第14回:なまけた毛穴を鍛えましょう(2)
第14回:なまけた毛穴を鍛えましょう(2)
photo by FUKUDA Emikoedit&text by SOMEYA Harumi
ごくふつうのスプーンでOK!
スプーンはご家庭にあるものでじゅうぶんです。高い安いも関係なし! 私は100円ショップで買ったものも愛用していますよ。今日用意したスプーンの中にも何本か混ざっています(笑)。選ぶポイントを挙げるとすれば“重さ”ですね。初めのうちは加減がわからないので、気をつけないと負荷をかけ過ぎてしまう。強くたたき過ぎると内出血を起こすし、皮膚をグリグリ動かすとシワの原因になります。だから、やればやるほどいいというわけではなくて、適度な重みや適度な圧が大事になってくるんです。
加減が難しいという方は、薄くて軽いスプーンで始めたほうがいいですね。慣れてきて、物足りないと感じるようになったら、厚みがあるスプーンにチェンジしていけばよいと思います。サイズ・カタチは、頬など広い面積に対応できる大きめのものと、目もとやリンパケアをするときに使える小さいもの(マドラーが最適です)、あとは、鼻など狭い部分用に中くらいのもの。この3つがあれば万全です。
ペタペタとパタパタを使いわける
スプーンパッティングは血液とリンパの流れをよくしてから始めると効果がアップするので、できれば先に行ってほしいステップがあります。ひとつは、あごの下を押すこと。中心から上に向かって親指でグイグイと押していきます。最後に耳たぶの下のくぼみをグッと指圧。
もうひとつは、ちょっと痛いんですけど、親指を耳たぶの後ろに引っかけて、残りの指を上部に乗せたらギューッと二つに折り、そのまま左右に引っ張って、パッと離す。こうするだけで、耳の周りの血行が促進されます。カラダもポカポカしてきますよ。顔色もすごくよくなるし。ノーメイクでオーディションに行くモデルさんにもオススメしています。
耳には重要なツボがたくさんあるので、刺激を与えるのはよいこと。眼もクリアになって遠くまで見えるようになりますよ。
また、パッティングには冷やしたスプーンを使うので、その準備も忘れずに。冷蔵庫に入れておいてもよいですが、氷の入ったグラスに入れておけば、そのまま持ち運べるし、冷やす→パッティングを交互にできるので便利です。
たたく際は、柄の端を持ち、手首のスナップ利かせるようにして。この持ち方なら、チカラが入り過ぎることなくたたけます。正しい持ち方ができたら、頬を下から上へ、毛穴を持ち上げるように「パタパタ」と軽くたたきます。温かくなってきたらOK。じゅうぶん血流がよくなっているので、それ以上続ける必要はありません。
頬骨や額などはたたくと痛いので、パタパタではなく「ペタペタ」方式。具体的には、スプーンの裏をペタッと30秒くらい押しつけます。チカラの加減は軽く添える程度。グイグイ押すのは厳禁です。鼻の周りなど、毛穴の開きが特に気になる部分もこの手法でケアします。
スプーンパッティングは洗顔後の清潔なお肌で行ってください。毛穴に汚れが詰まった状態でたたくと、ますます奥に入ってしまううえ、冷たさで毛穴が締まるので、その汚れを閉じ込めてしまうことになります(常温のスプーンで刺激を与えるだけなら洗顔後でなくても大丈夫です)。
温冷ケアが新陳代謝を高める
ここでは冷ケアを紹介しましたが、本来は“温冷ケア”が大事です。毛穴は温めると開き、冷たくすると閉じるので、より効果の高いトレーニングになるんです。冷スプーンパッティングを始める前に蒸しタオルでお肌を温めておくといいですね。また、スプーンは冷だけでなく温にも使えるので、お湯の中に入れて温スプーンにしても。私はよくお風呂の中でやっています。ただし、スプーンは金属なので、くれぐれもやけどには注意してくださいね。
温冷ケアを交互に行うと、さらに代謝がアップします。気になるシミがあるときは、冷たいスプーンをパタパタ、そのあとに温かいスプーンをパタパタ。それをくり返すとすごくいいですよ。
健康な人はターンオーバーが28日周期であると言われています。肌細胞が生まれて、それが表皮となりアカとなるまでが28日。だから、シミをどうにかしたいときは、代謝を高めてターンオーバーのサイクルを早めてあげればいいわけです。そうすれば、生まれているメラニンが早く排出される。早く出していきながらUVケアをしっかりしていれば、新たなメラニンが育ちにくくなりますから、シミを薄くする効果が期待できます。