PORSCHE Cayenne|ポルシェ カイエン 試乗
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2015年2月24日

PORSCHE Cayenne|ポルシェ カイエン 試乗

PORSCHE Cayenne|ポルシェ カイエン

小気味よい、2代目カイエンの愉しさ(1)

2010年にモデルチェンジしたポルシェ カイエン。ベースラインを受けもつのは、軽快なV6搭載モデルだ。

文=小川フミオ

燃費、出力ともに向上したV6エンジン

SUV(スポーツ多目的車)であるポルシェ カイエン。モデルチェンジした2代目は、より洗練度が上がり、操縦性の面でもより改善されている。なかでも注目は燃費に優れると謳われるV6搭載モデルだ。

V6搭載モデルは「カイエン」と呼ばれ、モデルバリエーションは6段MT搭載モデル(748万円)と、8段ATであるティプトロニックS搭載モデル(795万円)の2本立てとなっている。

カイエンのV6の総排気量は3598cc。基本は先代からのキャリーオーバーで、両バンクの挟み角が15度という狭角V型。そこに、燃料直噴システム、可変バルブタイミングシステム、可変レゾナンスエアインテークシステムなどが今回あらたに加えられ、従来より最高出力で10ps、最大トルクで15Nmあがっている。

上級モデル、カイエンSにはパナメーラとも共通するV型8気筒ユニットが搭載されている。このV8はアルミニウム製のブロックをもち、ドライサンプを採用する。それに対して、カイエンのV6は鋳鉄製ブロックに、ウェットサンプ方式となる。

ポルシェでは、エンジンの各部に手を入れることと合わせて、車両の軽量化をはかったことで、CO2排出量と燃費、ともに最大20パーセント低減したと謳う。 ATモデルにはアイドリング時のエンジンオートストップ/スタート機構が組み合わせられる。これも燃費低減のためのシステムだ。

PORSCHE CAYENNE|ポルシェ カイエン|02

PORSCHE CAYENNE|ポルシェ カイエン|03

パナメーラに似た、端整な顔立ち

V6搭載モデルは「カイエン」と呼ばれ、モデルバリエーションは6段MT搭載モデル(748万円)と、8段ATであるティプトロニックS搭載モデル(795万円)の2本立てとなっている。

フルタイム4WDシステムには、ロック機構つき電子制御センターデフ、オートマチックブレーキディファレンシャル(ABD)、アンチスリップコントロール(ASR)が組み合わせられる。これはV8搭載モデルと共通装備。

V6では、サスペンションシステムに組み込まれたセルレベリング機能と、ポルシェアクティブサスペンションマネージメントシステムがオプション設定となっている。

カイエンのV6モデルの試乗の印象はというと、期待以上によかった。フロントマスクが大きくデザイン変更を受け、パナメーラとのファミリーレゼンブランス、つまり共通するイメージをあたえられている。オンロードとオフロードともに高いレベルを目指したというポルシェの目標どおりで、どちらの領域でも高い水準の性能ぶりを見せてくれるモデルだ。

PORSCHE Cayenne|ポルシェ カイエン

小気味よい、2代目カイエンの愉しさ(2)

重い車体に軽快さをあたえるATとハンドリング

今回はオンロードでの試乗だったが、V6の軽快感が印象的だった。高速性能と悪路走破性が謳われてきたカイエンだが、どこで乗っても楽しめる、というもうひとつの価値を十分に味わわせてくれた。

まずV6はよくまわるうえに、トルクの出かたが絶妙。アクセルペダルの反力とのコンビネーションもうまく、踏み込み量に対して、ドライバーの期待どおりに力が出てくる。反応がよく、かつ力がたっぷりあって、2トンを超える車重を意識させない。

ティプトロニックSとポルシェが名づけたオートマチックは大いに好感がもてる。シフトスケジュールにしても、変速のスムーズさにおいても、乗っているひとに違和感をおぼえさせない。トルコン式オートマチックトランスミッションは、まだまだ長所があると感じさせてくれる。

ハンドルの操舵感について、V6搭載のパナメーラでは軽すぎるように思えたが、カイエンは適度。車体のロールとの関係もうまく設定されていて、ひらりひらりとワインディングロードを走ると、ある種のスポーツカーのようだ。コンパクトで軽量なエンジンがハンドリングに大きく寄与しているのだろう。クルマにとって軽いことは何よりも大切という、当たり前の事実を再確認した。

PORSCHE CAYENNE|ポルシェ カイエン|06

PORSCHE CAYENNE|ポルシェ カイエン|07

モビリティにおける重要な存在であるカイエン

カイエンで興味ぶかいのは、ここにきてラインナップが拡充していることだ。500psものツインターボエンジンを搭載したカイエン ターボという高性能モデルをもついっぽう、日本未発売だが3リッターV6に電気モーターを組み合わせたハイブリッドも追加されている。

一時期は、お金もちグルマの究極、という受け入れ方をされていたようにもみえたカイエン。しかし、V6搭載の楽しいカイエンを体験して、あらためてポルシェは、乗るひとを楽しませてくれるスポーツカーメーカーであり、同時にこの先のモビリティの在り方を豊かな選択肢のなかから考えさせてくれる、ありがたい存在なのだと知らしめてくれた。

PORSCHE Cayenne|ポルシェ カイエン
ボディ|全長4,845×全幅1,940×全高1,710mm
ホイールベース|2,895mm
エンジン|3.6リッター V型6気筒エンジン
最高出力|220kW(300ps)
最大トルク|400Nm/3,000rpm
トランスミッション|8速ティプトロニックS
最高速度|230km/h
0-100km/h加速|7.8秒
燃費|6.3km/ℓ
価格|795万円

           
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