角型時計の名作ジラール・ペルゴ『ヴィンテージ1945』伝説
Watch & Jewelry
2015年3月4日

角型時計の名作ジラール・ペルゴ『ヴィンテージ1945』伝説

極めつくされたフォルムに男の色気を感じる一大傑作

角型時計の名作ジラール・ペルゴ『ヴィンテージ1945』伝説
時計オタクとは一線を画す伊達男たちが腕時計に求める要素は、精緻なムーブメントと、それをつくる技術力。
あるいは歴史やブランド力──だけではない。美意識を映す洗練されたデザインも、時計の真価を左右する大きなファクターだ。そのすべてを持ち合わせる稀有な時計、ジラール・ペルゴ『ヴィンテージ1945』。
時計史に残る角型時計の名作、その魅力を検証する。

※ここでご紹介するアイテムの一部を、ルモアズで購入いただけます。

撮影=戸田嘉昭文=柴田 充Photo by Jamandfix

世代を超えて愛され続ける芳醇なアールデコスタイル

どの時計ブランドにも象徴となる代表作がある。ジラール・ペルゴであれば、『ヴィンテージ1945』で異論はないだろう。

1995年に登場したが、オリジナルは1945年まで遡る。クラシックな洗練を感じさせるレクタンギュラー(長方形)ケースは、直線基調や幾何学模様を多用したアールデコスタイルに倣う。

直線的でありながら優雅さを損なわないのは、ケースとストラップをつなぐ上下の境に縁飾りのトリムを入れたこと、そしてその先にあるストラップの連結部であるラグを鋭角的にデザインしているためだろう。

だが、なぜこれをあえて1945年に発表したか。それは想像の域を出ないが、世界大戦を終えた新たな時代の幕開けに、未来への希望と良き時代へのノスタルジーを優雅なアールデコに投影したのではないか。

その後、半世紀を経て、ブランドシンボルとしてこれに注目し、『ヴィンテージ1945』として復刻したのが現CEOルイジ・マカルーソ氏である。新たな魅力としてくわえられたのが手首に沿ってカーブしたフォルムであり、これはアールデコ後期に流行したストリームライン(流線型)にほかならない。こうして正面から見た二次元の直線とサイドプロポーションを成す三次元の曲線が融合した、流麗なアールデコスタイルが現代に甦ったのだ。

「伝統というの一朝一夕でできるものではありません。そこには文化があります。文化は過去だけでなく、未来も見ていかないといけないのです。そのためにはつねに熟成と進化をさせなければいけないと思います」

今年のS.I.H.H.ではマカルーソ氏はこう語った。その言葉どおり、オリジナルモデルをより忠実に再現した『ヴィンテージ1945』が新作として登場した。

取材後、マカルーソ氏と、ジラール・ペルゴを任せる長男のステファノ氏が似たストライプスーツであることに気づいた。尋ねると「ええ、ふたりとも地元トリノのテーラーでお願いしていますから」と微笑んだ。

そんな世代を超えて継承する文化が『ヴィンテージ1945』という時計を芳醇に熟成させたのである。


ヴィンテージ1945 ビックデイト
成熟した男にだけ許される“カジュアル”という余裕

レザーストラップのイメージが強い『ヴィンテージ1945』だが、実はブレスレットもラインアップ。現在、メンズではステンレススティールのみの素材展開ということもあり、他モデルに比べてスポーティな印象が強い。丹念な仕上げが施されたパーツが組み合わさったブレスレットは、腕にしっくりくるしなやかな装着感。
自動巻き、ステンレススティールケース&ブレスレット、ケース径/縦32×横32mm、107万1000円(ソーウインド ジャパン〈ジラール・ペルゴ〉)


ヴィンテージ1945 スクエア クロノグラフ
上品に、かつ、異彩を放つスクエア型+ホワイトゴールド

ホワイトゴールドとピンクゴールドの2タイプの素材で展開する、正方形ケースのクロノグラフ。端正なケースに整然と並ぶふたつ目インダイヤルでカジュアルながらも、どこかにエレガントさも香る仕上がりに。オン・オフ問わない、コーディネート力の広さも心強い。
自動巻き、ホワイトゴールドケース×アリゲーターストラップ、ケース径/縦32×横34.2mm、279万3000円(ソーウインド ジャパン〈ジラール・ペルゴ〉)


ヴィンテージ1945 ビックデイト&ムーンフェイズ
黒文字盤×ムーンフェイズ 男の色気漂う上級モデル

漆黒の夜を思わせるブラックダイヤルに、ジラール・ペルゴらしいビックデイトと、3と9だけのアラビア数字のインデックス。そして最大のポイントであるムーンフェイズを整然と配置。月齢表示という遊びのある複雑機能がデザイン化され、男の手元を優雅に彩るはずだ。
自動巻き、ピンクゴールドケース×アリゲーターストラップ、ケース径/縦32×横32mm、210万円(ソーウインドジャパン〈ジラール・ペルゴ〉)


ヴィンテージ1945 スクエア トリプルカレンダー
マニュファクチュールならではの美しきコンプリケーションモデル

12時位置の下に、月と曜日が、ダイヤルのセンターに大きめに取られたインダイヤルに日付が表示されるトリプルカレンダーは、機能性に定評のあるジラール・ペルゴらしい「使える」コンプリケーション。2つのディスクが回転し、正確に日時を伝えるという技術力を、シンプルかつクラシックデザインで品よく見せる。さりげなさがかえって粋!
自動巻き、ピンクゴールドケース×アリゲーターストラップ、ケース径/縦32×横34.2mm、220万5000円(ソーウインド ジャパン〈ジラール・ペルゴ〉)


ヴィンテージ1945 スモールセコンド&デイト
華奢な手首にもマッチ! 品格が漂うエレガントサイズ

エントリーモデルともいえるシンプルな機能ながら、9時位置にスモールセコンドと、1時と2時の間に配することで視認性を高めたカレンダーなど、ジラール・ペルゴらしいディテールが光る。あえて小さめサイズを選択することでクラシカルな伊達男のオーラが生まれる。
自動巻き、ピンクゴールドケース×アリゲーターストラップ、ケース径/縦28.6×横28.2mm、159万6000円(ソーウインド ジャパン〈ジラール・ペルゴ〉)


           
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