香りをデザインするフレグランス 『Jo Malone London』|INTERVIEW
BEAUTY / FEATURES
2016年10月2日

香りをデザインするフレグランス 『Jo Malone London』|INTERVIEW

Jo Malone London|ジョー マローン ロンドン

ライフスタイルディレクターDebbie Wildインタビュー

東京は港区・TABLOID。潮風が香る湾岸のこの地にて、ロンドンのライフスタイルブランド『Jo Malone London』(ジョー マローン ロンドン。以下JML) の新作「BASIL & NEROLI (バジル & ネロリ) 」発表会が行われた。そのため来日していたライフスタイルディレクター、デビー・ワイルド(Debbie Wild)に、香りの秘密について伺った。

Photographs by SUGA TakeshiText by ASAKURA Nao

テーマは“ロンドン ラーク”。バジルを主役に据えた魅惑の香りとは?

――新作のバジル & ネロリを「キラキラした光を感じる仕上がり」「植物園のようなイメージ」と表現されていますが、20年ぶりにジョー マローン ロンドン(以下、JML)の象徴的な材料であるバジルを使ったフレグランスを作ろうと思ったのはなぜですか。

デビー・ワイルド(以下、デビー) 20年前、今ではJMLの代表的なフレグランスとなっているライム バジル & マンダリンを発売したのですが、当時は意外性のある素材を使ったフレグランスとして成功しました。20年目は節目だし、お祝いする気持ちと讃える意味を込めて、今回は“グラン ヴェール”と“バーベナ”という2種類のバジルを使って新作を開発しました。前回はバジルを脇役的に、いわばアクセントとして使いましたが、今回は中心に据えています。

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ネロリと組み合わせるというのはマスターパフュマーのアン・フリッポのアイデアで、彼女が子どものころから慣れ親しんでいる植物だということもあり、採用しました。

――日本ではまだ欧米ほどフレグランスが日常化されていないのですが、初めてJMLのフレグランスを使う日本人に、楽しみ方をアドバイスしていただけますか?

デビー まずは全国に12店舗あるJMLショップのスタイリストのところに足を運んで、色々試してみてほしいですね。スタイリストはその人の雰囲気や要望、ライフスタイルなどを把握して、的確な香りをアドバイスしてくれます。JMLには香りのファミリーというのがあるのだけれど、それぞれの中からピッタリな香りを選んでくれるわ。人によっては好きなもの、好きでないものがはっきりしていたりするけれど、自分では気がつかなかった新しい発見もあると思うし、気に入ったものを見つけていくことができる。単体でつけてもいいし、JMLのフィロソフィーでもある“コンバイニング”、つまり他の香りと組み合わせて自分の香りをデザインしてみて。アーティストになった気持ちで自由に楽しんでもらえたらうれしいです。

――日本人は食文化や毎日お風呂に入るという習慣からあまり体臭がなく、強い香りを好まない傾向にあります。日本人にフレグランス コンバイニングTMをするなら、バジル & ネロリに何を重ねることを提案しますか?

デビー JMLが日本に上陸して8年になり、多くの人たちにオープンに受け入れられ、香りに親しんでもらっていると思います。でも、まだあまり香りに慣れていないJML初心者の方には、石けんやシャワーを浴びたばかりのようなクリーンでパウダリーな香りがおすすめです。バジル & ネロリ単体でなら間違いないし、洗い立てのコットンのような香りのワイルド ブルーベルもいいわね。まるで森の中にいるような、フレッシュな気分になれます。私の場合は、バジル & ネロリのボディクリームをつけてからナツメグ & ジンジャーやレッド ローズ、イングリッシュ ペアー & フリージアなどのスプレーを部位によって変えてつけます。すれ違った人が意表をつかれるような香りを、自分でデザインできるのがJMLの醍醐味。店舗のスタイリストは色々なアイディアを持っているし、その人の温度感や好みの香りの強さ、タイプやライフスタイルにピッタリなものを勧めてくれます。ぜひ相談しに行ってみてくださいね。

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――日本のバジルといわれるシソや、日本由来の植物(竹、桜など)に興味はありますか? それらからインスパイアされたフレグランスの開発などいかがでしょうか?

デビー イギリス以外の国のものをテーマにしたスペシャルなフレグランスを開発する最初の試みとして、実は5年程前に桜をモチーフにしたフレグランスを開発したことがあります。シソのことは初めて知ったわ。ぜひ試してみたいです。

――バジル & ネロリは、“ロンドン ラーク”がテーマで、遊び心を忘れず、冒険心に満ちたフレッシュなスピリットからインスピレーションを受けて開発されたとおっしゃっていましたが、東京をインスピレーションの源としてフレグランスを開発するとしたら、どんな香りになりそうですか?

デビー 私たちは色々な都市を訪れ、持ち帰る思い出を元に香りを開発しています。例えば、私が東京をイメージするものは雨とバラ。なぜか私が東京に来るといつも雨が降る(笑)し、レッド ローズは東京で人気の香り。JML製品開発責任者のセリーヌは、 文化と密着した形でその土地の香りを体験したいから、新作発表会などで赴いた場所では必ずフラワーマーケットやスパイスマーケットに立寄り、それらを持ち帰ってきます。他のスタッフも出張先でスパイスや花を持ち帰って、クリエイティブスタジオでグローバルに共有します。そうやってみんなで常に新しい素材やアイディアを思い出と一緒にスタジオに持ち帰って共有し、蓄積されていきます。それらは今すぐピンとこなくても、来年使われるかもしれない。だから、今回私が持ち帰ったシソも、いつか製品になるかもしれないわね(笑)。

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Debbie Wild | デビー・ワイルド
ジョー マローン ロンドンのライフスタイル ディレクターとして、世界中の新しい市場やブティックでのオープニングイベントを手掛ける。また、ブランド独自のサービス フィロソフィの普及のために世界各地で活動する。長年、香りについて体験的に学んだことを巧みに生かし、「ノーズ」ワークショップも開催。ジョー マローンのフレグランスの中で彼女のお気に入りは、温もりのあるナツメグ&ジンジャーと、清潔で爽やかなアンバー & ラベンダーの組み合わせ。ジョー マローンのコロンを初めて贈られたことをきっかけに、自身が熱烈なファンになったというデビー。海外出張中以外は、ロンドンのジョー マローンでの仕事と、 ハートフォードシャーの自宅で夫や娘と過ごす時間のバランスをとるようにしている。

問い合わせ先

ジョー マローン ロンドン お客様相談室

Tel.03-5251-3541

www.jomalone.jp
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