Chapter 4 Interview ルイジ ボレッリ、その魅力を語る 伊勢丹 五十嵐 賢さん
シャツの本質を突きつめていくと、ルイジ ボレッリに行きつく
伊勢丹 MD統括部 紳士第一営業部 ワイシャツ、ネクタイバイヤー五十嵐 賢さん
2003年に伊勢丹メンズ館としてリモデルして、1階で好調なセールを続けているのが「シャツ&ネクタイコーナー」。ルイジ ボレッリのシャツとネクタイも、伊勢丹別注商品を含めてバリエーションが幅広くそろう。
リモデルの際に「何度もアプローチして導入することができました」と語る、担当バイヤー五十嵐 賢さんに、ルイジ ボレッリの魅力を聞く。
photo by Jamandfix
本質を追求しているブランドとの取り組みを強化
2003年のリモデル以前から、メンズスタイルの重要なアイテムである靴やネクタイでは、ブランドにとらわれないで、本物・上質を提示している商品が多くの顧客に受け入れられていました。
その状況をふまえてのリモデルでは、シャツ、ネクタイ、靴、バッグなどで、本質を追求しているブランドとの取り組みを強化。シャツとネクタイは1階に大きなコーナーを設けることで、スタイルづくりに欠かせないプレゼンテーションや、ギフト需要にもしっかり対応しています。ルイジ ボレッリは、シャツの本質を突きつめていくと避けて通れないブランドのひとつですね。
伊勢丹でのルイジ ボレッリは、自分をよりよく表現するためのツールとして、あるいはクオリティの高いものをお召しになりたい方に大変好評で、色や柄などはコンサバティブなものが好まれる傾向にあります。一見、オーソドックスなスタイルや色柄ですが、細かい配色にオリジナリティを感じるものなどがバイイングのポイントですね。
今シーズンの伊勢丹は、シャツでは生地の組織感がひと味違うものを、ネクタイではサックスブルーやベージュなど明るく淡い色目をそろえています。
着ていてストレスと感じないシャツと、締めやすいネクタイ
ルイジ ボレッリの魅力は、商品としての完成度が高いのはもちろん、実際に着用している感想をいうと、シャツはとても着やすく、ネクタイも締めやすい。
「着たときに一番リラックスしてもらえるような仕立て」というシャツは、からだが動くことでテンションのかかる部分に手仕事が施されていて、とても構築的な考え方のもとにつくられています。またネクタイは、通常の縫製では、横や斜めに置いて縫い合わせていくのですが、ルイジ ボレッリでは縦に置いて真ん中を縫い合わせていきます。とても繊細で難しい作業だと思いますが、その独特の縫製法と仕上げのアイロンワークによって、ふくらみがあって締めやすいネクタイができあがります。
シャツもネクタイも細部まで理にかなったつくりなので、「このシャツは着心地がいい」、「このネクタイは締めやすい」と、ファッションに興味が高い方以外からの支持が高いのも特徴ですね。
見た目の美しさを追求することにシフトしているファビオ ボレッリ
ナポリは、男らしくてエレガントな感じのする町で、実際にナルシストな男性が多いのですが、現社長のファビオ氏は、まず、自分のからだをデザインすることから始めている究極のナルシストです。バイイングに行くと、シャツの話をするより筋力トレーニングの話の方が長い(笑)。見た目の美しさを考える土地柄なのでしょう。
ファビオ氏のお父さんのルイジさんはぼくとつとした職人気質の人で、いかにもイタリアのシャツ屋さんという感じでしたが、ファビオ氏の代になって、見た目の美しさを追求するように急速に変わってきています。
シャツもネクタイもつくりとしてのベースはお父さんの代でほぼ完成されているので、これからは「どう見える」ということが重要になってきているのでしょう。着心地のよさにビジュアル的な要素がプラスされて、ルイジ ボレッリの変化に注目しています。
伊勢丹
公式サイト│http://www.isetan.co.jp/