ファンデーション、久々の当たり年です！

この秋は、なんといってもファンデーション。高機能で、かつスキンケア要素がたっぷり入っているファンデーションがたくさん出ています。さらには、ファンデーションの完成度をより高めるメイク下地やコンシーラーも充実。各社、ベースメイクで完璧な肌になるようなアイテムをずらりと揃えていて、久々の当たり年かなというのをすごく感じますね。

たとえば、SK-IIのファンデーションはトリートメント成分が75％も入っている。これはもう美容液ですよ。メイクのたびにうるおいをぬっているようなもの。こういうトリートメントタイプのファンデーションが、この秋はほんとうに多い。なるべく角質層のうるおいを奪わないように、ストレスにならないようにと、どのメーカーさんも、うるおいをあたえながらのベースづくりというものをしっかり考えてくださっていますね。

それともうひとつ、今シーズン発売のファンデーションで感じたことは、パッケージもストレスフリーだということ。肌だけでなく、気持ちにも負担がかからないよう、ちょっとしたところに、細やかな心配りがされています。

ランコムの「フォトジェニック ルメッセンス コンパクト」や、イプサの「ピュアプロテクト リキッドコンパクト」を手にしたときは、拍手ものでした。通常、コンパクトタイプのファンデーションはリフィルをケースにセットして使いますが、リフィルの裏についているのりで手がベタついたり、セットするさいにつめがひっかかったりで結構ストレス。でも、これらのファンデーションはケース自体のレフィル部分は空洞になっていて、使う際はケースのうしろからレフィルをはめればよいので、ワンアクションでセット完了。わずらわしい手間がまったくかかりません。

さらに、ランコムはこのシステムを“スリップ イン レフィル システム”と名づけ、超薄型も実現している。手にしっくりとなじむスリムなケースは見た目にも美しいですよね。もちろん、中身も優秀です。このファンデーションは、一般的に配合されている赤・黄・黒だけでなく、新生代の青色ピグメントが入っているので、黄ぐすみが改善。とてもつややかな明るい肌に仕上がります。

クリニークの「パーフェクトリー リアル ラディアント スキン コンパクト メークアップ 29」も画期的。なんと、ワンプッシュでひらくのです。両脇のボタンを押すと自動でコンパクトがひらくから、片手でもOK。まるで携帯電話のようです（笑）。縦長で鏡が大きいのもいいですね。一度に顔全体が映るのでメイク直しもスムーズです。スポンジも引っかかりがなく、とても使いやすい。まさに、こころにも肌にもストレスフリーなファンデーションです。

こういった傾向は、たぶん、開発の現場に女性の方が多く携わるようになったからだと考えています。女性目線でつくられるからこそ、中身だけでなく、使いやすさもちゃんと追求されている。そして、「メイクはやっぱりベースでしょ」と。目を大きく見せるのももちろん大事だけれど、まずはベース。いかに肌が美しくつくられているかというところで日本の女性の価値は決まってくるんじゃないかって、みなさん思われている。だから、ファンデーションが充実してきているんですよね。

テクスチャーはいろいろでも、うるおい重視は共通

インプレスの「インプレス IC リバイタライジングモイスチャーパクト」は、クリームベースが肌にのせたとたんパウダーに変化するのがおもしろい。仕上がりはさらさらなのに、パウダーとは思えないツヤとハリが実現します。

先ほどリフィルの話題でも取り上げたイプサの「ピュアプロテクト リキッドコンパクト」は固形状のリキッド。凹凸補正効果をもつパウダージェルベースで、みずみずしく、つるんとした仕上がりをかなえてくれます。このふたつは、スピーディに扱えて化粧もちも◎。ひじょうに使い勝手のいいファンデーションだと思います。

この秋はクリームファンデーションにも注目です。
イプサの「ピュアプロテクト リキッドコンパクト」やエストの「クリームメイクアップ アクティブオーラ モイスト」は、くるくると肌にのばしているときは水っぽいのだけれど、手を離すとぴたっととどまるユニークなテクスチャー。どちらも、うるおい成分がしっかり入っています。ソニア リキエルの「ソワン タント イドラタン」も形状はクリームだけれど中身はリキッドに近い。すぐれたトリートメント効果でハリとツヤをかなえてくれます。

