OPENERS CAR Selection 2014 渡辺敏史篇
OPENERS読者におくる2014年の5台
OPENERS CAR Selection 2014 渡辺敏史 篇
2014年も終わりつぎの1年も見えてきたこの時期だからこそ、あわてずじっくり振り返った「OPENERS Selection 2014」。昨年登場した数おおくのクルマのなかでも、渡辺敏史氏が注目したモデルはこれだ。
Text by WATANABE Toshifumi
クルマの中身が多様性化
14年に発売されたクルマたちを並べてみるに、各社の定番そして主力たる車種が順当なフルモデルチェンジを施してきたという感が強い。逆に多様化しつつあると実感させられたのは中身にまつわるところだ。
パワートレーンに関して、欧州勢はCO2の排出総量を抑えるべく、ハイパフォーマンスモデルにかんしてもダウンサイジングターボのコンセプトをくわえなければ成り立たない状況が迫りつつあるわけだが、多くのリージョンでみなしEVとして扱われることになりそうなプラグイン ハイブリッドに当面の活路が見いだせる可能性が高まってきた。そのあたりの事情は日本でローンチされたモデルにも現れてきたのが14年の特徴だったといえるだろう。くわえて、ポスト新長期規制と内容のちかいユーロ6の実効化で、ディーゼルの日本へのローカライズが以前よりスムーズになる。これらの背景から、15年はプラグインを含むEV的なモデルにくわえて、ディーゼル搭載車のローンチも活発化することが予想される。
さらに、14年度の発売が実現した「ミライ」が、今後の自動車のパワートレーンのありようにどのような影響を与えていくかも興味深い。現状はインフラ等の問題もあり、その大半がフリートユース(法人)に限定されるだろうが、トヨタのような現実路線のメーカーが量産前提の仕様と価格で燃料電池車を世に出すということは、様々な方面に影響を与えることになる。エネルギーマネジメントの再構成を考えるべき日本において、水素の大規模利用は前人未到ながら研究開発に値するものと考えれば、この一歩は非常に大きなものとなるはずだ。
が、燃料電池車が究極のエコカーであるとか、次世代動力源の切り札などとする論調は性急に過ぎる。様々なものが混在する中でユーザビリティと共に収斂していく、その期間は我われの想像より長いことはまちがいない。何が正解というわけではなく、自分の生活との適正で選ぶという考え方を持つべきだろう。
渡辺敏史による2014年の5選
Mazda Demio|マツダ デミオ
Mercedes-Benz C Class|メルセデス・ベンツ C クラス
Peugeot 308|プジョー 308
Lamborghini Huracan LP610-4|ランボルギーニ ウラカン LP610-4
Lexus RC F|レクサス RC F