぁわかります、その感覚。色づかいとかテトリスっぽいですよね。

川上 クルマのルーフデザインというと、どうしても制約があって似たものになりがちだけれど、これは既視感がないですね。ゲームから生まれたからかな、あたらしい世界感を感じます。カラーじゃなくて、モノトーンでもおもしろいと思います。

           
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