かつてのクリームファンデーションは使用感も仕上がりも重いイメージがありましたが、いまはまったくちがう。
従来のクリームの概念をくつがえす、スキンケア的な使用感です。クリームのよさとリキッドのよさをあわせたいいとこ取りで、カバー力はあるのに軽い。そしてつややか。ですから、クリームファンデーションは苦手というひとも偏見をもたずに使ってほしい。ビギナーでも安心して使えるものばかりです。

SK-IIの「スキン シグネチャー クリームイン ファンデーション」もすばらしい。先ほども言ったとおり、75％が美容成分ですからね。ひんやりしていて、使い心地がとてもいい。冬にかけてとくに出番が多くなりそうなファンデーションです。

化粧下地やコンシーラーも、主役級のラインナップ

ベースメイクにおいて化粧下地やコンシーラーは脇役ですが、その出来が最終的なベースメイクの完成度を左右するという意味ではひじょうに重要なアイテム。ファンデーションが充実しているこの秋は、当然ながら化粧下地やコンシーラーにもちからが入っています。

アルビオンの「エクサージュ プライマル シフォン プライマー」や、インプレスの「インプレス IC リバイタライジングモイスチャーベース」は、パウダーファンデーションとの絡みをすごく考えている。しっとりうるおって、なめらかでキメ細かい肌に整えてくれる化粧下地です。ポーラの「アグレーラ ブライトベース モイスト」もそうですね。研究者の方がすごくがんばってつくっています。

ランコムの「ラ バーズ イドラグロー」は、パールが配合されていてブライトアップ効果が高い。しっかりとツヤとうるおいをあたえてくれます。RMKの「クリーミィ ポリッシュト ベース」は、みずみずしくうるおうけどベタつかない、ハーフマットな質感に仕上げてくれる一品。カラーコントロール効果もある3色展開なので、好みにあわせて選べるのもいいですね。

ポール＆ジョーからはふたつのコンシーラーが登場しました。スティック型は、しっとりなめらかな使用感ながら仕上がりはさらりと軽い。5色展開なので、ハイライトやシェーディングとしても活躍してくれます。チューブ型は目の下専用。茶グマにはイエロー系、青グマにはオレンジ系で対処します。

エストの「ニュアンスブレンド コンシーラーパレット」は、色でカバーする2種のクリームと質感をなじませるパウダーのダブルづかいが特徴。まわりの色よりも濃く鮮やかな色は、グレーに傾くことがなく、気になるシミやくすみをきちんとカバーしてくれます。

ほかにも、ひろ美さんのお気に入りアイテムをご紹介

イプサのパウダー「ピュアルースパウダー」は春に出た製品ですが、大のお気に入りなのでご紹介。このお粉、ものすごくいいです。ふんわり軽くて、重ねるほどに透明感がアップするんですよ。しっとり感もあって、でもさらっとしていてほんとうに快適。お薦めです。

SUQQUのプレストフェイスパウダー「スック ポリッシュ フェイスカラー」も私のなかでの大ヒット商品。3色グラデーションのパウダーを使いわけることで、肌に美しい立体感をつくり出すことができます。8月発売の限定品なのでもう手に入らないのが残念。定番商品としての復活を期待しています。

乾燥が気になるこれからの季節、ファンデーションの上から手軽にうるおい補給できるミストローションも必需品です。ポール＆ジョーの「モイスチュアライジング ミスト N」（10月2日発売）は、うるおい成分がしっかりと肌のなかまで浸透して、乾きやベタつきを抑えてくれます。ファンデーションの仕上げにひと吹きすれば化粧もちもアップしますよ。

イプサの「ザタイムリセット マイクロミスト」は、悩み知らずの0歳肌をめざすザタイムリセット シリーズだけに、期待どおりの使用感。実際、すごく売れているそうです。

私が開発に携わっているスキンケアブランド「セブンフロー」からも春にミストローションが出ました。ふんわりと軽いミストとローズオレンジの香りが、心とからだを優しくつつみ込んでくれます。

いままで、日中の肌はストレスをため込むいっぽうだから、夜は解放させましょうと思っていたのが、これだけトリートメント効果が高くて、肌にも心にもストレスをかけないファンデーションが出てくると、夜、特別にリセットしなくても大丈夫なんじゃないかって思えてきますね。こうしたハイテクファンデーションの充実は、これまで実現が難しかった24時間スキンケアをいよいよ可能にしてくれるかもしれません。

※商品はすべて私物