VOLVO|ボルボC30|第10回 (後編)|「いちばんオススメのボルボ」
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2015年3月19日

VOLVO|ボルボC30|第10回 (後編)|「いちばんオススメのボルボ」

第10回 ボルボC30(後編)

「いちばんオススメのボルボ」

ボルボにしてはカッコよすぎる?
スポーティすぎる?
いやいや、じつは「C30」は、歴史からしても走りからしても、とってもボルボなクルマなのである。

文=下野康史Photo by Volvo Cars

それが大人のC30

ボルボにしてはカッコよすぎる――「C30」を見てそう感じる人もいるだろうが、歴史を振り返ると、このデザインもナットクなのである。

「P1800」プロトタイプ(1960年)

1986年登場の3ドア・ハッチバック「480」、もっと遡って、1960年代に人気を博した2ドアクーペ「P1800」。
いずれも「ボルボ=ワゴン」のイメージが強い日本では知る人ぞ知るスポーティ・ボルボ路線に、このC30は正しく乗っているのだ。
純血時代は、とりわけゆっくりした時間の流れを刻んできた北欧メーカーが、昔からときどき思い出したようにつくってきた「カッコイイ系ボルボ」である。
だから、初めてこのスタイルを見たとき、ぼくなんかむしろなつかしい気がした。

ターゲット層は、「活動的な都会のライフスタイルを送る独身者やカップル、もしくは子育てを終えて自由な時間をもつ「エンプティネスターズ」と呼ばれる人々、またはファミリーのセカンドカー需要を想定」。

でも、やたらカッコいい、ゴルフ・クラスのボルボ。乗り味やいかに、と走り出せば、いつものボルボである。
悪い意味ではない。プラットフォーム(車台)やパワーユニットはセダン「S40」やワゴン「V50」と同じ。乗った感じも、ちょっとアイポイントの低いS40系といったところだ。
230psの2.5リッター5気筒ターボを積む「T-5」でも、動力性能は余裕たっぷりだが、けっして激しくはない。ホットハッチ的なヤンチャさを期待すると、お生憎サマである。
けれども、それが大人のC30だ。幼稚っぽい速さや、生き急いだせせこましさと無縁なのは、ボルボ流でもあるだろう。

なるべくシンプルに乗りたいクルマ

グラスハッチの開口部は小さいし、敷居も高いから、荷物をマジに積むクルマではない。でも、このカタチに目を奪われた人なら、最初からそんなことは百も承知だろう。
S40/V50のプラットフォームをベースにカッコいいクルマをつくったら、それがたまたまスポーツワゴンふうになった。「だれが積めるっていった!?」という確信犯なのである。

一方、リアシートは意外に広く、快適だ。2ドアによる乗り降りのしにくさを除くと、ひとを運ぶ能力は4人乗りのセダンにほぼ近い。

日本仕様は、右ハンドルが基本。「T-5」でのみ左も選べる。

すでに“買う寸前”のひとにアドバイスすると、エンジンはノンターボの2.4リッター(170ps)で十分である。

オプションの18インチホイールは、乗り心地の面で害あって益なし。ボルボに「いちばん高いの持ってこーい」的なパワーエリート趣味は似合わない。なるべくシンプルに乗りたいクルマである。
ただし、C30の場合、オプションの「ボディキット」は是非モノだ。フロントスポイラー、前後スカートからなるボディ四囲のエアロキットである。最上級T-5でも、30万円級のエクストラコストだが、これがないとカッコイイC30にならない。

これまでボルボに興味を示さなかったひとでも、C30にはちょっと食指が動く、というひとがぼくのまわりにはけっこういる。デザイン力の賜物だろう。
しかも、これまでのボルボよりコンパクトにできている。上級ステーションワゴン「V70」の荷室が、最近、ぜんぜん使いきれなくて……というひとが乗り換えても、ボルボの安心感は同じように味わえる。

小さいクルマ好きとしては、いまいちばんオススメのボルボである。

(おわり)

「S40」「V50」から採用された、浮いているような独特のセンターコンソール「フリーフローティング・センタースタック」も健在。

車両概要:ボルボC30

2006年秋にデビュー、翌年7月に日本上陸を果たした、ボルボいうところの2ドア・プレミアム・コンパクトクーペ。ラインナップ中最小のボルボであるとともに、新しい顧客層獲得を目指したエントリーモデルである。
最大の特徴はデザイン。とくにガラス製テールゲートを採用したリアビューは、多種多様なクルマあふれる都内にあっても目立つことうけあいだ。

セダン「S40」とワゴン「V50」をベースにつくられたボディは、全長×全幅×全高=4250×1780×1430mm、ホイールベース=2640mm。S40より220mm短い。
エンジンは直5が2種類。170psの2.4リッターは「2.4i Aktiv」(285万円)と中核グレード「2.4i SE」(348万円)に、230psの2.5リッターターボは「T-5」(387万円)に搭載される。トランスミッションはいずれもマニュアルモード付き5段オートマチックだ。
ボルボならではの安全性、DYNAUDIO社製のプレミアムサウンドオーディオシステムに代表されるプレミアム性も同車のポイントとなる。
http://www.volvocars.co.jp/

           
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