MODEL’S TALK:OHTA Lina「夜、ドライブしながら聴いてください」
FASHION / NEWS
2015年4月13日

MODEL’S TALK:OHTA Lina「夜、ドライブしながら聴いてください」





















MODEL’S TALK:OHTA Lina

太田莉菜×オウプナーズ

「夜、ドライブしながら聴いてください」

10月17日にcommmonsから発売された『EX MACHINA ORIGINAL SOUNDTRACK』(HASYMOの「RESCUE」収録!)を聴いていたら、さいごの曲「PUZZLE-RIDDLE」の透明感のある声にとても惹かれた。
クレジットはOHTA LINA。モデルの太田莉菜さんが歌を歌っている理由を知りたくて、フォトセッションとインタビューをおねがいした。

インタビュー=梶井 誠(本誌)photo by Jamandfix

物語の主人公の女の子デュナンと私が似ていると思ったそうです

今回の『EX MACHINA』のサントラに参加したのは、ものすごく不思議な経緯なんです。

音楽監修をされた細野晴臣さんが女性ヴォーカリストを探していたそうですが、なかなか決まらなくてどうしようという時期に、おなじく『EX MACHINA』の主人公の女の子のデュナンのノーマルウェアとパーティードレスのデザイン提供をPRADAのデザイナーのミウッチャ・プラダさんがされているんですが、その関係者で私のことをよく知っている人が、主人公のデュナンと私が似ていると思ったらしいんですね。それで、もしかして……と、私の所属事務所に「音楽はやっていないの?」と問い合わせたそうです。

じつは、今年の夏にリリースされたKatieというブランドのコンピレーション・アルバムのなかで、BEAT CRUSADERSのヒダカトオルさんと歌っているんですよ。それを細野さんが聴いて「この子でいこう」と思ってくださったようです。

たぶん、細野さんが求めていたのは、歌が上手とか、歌い方を知っているとかじゃない人だったんじゃないかなと思いましたね。

RIDDLEは「謎解き」という意味。作詞にはとても苦労しました

そして話が決まって、じゃあすぐ会いましょうと、細野さんとお会いしました。それで、詞も「英語で書いて」と頼まれたんです。私の詞ができてから、細野さんがそれを読んで曲をつけるという段取りになって、つまり私次第なんですよね。

「締切の日に詞をメールで送ってくれないかな」と言われて、でも全然思い浮かばなくて、本当に困ってしまって、なんとか出てきた単語やフレーズを送ったんですけど、自分のなかでしっくりくるものがなくて、これは約束していた細野さんと会う日までには書けないってとても焦ったんです。

当日、細野さんの都合が急に悪くなって、会えなかったんですね。そうしたらピン! と、撮影の仕事でスタジオのメイクルームで鏡を見ていたときに詞が浮かんできて、一気に詞の1番が書けたんです。

レコーディングは2日間で、細野さんがメロディーとトラックをつくって、私が歌を入れました。その後に、「明日までに2番を書いてきてほしいな」と言われて、また悩んでしまって、2日目を迎えてもなにもできていなくて、スタジオで細野さんに「じつは……」って言ったときに、前の日に録った曲を聴かせてくれたんです。それはメロディーは変わっていないんですけど、トラックが全然ちがったものになっていて、それを聴いたときに「あっ!」ってその場で2番が書けたんです。

1番はメイクをしていて、鏡の中の自分の目と目が合って、それは自分ともうひとりの自分で、だけど自分と他人のような感じもして、その関係についてのことを書いた詞ですね。でもそれは、あとからそう解釈できたんですが……。

細野さんとは空飛ぶ円盤の話で盛り上がって、今はメル友です

最初は劇中歌だったんですけど、できあがったものを気に入っていただいて、それで急遽エンディング曲になって、それはものすごくうれしかったですね。

私は歌手じゃないし、まだ自分の声を聴くのも恥ずかしい。でも、こうして自分から出てきたもので、いままでにないまったく新しいものが生み出されたという感動は、恥ずかしいのを超えたんです。こうして共同作業でできるんだということにも感動しました。

細野さんはすごく素敵な人ですね。父がちょうどYMO世代で、ものすごく好きで、憧れの人だと言っていました。私はYMO全盛のころはもちろん知りませんが、はじめてお会いしたときに感じたのは、細野さんのもっている空気感って人を威圧しないんですよ。でも見抜かれるっていうか、声を聴いたときにこう思ったと言ってくれて、細野さんが発している温かな空気に触れて、本当にこの人はすごい人なんだなと実感させられました。

私の声を聴いて、「パンクな子だな」と思ったそうです。たしかに精神的にはパンクな部分ももっていますね。

声を出すことは、自分のモデルの表現と共通する部分があります

じつは、歌は、いまいちばんやりたいことではないんですね。もし、すぐつぎの歌う仕事が決まっていたとしても果たして満足できるものがつくれるのかな? と。

自分のなかでは、いまやりたいことは、新しい感情とか思いなどで変わっていきますが、いまはそれをちゃんと忘れないようにしておこうと思っています。その流れのなかで、もしかしたらまた歌いたくなるかも。タイミングだと思います。

詞を書くのは好きなので、自分が何かを感じているときはそれを残していこうと思っています。いまはモデルの仕事がベースですが、表現の場として「声を出す」ことは似ていると思いますね。

この一年ほどなんですが、いままで自分が積み上げてきたベースをもとにして、自分がどうステップアップするかを考えていました。つぎに進むために“身軽にならなきゃいけない作業”と“何か新しいものを持ってこなくちゃいけない作業”をしているところなんです。流れが変わっていくのにつれて、自分のやりたいものも変わっていきますね。

今回のCDリリースのプロモーションで、細野さんと一緒にラジオ収録しているときに思ったんですが、私の曲「PUZZLE-RIDDLE」は、ぜひドライブしているときに聴いてください。私も運転が好きで、最近教習所に通っているんです。夜、ドライブしながら聴いてほしいです。

2007年、世界のアニメーションの未来を変えるエンターテイメント超大作『EX MACHINA』

2007年10月17日(水)
commmonsより発売

アーティスト|VARIOUS
タイトル|EX MACHINA ORIGINAL SOUNDTRACK COMPLETE EDITION
品番|RZCM-45700~1/B *2CD+DVD
価格|5250円

2007年10月17日(水)
commmonsより発売

アーティスト|VARIOUS
タイトル|EX MACHINA ORIGINAL SOUNDTRACK
品番|RZCM-45702/B *CD+DVD
価格|3500円

太田莉菜公式ホームページ
http://www.okazaki-models.co.jp/linaohta/

           
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