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ファッションモデルTAOインタビュー(後編)
パリコレのランウェイから──
ファッションモデルTAOインタビュー(後編)
パリコレ、ミラノ、そしてニューヨーク、ロンドン、ホームタウンの東京と、それぞれ年2回のコレクションをまわっているだけでも、生活は「日本半分、世界半分」になるというTAOさん。
世界のファッションスケジュールでは、もう今年の秋冬メンズ・コレクションがはじまっている。
Photo by Jamandfix
これが最後! これ以上できない!と思ったら……
――パリはもう4シーズン経験しているTAOさんですが、なぜ世界に行くのでしょう?
さいきんは、ちょっと意地になっている部分もあるのかな(笑)。最初は自分なりに思い描いていたものもあるけど、現実も見えてきて、やはり簡単なことではないし、当たり前のようにコレクションのシーズンが来て、そのサイクルはかんがえる余地がないくらい早くて、「どうしてこんなことやってるんだろう?」とフッとかんがえることがあるんですね。
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08 SS Aquascutum(以下写真はすべて本人提供)
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08 SS Aquascutum
──それは疲れたってこと?
ニューヨークにショーじゃないシーズンに行ってみて「疲れたなぁ」って(笑)。ニューヨークは自分とちょっと合わなかったんですね。仕事はあったんですが、やりたい内容ではなくて、それでかんがえる余裕がでてきて「なんのために仕事をしているのかなぁ」と思ったら疲れがドッと出てきちゃって。
それで、海外に行くのを辞めようかなと思いはじめて、ロンドンに行ったら、いろいろつらくて、もうこれが最後、もうこれ以上できないと思ったら、その気持ちと裏腹に仕事がうまくいっちゃって、辞めたらもったいないなって……そんな繰り返しです(苦笑)。
──それでまたコレクションのサイクルに乗って……
毎回考えるんです。ショーのシーズン中は「もうこれで最後にしよう」って。それぐらい辛いし神経もすり減ります。でもシーズンが終わると、もうつぎを考えてる。「つぎはこうしよう」って。
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08 SS Paul Smith
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08 SS Paul Smith
日本人のモデルとして認めてもらいたい
──いまのモデルとしての生活で得たものはなんですか?
もともとあるほうなんですが、行動力かなぁ。こういう生活をしていると、いい意味で世界が小さくなって、ポンッとひとりで海外へ行けます。
──コレクションでこだわっていることはありますか?
コレクションでだけではないことですが、なりきる、演じるという表現力ですね。モデルなんだけど、表現できる人でいたい。
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08 SS martin malgiela
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08 SS Julien Macdnald
──世界のなかでの日本人の優位性は感じますか?
オリエンタリズムのことですか? それはありますね。逆にそれをぶつけないと見てもらえないんだろうなって。髪の毛が黒くて長くてワンレンで、いわゆるアジアンビューティという、髪の毛はほめられることは本当に多いですね。でも、それがなかったらどうなのというジレンマみたいな悔しさもあります。海外でウケるように自分のスタイルをごまかしたり無理してやることもないですしね。
──では、最後にTAOさんの夢を
ショーは楽しい。楽しいからつづいているんだろうなと思います。まだまだ多くのデザイナーに見てほしいし、日本人のモデルとして認めてもらいたい。「日本人のTAOって子が出ていたね」って言われるようがんばります。
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07-08 AW salvatore ferragamoより
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TAOオフィシャルブログ|http://ameblo.jp/okamoto-tao/